あらすじのトレーニングをしておこう。
まず好きな映画を10本選びなさい。
なんでもいい。
で、それぞれのあらすじを800字で書くトレーニングだ。
あらすじは、結末まで書くこと。
つまり、どういう事件が起こったのか、
それがどういう展開を経てどう解決したのか、
それがどのようなテーマを暗示できるのか、
まで含めて書けなければならない。
あるいは、キャラクターの魅力まで書けるとベストだね。
シチュエーションの面白さやそのオリジナリティまで言及できるといい。
でも欲張りはいけない。なにせ800字だ。
きちんと結末まで書いてたら、すぐに終わってしまう。
つまり、取捨選択しないといけないということだ。
この取捨選択がトレーニングになるというわけ。
もしこの脚本をあなたが書いたとして、
脚本賞に出すと仮定して、
第一次審査はこれしか見られないとしたら?
というシミュレーションとして書いてみよう。
めちゃくちゃ緊張するよね。
一本書くのにどれだけ労力がかかるか、
書いたことのある人なら知ってるはずだ。
あるいは自分が書くのは無理だとしても、
誰かが書いたものを紹介したりプロデューサーとして製作委員会にプレゼンするために、
これを書くのだとしたら、
重大な任務だよね。
そのつもりで書こう。
あるいは、公開時にマスコミはこれに準じてあらすじの記事にすると仮定しよう。
試写会で寝てたマスコミもいるだろう。
ずぼらな人がそれをうまく編集するだけであらすじになるものを提供するべきだ。
そして一応結末まで書いておき、
こういう話だったわ、と思い出させるために書いてみよう。
かなり苦しい。
僕は本気で書くなら一日では無理かもしれないと思うくらい。
800字なんて分量としては10分もかからずに書けるけど、
内容を精査するのに1時間とかかかる。もっとかかるかもしれない。
これで妥当なのか?
これですべてをうまく省略できているか?
本質を端的に伝えられているか?
どこを残してどこは切るべきか?
この練習を本気でやると、へとへとになり、
かなり実力がつくだろう。
なお、いくつかのAIにやらせてみたが、
的確な答えをだせるAIはまだない。
書き手としてのあらすじ(梗概)を学習していないからだ。
DVDのパッケージにあるような、煽り的なあらすじは書けるけど。
プロが書く文章を学習していない以上、
素人の構成レベルでしか書けていないね。
だから、正解はない。
あなたがその映画の本質だと思うことの、
骨格を抜き出す練習でもある。
そして、それが800字の中で「おもしろそう」と思えなければ、
不合格である。
あなたの感動を構成的に分析する、
という体験でもある。
ぜひチャレンジしていただきたい。
実力がつくよ。
2025年07月06日
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