Dvorak博士が、自らのDvorak配列の優位性を示すために流したデマ
(正確にはそれに尾鰭がついて都市伝説となった)、
という解釈が一番もっともらしい。
でさ、
「アームが絡まないように、
連続しやすいキーをわざと離した」のなら、
むしろ異指連続や左右交互になって、
打ちやすくなるのでは?
検証してみる。
qwerty配列の研究者安岡さんは、
「連接頻度の高いRE、ERが隣り合ってる」と反論するが、
実際に調べてみた。
英語の頻出2連接を、
https://gist.github.com/lydell/c439049abac2c9226e53
から持ってくる。
パッとEnglish bigram frequencyで検索して表があったものを採ったので、
もっと妥当なのがあったらおしえてください。
上によればトップ20は、
TH, HE, IN, ER, AN, RE, ON, AT, EN, ND,
TI, ES, OR, TE, OF, ED, IS, IT, AL, AR
だが、
ER、RE(隣り合ってる)、
ED(同指縦連)、
以外はすべて指がばらけており、
「むしろ打ちやすい運指」である。
「連続して打つ時、アームが絡まないようにした」
ことは、
「打ちやすくなってる」のでは?????
まさか「隣り合ってないことが打ちにくいことだ」と主張する人たちは、
目で見て探してる?????
アルペジオ運指のことではないよね。
そこまで議論できてないことが多いからね。
Dvorak博士の主張にも関わらず、
qwerty(英語)がある程度高速性を持つのは、
異なる手、指がかなり連続するからではないか?
それらの平均距離は結構離れている印象があるので、
「手がバタバタすることがqwertyの欠点である。
速度ではなく疲労が問題である」と、
批判するべきだったのではないだろうか。
(もっとも、第二次大戦当時の電信レベルの文章量を問題にしていた。
現代ではその頃に比べて万倍増えているのだが)
というわけで、
「アームが絡まなくなってることで、むしろ高速」なのだが????
なお「わざと打ちにくくした」のは、
どこをどのように打ちにくくしたのか、
ディテールを持たないのよね。
だから頭の悪い人を巻き込む都市伝説だと考えられる。
(たとえばシュレディンガーの猫は、
「量子力学が正しいとするとそういう猫が生まれることになるが?」
というシュレディンガー博士の皮肉であり、
「それに反論できてはじめて量子力学の完成では?」
ということであったはずだ。
これに対して量子力学サイドとしては、
「観測そのものが電子ビームなどをぶつけることだから、
プランク範囲で量子に影響を与えることになり、
正確な値を得ることができない。
なので確率関数で記述するしかないのだ。
猫がプランク長ならば1/2の重ね合わせであり、
電子をぶつけるまで我々は観測できない。
つまりシュレディンガーさん、プランク長の猫を出してください」
と反論すればよかったのだが、
シュレディンガーの猫だけ独り歩きしたのだね)
もしいまだに「qwertyはアームバーを絡まないように、
わざと文字を離して打ちにくくした」と、
都市伝説でドヤ顔する人がいたら、
ここへ誘導してください。
「頻出連接が離れていることで、むしろ打ちやすく高速化している。
トップ20ではER、RE、EDのみ隣接してて、ここだけ絡みやすい。
ただ、指の平均移動距離は大きく、
Dvorakの方が小さそう」
が結論。
なお、
qwertyローマ字の頻出連接は、英語とはまったく異なる描像だ。
大西さんが大西配列をつくったときの統計の、
トップ20を出す。
NO, IT, TA, KA, SI, AN, TO, OU, AR, HA
NI, ON, IN, AK, TE, KU, AT, OK, UN, NA
ぱっと見、AとTのNの頻度の多さが目立つ。
2連接よりも3〜4連接で検証した方がよさそうだ。
(2文字でカナ1文字のため)
大西さんの4gram統計のトップ20は以下。
SITA, SITE, ITA., KOTO, ATTA,
KARA, ASIT, NNNO, IMAS, YOUN,
OSIT, ATTE, NNNI, MASI, OUNI,
UKOT, SONO, ARET, SURU, USIT
TA, TE, TTA, TTEなど厄介な運指が多い。
NNNO, NNNIがランクインって正気かよ!
AS, YOUN, UN, UKO, ETなどの、
打ちにくい連接が多く含まれる。
もうこれだけでqwertyローマ字うんこやんけ。
qwertyローマ字がクソであることに、
qwerty英語を根拠として出すことは、
これらトップ20を比べてもわかる。
以下「qwertyローマ字が打ちにくいのは、アームバーが」
という人はここに誘導してくれ。
2025年03月25日
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https://twitter.com/IntelJapan/status/592606617499213824
厄介なことに、一度雑学ページに載ってしまうと、
エコーチェンバー的に広がりますよね。
僕は、
「具体的にどことどこをどのように打ちにくくしたのか」
を検証するまで信じられないです。
それがわかれば、それを戻せば高速配列になるはずなので。
それが出来てない時点で「信じ易いガセ」ということです。