配列の設計理論には色々あると思うんだけど、
実際それは何に効いてるのか、
整理してみる。
1. ヒートマップ
指の疲労バランスに直接効く。
これが均等になってないものは、
弱い指から疲れる。
ただし指の強さが人によって異なるため、
バランスの理想は人によって異なる。
また、そもそもたくさん書かない人は、
最弱左小指酷使のqwertyローマ字でも、
特に問題を感じない。
歪みが蓄積する前に終わってしまうからだ。
ヒートマップは、姿勢による背骨の歪みというより、
作業量に比例して蓄積するダメージみたいな感じだね。
理想は、莫大に作業すると、
「全指が同時に壊れる」だろうね。
それくらい相対的均等に至りたいものだ。
左右分割、チルトテント、物理配列、
キーキャップのプロファイル、キーピッチ、
押下圧、打鍵姿勢なんかは、
基本的にはこのヒートマップと、
次の運指の滑らかさの両方に影響すると考えている。
2. 運指のなめらかさ
ガチャガチャした運指だと、イライラする。
なめらかな運指だと、気持ちいい。
渋滞してるかしてないか的な、
とても近視眼的な気持ちよさに影響する。
莫大な作業だとしても、
たぶん疲労に大きく関係しないのでは?
というのが経験則かな。100のうち40くらいの感じ。
思考を今すぐ書き留めたいみたいな、
秒〜半秒単位の話のような気がする。
指の組み合わせには気持ちよく滑らかに動かせるもの
(良運指)と、やりにくいもの(悪運指)がある。
前者の代表はアルペジオや左右交互、
後者の代表は同指段越え、同指連続などだ。
これらが関係するのは、
刹那の気持ちよさなんじゃないかと思う。
3. 打鍵数
少ないほど気持ちよく、脳から出たものを書き留めやすい。
多いほど単に疲れる。
多分打鍵数の大小は、
少ないほど○○で多いほどその逆、
みたいな一次元の反対関係になってない気がする。
4. 打鍵範囲
狭いから疲れないか、広いから疲れるかというと、
そうではない気がする。
ヒートマップと同じで、
「その人の的確なものにあってるか」
のほうが重要な気がする。
僕は4段はとても無理だけど、
行ける人にとっては難なく問題なかろう。
57キー単打のいろは坂配列を打てる人もいるのだ。
5. 清濁など同置/別置
同置の方が脳負荷が少なく、本文に集中できると思う。
別置は慣れるまでの手間がかかるが、
自動化されればスムーズに行く。
しかしその時脳負荷がかかってない証拠はない。
圧縮された経路のほうがいいに決まっている。
これもヒートマップとおなじで、個人差があるところ。
6. シフト方式
シフトがあるほうが複雑で脳負荷が高く、
ないほうが楽である。
しかしシフトしないと打鍵範囲が広くなるというトレードオフがあり、
バランスする均衡点があるはずだ。
またシフト方式も、
どの指でシフトするか、
同時打鍵なのか、
連続シフトありなしなどでも人によって好みの差がはげしい。
つきつめれば個人差になってしまう。
つまりこれらの各要素で、
「自分の臨界点はどこなのか」を分かるべきだ、
ということだ。
僕の場合は、
ヒートマップは、小指2%、左薬指5%以下で、人差し指中指で8割が良い。
センター連続シフトがよくて、シフト率24%が限界。
運指はアルペジオ中心の滑らかさがよい。
打鍵数は少ないほどよく、同時押しで1モーラが良い。
打鍵範囲は30で、QTYはあまり使いたくない。
清濁同置どころか、半濁音、拗音、外来音、小書きがきもちよい。
例外がないとスッキリして、本文に集中できる。
こういうことを明文化すれば、
各配列のスペックを眺めながら、
自分に合う配列を探せると思う。
というか、そんなものは使ってみないとわからないのだ。
使ってみた上で、自分の臨界点をさぐるしかないと思う。
自分は思ったより○○が行けるとか、
自分は思ったより○○までは行けないとか、
やってみて分かることはたくさんあるからね。
僕はやっぱりキーボードの初心者で、
許せる許容量が少ないんだと思う。
あるいは、過去の配列設計者の想定文章量よりも、
はるかに大量に書くから、
なるべく負荷のかからないものを好むのだろう。
だから負荷の少なく、ぐんぐん進む薙刀式こそがよいと言う。
ということで、
俺は行けるが誰かは行けない、
みんなは行けても俺は行けない、がある。
どの要素が何に効くかわかってれば、
判断がしやすいというものだ。
2025年04月08日
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