2025年04月19日

【薙刀式】新配列習得のコツ

これまでも色々書いてきたけど、
GWに挑戦する人にむけてまとめておく。


1. 印字を見ないこと
2. よく使うものからマスターすること
3. 設計思想をよく理解して構造を把握すること
4. 一週間はqwertyから離れたい
5. 文字の流れで覚えること
6. よく寝ること


1. 印字を見ないこと

新配列をマスターするにあたって、
初めてブラインドタッチに挑戦する人も多い。
なのでまずこれは徹底しよう。
なぜなら、
新配列というものは、
「ブラインドタッチ専用でつくられていて、
印字を見ながら打つのに特化していない」からだ。

つまり、配列用印字シールを貼ったり、
キーキャップを入れ替えてその配列にするのは、
馬鹿中の馬鹿な行為だ。
これをやるならqwertyやってる方がマシまであるぞ。

なぜqwertyが愚かかを考えればわかる。
「もともとサイトメソッド(目で見て打つ)用につくられたqwertyを、
ブラインドタッチで無理やり運用している」
ことに無理があるわけ。
その逆をやるのに何の意味もない。

サイトメソッドにはサイトメソッドなりの理屈がある。
たとえば50音順配列はもっともサイトメソッドに向いている。
新配列は、ブラインドタッチで指を動かすのに最適化してるので、
間違った使い方をするのは意味がない。
関西で関東うどんを食べるのに等しい冒涜である。


印字を見ない方法にはいくつかある。

机の下で打つ、タオルを被せる、
板などでキーボードの上を覆う、
エロ本を乗せる(肌色が見えたら無意識に手元を見てる証拠)、
部屋の電気を消す、
などなどだ。
自分の特性に応じて選ばれたい。

なお、
配列図のスクリーンショットをエディタの隣に出したり、
紙焼きをモニタの横に貼ったりして、
「視線を下に向けない」方法は、
次善策だ。
できれば「無の感覚」だけでマスターしたい。
その方が早いし。


2. よく使うものからマスターすること

もっともやってはいけないことは、
まだ全部マスターする前から、
いきなりタイピングゲームを立ち上げて、
「配列図を見ながら打っていく」だ。
これ、1文字探すのに1分かかるし、
ブラインドタッチの感覚を学べないので、
百害しかない方法だ。

正しいやり方はこうだ。

仮に、JKL;にある文字を学ぶとしよう。
仮に「あいうえ」だとする。
まず目をつぶれ。
「あいうえ」と打ってみろ。
そして頭の中で、「あいうえと打っている」とイメージしろ。
目を開けろ。「あいうえ」と打たれているはずだ。
この、「想像上と現実の感覚をつなげる」
をやるとよい。
もちろん、えういあ、あういえ、えあうい、
などなど順番を違えてやるとよい。

やるべきことは、
「文字の感覚」と、「キーを打った触感」を、
つなげることにある。

視覚に頼ると誤魔化されるので、
触覚だけで学ぶのが良い。
僕が「ブラインドタッチ」の語を使うのは、
こうした感覚を表現するためだ。

つまり、目を開けてなくても、
バンバン文字が出ていくのが理想ということ。
座頭市がバンバン切るみたいなイメージだ。
目で見てないのに見えてる感覚だ。

実はこのイメージの復習に有効な方法は、
キーボードだけ別の部屋にもってきて、
何にも繋がず、キーボードだけで空打ちする方法だ。
学習初期はあやふやだけど、
後半になると有効。
指の感触、空間的な前後関係と、
文字が出る感覚をつなげよう。


さて、
前記事にも書いたが、
新配列の設計方針は共通して、
「よく使うものを中段、中央に、
マイナーなものは上下、外に」だ。

だから、「まず中段だけの文字で言葉を作る」をやり、
中上段で、中上下段で、とやるのだ。

もちろん、配列によって骨格方針がある場合は、
それに従うと良い。
(薙刀式はJKよりもJIを重視する、など)

これで一通り全部マスターして、
秒1〜2カナになってから、
やっとスピードを鍛えるタイピングゲームをやるべき。
タイピングゲームでは、文字と文字の間を詰めることだけを練習する。

あと、「自分の覚えてる何かを打つ」のも有効。
好きな歌なら歌詞を全部覚えてるから、
それを歌いながら打ってもよい。
詩や何かの一節を暗誦できるなら、
それを打っても良い。


3. 設計思想をよく理解して構造を把握すること

たいていの新配列は、
どのようにどう考えて設計したのかのメモが残されている。
つまり、漫然と並べたのではなく、
明確に構造をもっている。
その構造を把握して、
その構造に沿って使うべきだ。

包丁を逆さに持って切る人はいない。


4. 一週間はqwertyから離れたい

qwerty封印期間は長ければ長いほどよい。
集中できるからね。
その後やってくる混在期にそなえて、
今は純粋培養の記憶を植え付けるときだ。


5. 文字の流れで覚えること

「あ」はここ、「い」はここ、
という覚え方はよくない。
「あい」はこう、と流れで覚えよう。
なぜなら、
新配列というものは、
「指の流れ」を最適化しているからだ。
qwertyローマ字への批判点は、
指がバタバタ動き回ること。
そうではなく、どっしりしてスッと最短で指が動くさまを、
新配列で味わうべき。
それがマスターへの早道でもある。

薙刀式では、
よく使う日本語文章の中核語、
ある、ない、する、して、こと、てき、られ、なん、って、
などを中心に指の流れを定義している。
そんなイメージ。


6. よく寝ること

実はこれも大事。
ブラインドタッチは神経系に新しい運動を刻む行為であるが、
これは睡眠中に定着することが知られている。
つまりどんなに練習しても、徹夜では忘れるってことだ。

部活の後めっちゃ眠くなるのは、
筋肉の疲れもあるけど、
実は神経系の要求でもあるんだね。

睡眠中には、
不要な記憶を消去して、よく繋がった部分を、
より強化してつなげることをやっている。
これでミスタイプは消えて、正しい運動の記憶が定着する。

また、脳の報酬系に報酬をあげることで、
記憶定着を選択的にできる。
うまく覚えられたらビールを開けよう。
お菓子でも焼肉でもいいぞ。
あるいは、大声を出して走り回ってもいい。
快感と神経記憶を結びつけるのだ。
部活帰りの買い食いはうまかった。そんな感じ。



さあ、大体やることがイメージできてきたかな?
ではGW明けにあいましょう。
最終日近くの5/3には六本木の天キーにいるので、
そこでも会えるかもね。

(追記)
ラクダエンさんが別の角度から新配列習得の話。
「新配列」は一週間で習得できる #GWに新配列を習得しよう
https://note.com/catfist/n/nc5f55a3f5d1b?sub_rt=share_pb
posted by おおおかとしひこ at 22:59| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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