例の医師の無罪判決が出て、
ようやく冤罪であったことが証明されたのだが、
それを報じるYahoo!ニュースTwitter版のタイトルがひどい。
【手術後わいせつ 医師の無罪確定へ】
これを言葉のプロとして修正するエクササイズをしてみよう。
記事自体は、TBSテレビの原稿だ。
【速報】東京高検が最高裁への上告を断念 準強制わいせつ罪で起訴の男性医師 やり直し裁判の東京高裁無罪判決が確定へ
https://news.yahoo.co.jp/articles/dc780592d463efa74a65870a1616e77a991dbc05
TBSがこの記事タイトルをつけたわけではなく、
ニュースを買っているYahoo!またはTwitterに流す誰かが、
この誘導的タイトルを書いたのだろう。
これではこの医師も浮かばれまい。
一生わいせつ医師呼ばわりだ。
彼の名誉回復のために、記事タイトルを書き直そう。
別の医師の方が、事実関係を踏まえて訂正例を示している。
×手術後わいせつ 医師の無罪確定へ
○術後患者のわいせつ被害訴え せん妄認定で無罪確定
だがこの方は言葉のプロではないので、
16文字(誤タイトル)以内に書くという技を持たない。
では我々がやってみようではないか。
16文字以内で、正しいタイトルに書き換えなさい。
シンキングタイム。
(解答例)
医師無罪確定: 手術後のせん妄冤罪
「わいせつ医師」と誤解を広げないために、
クリック率は高まるが誤用はよろしくない、
「わいせつ」を外す。
最も重要な、無罪であったこと、それは冤罪だったことは、
強調して良い。
それが彼の名誉を回復する、唯一の手段だからだ。
なにせこの医師の息子さんが、
わいせつ医師と訴えられたのを苦に自殺しているくらいだ。
この人はわいせつ医師ではなかった、
わいせつはなかったのに患者が勝手な思い込みをして訴えたという、
痴漢してないのに痴漢として捕まったよりも、
タチの悪い訴えられ方だったのだ。
これをまず背骨にしなければならない。
手術後のせん妄というのは、
知られていない現象だから、
啓蒙のために文言として入れておくべきだ。
言葉では覚えられなくても、
「手術の麻酔の影響で、
ありもしない幻覚を見ることがあり、
それは本当にあったことかのように感じることがある」
ということがあるのを広く伝えるのは、
社会の木鐸である報道の役目だと思う。
この医師はまじめに手術をしただけなのに、
わいせつ医師呼ばわりされて訴えられ、
逮捕され、誤解されたまま息子が自殺して、
無罪が晴れたのに、
このニュースでセカンドレイプされている。
しかもレイプされてないのにレイプされている。
ひどい。
クリック率が上がるからといって、
「わいせつ医師」みたいなものをぶち込む、
Yahoo!のTwitter担当者は、
わいせつ担当者として息子が自殺するまで追い込まれる罪を、
背負ったことになる。
生涯わいせつ担当として生きていけ。
目には目、歯に歯が、
法律で裁けぬ悪への対処だ。
(目には目以上の罰を与えちゃダメよ、
目までよ、という戒めも込みなのは知られていい)
なんなら、もっと問題提起的に、
手術後のせん妄冤罪は、誰に責任か
でもいいかも知れない。
2025年03月25日
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