2025年04月10日

【薙刀式】新配列の目的は短距離走ではなく、長距離走

「競技ではqwertyが最速なのだから、
○○配列に変えても意味がない」に反論する。
その競技は短距離走の話だよねと。

新配列の目的は、1分程度でqwertyよりもミリ秒勝つことではない。
一時間で長く書くことや、
数日打ち続けても疲れないことにある。
(逆に短距離走用の新配列はほとんど研究されていない)

ちなみに陸上の、短距離走と長距離走に必要なものの違いを調べてみた。


deep searchによるとこんな感じ。
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短距離走では、最大速度をいかに早く出せるか、後半の減速をいかに抑えられるかがポイントです。長距離走では、筋肉の毛細血管密度を増やして酸素摂取量を増やし、心筋を強くすることが大切です。また、脂肪をエネルギーとして使うため、体を効果的に鍛えることもできます。

長距離走には、腰が低く、長い脚を持ち、心肺機能が優れている人々が向いています。また、軽量であることも有利に働きます。
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別のnoteだと、
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短距離走の場合は疲れても良いから速く走るということをゴールに置くのに対し、
中長距離走の場合は疲れないことが速く走ることに繋がります。
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などとも出てきた。

専門的なことは置いといて、

短距離走…筋肉(無酸素)
長距離走…心肺能力(有酸素)

がメインのファクターになっているわけだ。
ざっくりいえば、「別の要素」なんだねえ。

軽量の方が長距離有利というのは、
意識したことなかったけど、
考えれば当たり前のような気がする。
日本の歴代マラソン有名人、みんな華奢で小さいイメージだよな。




さて、タイピングに落として考えるか。

qwertyは、
壊れてもいいから1分間だけ無呼吸連打するのに、
向いている配列だといえる。

動線がめちゃくちゃでも1分限定ならあまり関係ない。
むしろ連打(トップは秒10〜18打)を止めないことの方が重要だ。
同指連打はこれを遅くするファクターだが、
最適化運指がこれをカバーする。

変にシフトや同時押しが絡まないことで、
一点集中無呼吸連打ができることが、
qwertyの有利点だろう。

また、適度にアルペジオが入ることで、
左右交互の混濁現象を避けられているのも大きいかも知れない。


新配列の多くの設計方針は動線を短くすることだが、
それはあくまで自然文の統計をベースとしたものだ。
これが競技では役に立たない。
多くの競技では、限定的な言葉のランダム出題だからだ。
統計ベースが役に立たない局面で、
競技をやるわけ。

だから、仮に自然文ではqwertyの1/○に動線が短くなっていても、
ランダム出題の範囲ではそこまで寄与しないと予想できる。
(たとえばタイプウェルは出題が名詞に限られるが、
自然文の中では名詞以外の言葉もたくさんある)

また競技シーンでは事前にワードセットが発表され、
その限定内容を練習するものだ。
動線の多少の縮みのアドバンテージは、
練習で覆されてしまうのではないか。

とくにqwertyの運指最適化が重要で、
タイパーはワード単位で運指を変えてくる。
その練習も込みで事前練習だろう。

新配列使いは「標準運指で運指を良くする」
までしか考えていないため、
運指の悪い単語を都度運指を変えて、
短距離走を速くするところまで、
詰めきっていないのではないかと考えられる。
(聞いたことがほとんどないので)


逆に、新配列界隈で、
秒10打での無呼吸連打600打鍵を詰める工夫や努力は、
皆無だと思う。
だから、短距離走競技でqwertyを練っている人に勝てないのではないか。

つまり、設計の優秀さにあぐらをかいて、
それ以上の努力をしてなくて、
qwertyの練り込んだ努力に勝ててないのであろう。
(ていうか、新配列は努力せずに速くなることが目的だからな)


一方、新配列が威力を発揮するのは、
長距離走だろう。
持久力という別のファクターの戦いだ。
これはざっくりいえば、
「疲れないこと」だ。

だからもしqwertyローマ字に新配列が勝てるとしたら、
スピード競技ではなく持久力競技だと予想する。

動線を少しでも短くすれば、
大量打鍵では効果がある。
各指への負荷分散も効いてくる。
打ちにくい運指を排除して、
統計的によく出る連接を打ちやすい連接にすることは、
疲れずに言葉を紡ぐことを補助するだろう。


軽量というのも効きそうだ。

論理配列的にいえば、打鍵数が少ないことだろう。
同時打鍵は脳の負荷を減らして他のスペックを上げられる。
これは秒単位の注意力や集中力よりも、
何百字、何千字で効くファクターに思える。
動作数が少ないほうがいいから、
逐次シフトよりも連続シフトがいいと思われる。
キー範囲が狭いことも軽量化だと思う。

あるいは薙刀式の「句読点確定」も地味に打鍵数の軽量化をしている。

キーボード的にいえば、押下圧が低いことだろう。
打鍵姿勢を圧迫しない左右分割や対称キーボードもよい。


これらを見ていくと、
薙刀式は長距離走むけにチューニングされてるなと思う。

qwertyに勝ててないやんと言ってくるやつには、
短距離走は知らん、長距離走競技なら薙刀式で出るわ、
と言えばいいわけ。
一時間のコピー打鍵とかかな。
地味だから開催されないのがネックだ。



短距離走の優勝者が、
実務で優秀とは思えない。
もちろんボンクラばかりの中では使える人になるだろう。

実用の中で優秀な配列を、
新配列は目指している。
僕はqwertyローマ字は、
長距離の実務に耐えられないほどひどい配列だと考える。
その意味でqwertyクソだという。
「長期間使えたものではない」という意味だ。


新配列の「長距離での/実用での」の文脈を、
「短距離での/競技での」の文脈に、
誤読していることをもって、
「qwertyローマ字が(短距離走で)世界一なのに?」
への反論としたい。
posted by おおおかとしひこ at 12:13| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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