打鍵感も感覚の一つだから、
味覚と同じで、
「前はいいと思ってたのに、
良いものを知った後だとそれがゴミに感じる」
があるように思える。
昔買って感動した、
Gateron Clear(35g)の40%キーボード、
Magic Forceを久しぶりに打ってみたら、
ガサガサすぎてワロタ。
当時の軽量級って、
HHKBか赤軸の45gか、
リアフォ30gモデルかの3択だった。
そこに自作キーボードではない市販品として、
しかも40%キーボードで35gって、
唯一無二だった。
その時は感動したなー。
HHKBが重く感じられてきた頃で、
持ち運びも60%はデカいし重いし。
40%という衝撃も手伝って、
軽くて最高と思っていた。
メインから外れた理由はうるさすぎるからで、
カフェで使うのはたばかられるくらいだった。
のち、同じ35gのNiZにメインを移した。
で、
ふと懐かしくなって、
「うるさいけど爽快だったキーボードを触ってみよう」
と引っ張り出してきたら、
ガサガサの摩擦で、筐体はプラのふにゃふにゃで、
なんという安い打鍵感か、とびっくりしてしまった。
ああ、俺は打鍵感ソムリエとして成長してしまったのだなあ。
そりゃPearlioはじめウムピエにこだわり、
それよりも滑るHPEにこだわり、
バネは12gから35gまで全部試し、
バネルブもやり、
カスタムキーボードをイベントでガンガン打ち、
真鍮打鍵感を追求中の俺には、
すべてが安く感じてしまう…
ああ、記憶の中の爽快感は、
現在の爽快感より良かったまであるのにね…
現在の高級打鍵感の流れは、
アルミボディ+真鍮ウエイトで剛性をガッシリ出して、
アルミか真鍮かポリカプレートで柔らかめから硬めまで調整、
PCBはガスケットで柔らかくして、
スイッチはロングポールでコツンと行き、
ボディはクリーミーPOM系の摩擦
(ファクトリールブ)、
重めロングバネで等荷重で下ろしていく、
間は発泡クッション系(ポロンなど)で音を吸収、
というのが主流。
このどれも、昔のキーボードにはなかったんだねえ。
主観的感覚というのは難しい。
たしかにそこにあるのだが、
受け手の解像度によって変わってくる。
昔食っためちゃくちゃ美味かった飯も、
今食うとそうでもなかったりしてねえ。
そういう意味では、
バカ舌みたいな、バカ打鍵ソムリエでも、
幸せになれるのかもなー。
いや、表現する側としては、
違いに敏感にならざるを得ない。
ペン先の書き心地と同様、
キーボードの打鍵感というのはモロに心理に影響する。
Magic Forceを触ってた頃は、
軽けりゃ他のことには目をつぶれたのだろう。
あばたもえくぼの状態だ。
その後自分の解像度が上がって、
俺がスレてしまったのかもしれない。
2025年04月12日
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