先日の鳥籠の少年を見てしまったからには、見るしかあるまい。
新訳Z。1985年のリアタイ以来、40年ぶりにZの世界を再訪することにした。
Zガンダムは何が失敗だったのか。青春に決着をつけなければ。
…でこの映画。全体は三部作だろうけど、
脚本に問題があったことが、今ならわかるわ。
出オチばっかやんけ!
以下ネタバレ。
カミーユ・ビダンの物語が薄い。
ティターンズに不満を持ち、両親に不満を持ち、
設計者が父で、なんか怒りでマーク2を動かして、
クワトロについてったはいいが、
母親を目の前で殺されたのは不憫だ。
だけど、その後は?
エウーゴとかティターンズとか、
どうでもよくない?
ファと再会できたんだから、
地球で二人で暮らせばいいんじゃない?
レジェンドに囲まれて驚いてる、
ジェロニモみたいになってた。
もちろん、たかが子供に戦局を動かせるわけではない。
なぜガンダムのパイロットとしてエウーゴにいるのか、
その動機がずっと見えてこない。
母親の仇打ちというのはイマイチ動機の強さに欠ける。
敵が大きすぎるしね。
つまり、彼のセンタークエスチョンがない。
一年戦争と違って、どこもかしこも戦争というわけではなく、
この世界は宣戦布告もなく、
ゲリラが勝手に戦闘してるだけだ。
「重力に魂を引かれた人々」というフレーズに酔って、
それが具体的にどうなのかを説明してないのがどうもね。
ニュータイプは公的に存在してない体なんだっけ。
単に地球育ちと宇宙育ちの、
差別のしあいという軸なんだっけ?
ティターンズ、地球連邦、エウーゴ、ジオン残党、
民間人の、
線引きがよくわからんので、
人物を見守るしかなくなる。
何目的だっけ?がよくわからなくなる。
ティターンズのボス(ジャミトフ総統?)をずっと追いかける、
という話なんだろうかね。
コロニーにウイルス兵器を送ったことが、
直接の弾劾理由ならば、
なんで世間に公表しなかったん?
ゴール目的をはっきりさせればよりわかりやすくなったのに。
で、
結局同窓会に次々出てくるキャラで時間軸を持たせてるな、
としか思えなかった。
アムロ、カイシデン、ハヤト、そしてシャア。
リュウやハモンさんと同じ、飛行機を突っ込ませるという、
アムロのやり方に鳥肌が立ち、
アムロとシャアの再会で鳥肌は立つが、
それとカミーユ関係ないやんけ。
もうカミーユ抜きで二人でティターンズ叩きなはれ。
ガンダムの続編で、
アムロとシャアの物語のつづき、カミーユなしというのは、
あり得たのかなあ?(それが逆シャアへとスライドした?)
その、どちらともつかず、
ようやく同窓会が終わるまでに2時間かー。
ここからパーティが始まらないことはすでに知ってる。
「強化人間」「木星帰り」を、
うまく物語にできなかったことも知ってる。
ただ戦って死ぬだけで、
なんらかの「変化」をもたらさなかったことが、
Zにドラマがなかったことだと、
今ならわかる。
カミーユの動機がはっきりしない。
カミーユの目的がはっきりしない。
センタークエスチョンがはっきりしない。
脚本論としては、問題だらけだ。
最初は古株の再登場でひっぱり、
徐々に若者たちに席をゆずっていく、
当初はそんな計画だったのかもしれないが、
カミーユにもエマさんにもジェリドにも、
主役のバトン、物語は回ってこなかった。
シロッコなんて今回マクベより出番なかったろ。笑
若者たちに感情移入できないから、
アムロへの感情移入だけで泣いちゃう。
これを、カミーユへの感情移入が上回るべきだった。
Save the catに当たる部分が、
「母親を目の前で殺された」だけなんだよな。
で?
彼の彼たる所以はなんだい?
特徴のある立ったエピソードがなかったことが、
主人公たり得なかったのだな、
と欠点がわかる。(女みたいな名前、以上のエピがない)
大まかな流れは悪くないのに、
小箱が全然ダメ。
まあ、ダメダメだったものをダメまで戻したのかもしれない。
さて、次はフォウとベルトーチカ。
楽しませてもらおうか。
2025年03月20日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック