桜の花は、なんとなく我々はピンク色だと思っている。
しかし実際に写真を撮ると結構白い。
肉眼で見ても白に近く、
ほんのりとしたピンク色だとわかる。
記憶色というやつだ。
記憶の色の方が鮮やかに残るのである。
で、今日地面に落ちた花びらを見てたら、
白とピンクのが半々なのに気づいて「?」となる。
咲いてる花をさらに観察してわかった。
表(花芯の側)は白で、
裏がピンク(血管のように赤い葉脈が通っている)なんだね。
写真家がドヤ顔で言う。
「桜の花はほんとは白なんだぜ」と。
そりゃあなたの撮る桜は、
満開の花を正面から撮るからですよね。
僕らが体験する桜は、
下から見上げる、花の正面じゃないところや、
風に舞う、表1/2裏1/2の花びらだったり、
地面に落ちた花びらだったり、
遠くで風に揺れる、
花の横顔(裏の花びらが見える)だったり、
逆光で透けて裏表の色が足されたピンクだったり、
蕾から散り際までの全ての時間軸の桜なわけさ。
そしたら、
白い花びらとピンクの花びらの記憶が融合して、
「いやいやほんとうは白いわけないでしょ」
って思うわけですよ。
(ちなみに桜の花びらは明るい部分なので、
直射を受けた花びらは白に飛びやすく、
それをピンクまで収めるには相当絞らないといけなくて、
そんな露出の暗い写真はしょぼいので、
桜の花びらは結果、写真の中では白くなりがち)
「記憶色だから、より鮮やかに記憶されるのだ」
という説も半分はあってるけど、
「桜の花びらは表は白いが裏はピンク(のグラデーション)で、
地面に落ちたらよりピンクが濃くなる」
という説も正しそうだな。
写真は点しか見ていない。
体験は、複数の角度や線を含む。
この違いをよく見よう。
2025年04月10日
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