2025年04月21日

【薙刀式】配列そのものの評価と、環境込みの評価は分離すべき

大西配列を4ヶ月試用している人の現時点評価。

この人の中では「ここ4ヶ月で起こったこと」の評価で、
混ざってしまっている。
「大西配列そのものは評価」
「併用環境がしんどい」
の二つに分離して読むとわかりやすい。
https://load2fl.hatenablog.com/entry/2025/04/20/231439


・最初の頃は使うキーボードによって大西配列、qwerty配列の切り替えが頭の中で勝手にできて両立できていたが、完全に大西配列に切り替えてからはそれができなくなってしまった。

ここがキモかな。
キーボードで分ければ両立する、
というのはこれまでの配列勢の経験則で、
たしかだったようだ。

で、大西一本でやってるのに切り替えられない、
というのは発想がまちがい。
大西一本ならqwertyは忘れて当然。
同じくらいの重要度だと脳が認識してないなら、
そりゃ別れた女のことは忘れるよ。
両立したいなら両立しないとね。
両立を諦めてないんだよなこの書き方だと。


僕はqwertyを諦めたくちだ。
会社のPCでも薙刀式を使っている。内緒な。
ていうか、会社の連絡関係はスマホフリックなので、
会社PCで文を打つことはほとんどない。
qwertyを使うのは、
ネット喫茶などで別のPCを使うときだけかな。

まあロウスタッガードを触れば、
qwertyは秒1.5カナくらいで打てる。
それでいいやと割り切った。
そのかわり薙刀式が秒5カナなので、
何も問題ない。


アドバイスできるとしたら、
両立を諦めないなら、
別のキーボードで両立を続けるべき。


・キーマップを覚えるのは簡単だが、実際に使うとなるとそのハードルはものすごく高い

これ、まだ「覚えてない」と思う。

この人の「覚える」は、暗記の意味で使っている。
それは「配列を覚える」こととは異なる。
むしろ、暗記は配列を覚えることの邪魔まである。

暗記の知識(宣言記憶declairative memory)は、
読み出しが遅いのだ。秒単位かかる。
「あの人の名前なんだっけ」で数分かかることもザラだ。

運動の記憶(手続き記憶procedure memory)は、
大脳の思い出しを経由せず、
手の神経(や小脳)だけで運動が勝手に進む。
とっさに手が動く反射タイプのもので、
これはミリ秒で反応が進む。
動き終えた後で大脳が認識するレベル。
たとえば言い間違いは後で認識する。
口が反射で動いてるからだ。

つまり、「考える」と「手が勝手に動く」を、
結びつけることが「配列を覚える」ことだ。

これをやってないのよこの人。


僕は暗記を一切してない。
薙刀式の配列図を思い浮かべられない。
配列図を書く時は、左から順番に指を動かして、
文字を並べる。
○の隣は何かを言えない。
指の反射で思い出すのみだ。
つまり、この人の意味では配列は覚えてない。
だけど僕は配列は覚えている。

まんじゅうのレシピや成分比を暗記することが、
宣言記憶だ。
まんじゅうの味を舌で覚えてることが、
手続き記憶だ。
手続き記憶は「やる記憶」だ。
記憶というよりも、保持されてるシステム的反射だな。

この両方を日本語では「覚える」を使うため、
混同甚だしいのである。
一応前者を「覚える、記憶する」、
後者を「身につける」などと僕は使い分けることがあるが、
「体で覚える」とかもあるからややこしい。


このへんの基礎的な知識は、
大西配列には付随していない。
「ブラインドタッチとは」
という下部の基礎知識に属するところだ。
だからこの辺をわかってないと、
自分はブラインドタッチが出来てないのか、
大西配列が悪いのか、分別できないのだ。

で、どう考えても、
大西配列に辿り着く前の、
ブラインドタッチでこの人はつまづいている。

そして、環境構築でも。



環境構築は、むずかしい。
自分が何者かを調査して、
何をどれくらい使うのか把握してないと、
最適解は出せない。

どうなるかわからないから決められないなら、
qwerty一択でしょ。
そうじゃなくて、
○○は大西配列を使う、○○はqwerty、
その配分は○:○、
と決めてないから、
環境の仕様を数字的に決められてないだけだと思う。
要件のないところに最適解は立てられない。

僕は薙刀式100、qwerty0と割り切ったので、
何もかも楽だ。
DvorakJとiTextがあればどこででもなんとかなる。
(Macは今の所使ってないが、Benkeiあるし)


というわけで、
1. 環境構築
2. ブラインドタッチ技能
3. ○○配列
とみっつにわけて議論した。

大西配列のメリット自体は議論されているため、
大西配列が良いと思ってはいるようだ。
12を3から分離して考えてはいかがか。

新配列普及の鍵は、
3の説明ばかりすることではなく、
12をフォローしてくことかもしれない。

だって誰もブラインドタッチや環境構築を、
独力でやった経験がないからだ。
(エンジニアはよくやるから慣れてるが、
普通の人はappフォルダにアプリが入ってることすら知らないだろう)

僕は何度もやってるから慣れてるが、
初めての人は失敗するよ。
そこをフォローしてあげるべきだろう。


12が失敗してるからといって、
3が風評被害を受けるべきじゃないね。
親指キーが良いところにないキーボードだから、
親指シフトが悪いというのは因果関係が逆だ。

公式から配列変更環境を与えられてないのだから、
多少の苦労はあるのはしょうがない。
でもそれは新配列そのものではなく、
環境整備の問題と切り分けられたい。
そしてそもそもPCというのは、
目的に応じて環境をつくりかえる、
セミDIY物体である。
そのことを忘れがちになってるだけだろう。
posted by おおおかとしひこ at 13:36| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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