Twitterから。
> 林きつね@hysktanuki
> 人生で初めてターミネーター2を見た。
> 溶鉱炉に親指を立てながら沈んでいくシーンを号泣しながら見る という完璧な経験を得た。
> 本当に涙無しには見られないシーンだったのかよ。
素直な感想にみんながうんうんと言ってくれている。
それ自体はとてもいいことなのだが、
ネットミームでしかT2を知らないで生きてる人が多いことに、
どうすりゃいいんだろうなあと悩んでしまう。
テレビがこんなになる前は、
みんなテレビでT2を見てた。
木金土日と洋画劇場があって、
CMは最初30分は入らずに、
第一ターニングポイントまで一気見して、
それから15分おきに入ったんだ。
荻昌弘、水野晴郎、高島忠夫、淀川長治が、
頭で解説して、見終わっても解説してくれた。
吹き替えだけど、深夜に放送する時は字幕で、
吹き替えのわかりやすさと、原語で見る魅力を教えてくれた。
視聴率が取れないからT2を流さないのか。
もうT2を買い取る体力がTVにはないからか。
お茶の間でみんなでT2を見て、
視聴率が25%超えて、
みんなでダダンダンダダンをしてないんだろ?今。
テレビはさ、日本人の基礎教養を一定に底上げしてたんだよ。
ネット時代になって、その教養共産主義がくずれて、
資本主義的に格差が広がっている。
T2とかガンダム見てないなんて、文化のベースとしてあり得ないというのに。
じゃあ今の袋小路の「名作」が、
T2を超えてるかというとそうでもない。
今の名作がかつての名作の延長線上にある理解もできない。
どうすればT2を若者の20%くらいは見てるようにできるかな?
結構難しいよな。
たとえば僕の世代は、
チャップリンや「素晴らしき哉、人生!」や、
ビリーワイルダーなど、白黒時代の名作は、
噂とビデオや配信で拾い見することができない。
体系として学べず、点をつなげる作業を自分でやる必要があった。
ギリギリ70年代のベンハーや猿の惑星をテレビで見た世代。
タクシードライバーや俺たちに明日はないは、
ビデオで調べてしか見れなかった。
こんな風に、
文化の失伝がありえるなんて、
テレビがこんなになるまで、
考えてなかったよな。
伝承すべき映画100選とかやっても、
たぶん全部見ないだろうし、
伝承したい映画は1000でも足りないかも知れない。
映画にはSFからラブコメまで、
ジャンルが豊富だから、みんな見せたい。
若者がちょっと日本酒飲んだら、
あれも飲めこれも飲めといってくるオジサンになってる。笑
最高のアメリカ映画を、
最高の日本映画を、
最高の香港映画を、
最高のその他の国の映画を、
何本集めればいいかな。
そしてB級もクソ映画も見て、
映画の名作とはこういうことだと楽しむには、
どうすればいいんだろ?
年取ったらそういう映画館つくるしかないのかね。
TSUTAYAがそういう役割をしてたのに、
つぶれやがってこのやろう。
漫画喫茶は紙の本があるからいいよな。
配信になったら何もなくなる。
たとえばタルコフスキーの「惑星ソラリス」を、
今見たくてもどこの配信にもないんだ。
俺はまだソラリスを見てないから見ようと思っても、
不可能なんだよね。
じゃあ勉強できないじゃん。どうすりゃいいんだろうね。
資本主義原理と勉強は、別の原理で動かないとな。
日本映画学校みたいなところがアーカイブつくるしかないのかね。
2025年04月05日
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