2025年07月05日

複数種類の反応を描く

あることがどのような価値があるかは、
登場人物のリアクションで決まる。
だけど、同じ反応を複数の人がする場合は少ない。
それぞれの人の立場や性格や哲学が違うからだ。

そのようなものを描き分けることが大事だ。


イケメン転校生がやってきた。
女子はキャーキャー言う、
男子はふん、とおもしろくない、
なんてことはよくあることだ。
その中でも男子の一人が話しかけて、
友達になるとしよう。
話せば案外いいやつじゃん、となれば、
その転校生は、
「いろんな反応を受けたものの、
おおむねクラスに好印象を与えた」となる。

これが、「好印象を与えた」だけだと、
個別の反応がなくて、
なんとなくみんなが同じようにイケメンーと反応した、
ということになってしまうわけだ。
そうじゃなくて、
「いろいろな違いはあるものの、おおむね」
という全体と個別の感覚が大事だと思う。

賛否両論は難しい。
賛の部分をいくつか考えないといけないし、
否の部分をいくつか考えなといけない。
だけど、それが出来るようになると、
賛のみの場合でも、
いろいろな色の賛がある、のようにかき分けられるだろう。
否のときも同様だ。

つまり、
いろいろな色のリアクションを考えたければ、
賛否両論の練習をするのが手っ取り早いのかもしれない。


全員がまったく同じリアクションを取ることは、
現実にはほぼない。
そのことを加味して、
あることがあったとしても、受け入れられ方はそれぞれで異なる、
ということをきちんと描きたいものだ。

そこが不自然だと、
ご都合(ストーリーの都合で、自然な反応を曲げている)になってしまう。



あることがある。
こう考える人はこう反応するだろう、
こう考える人はこう反応するだろう、
のようにやってみたまえ。
常に3のパターンを考えよう。
posted by おおおかとしひこ at 07:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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