2025年04月22日

【薙刀式】打ちやすいと打ちにくい

qwertyローマ字は打ちにくい。
薙刀式や大西配列は打ちやすい。
何が違うのだろう。


指に器用さ、不器用さがある。
打鍵範囲を30キーとして、
打ちやすいキー、打ちにくいキーがある。

打ちやすいキーは、
器用な指で押すところ。
打ちにくいキーは、
不器用な指で押すところだ。
これは、標準運指が決まってるからだ。

あるキーは決まった指で押す。
指は均等ではない。
だから打ちやすい/打ちにくいが発生する。

僕の場合、
右人差し指>右中指>左人差し指>右薬指
>左中指>右小指>左小指>左薬指
だと思う。
指番号で言うと、
78493012の順。

また、同じ指でも、
担当範囲で打ちやすさ、打ちにくさがある。
中指下段、薬指下段、人差し指延ばし上段、
小指上段なんかは典型。


打ちやすい配列とは、
打ちやすいキーを良く使い、
打ちにくいキーをあまり使わない配列のことだ。
仮にqwertyローマ字のQの位置にAがあったらみんなキレる。
誰もがQは打ちにくいと思ってるから、
最も使わないQにQがあるのは妥当だろう。


また、あるキーを押した後に、
打ちやすいキーと打ちにくいキーがある。
2連接、3連接と連接はつづく。
良く使うn連接が打ちやすい位置にあり、
あまり使わないn連接が打ちにくい位置にあれば、
総合的に打ちやすくなる。

別の考えでは、
統計的に良く使うn連接ではなく、
「良く使う言葉を打ちやすくする」がある。
薙刀式や飛鳥はこの考え方を採用している。


なぜqwertyローマ字が打ちにくいのか。
打ちやすいキーに良く使う文字が入ってないからで、
打ちにくいキーに良く使う文字が入ってるから。

良く使う連接が打ちにくいキーの順で、
あまり使わない連接が打ちやすいキーの順になっているから。

また、良く使う日本語の言葉が、
打ちやすいキーの順になってないから。

たとえば「にほん」が、JKLに並んでてもいいと僕は思う。
「niho」がJIKOに並んでてもいいと思う。
他の言葉が割りを食うかもしれないので、
そのへんは練らないとわからないけど。


また、シフトがある。
カナ配列の場合、
30キーでは足りないので、
1打で打てるカナと、
2打以上かかるカナに分ける必要がある。

これで配置した時に、
良く使う言葉が手間取るようなら打ちにくく、
スムーズに打てるなら打ちやすい配列、
ということだ。



打ちやすい配列とは、
日本語を書く時に打ちにくいものが最小化されていて、
打ちやすいものが最大化されている配列だ。

薙刀式、大西配列、その他たくさんの新配列は、
そのようになっている。

だがqwertyローマ字はなっていない。
打ちにくいものが大量にあり、
打ちやすいものは良く使う言葉とは限らない。
だから糞だ。

競技者はこの不便で歪な配列のまま、
速度を出せる変態である。
我々が打ちやすい配列で最小労力で書いている一方で、
その数倍の不合理な労力をかけて、
なお我々より3倍速い。

なんでか。
限定された時間だからだと思う。
高々30秒、長くても5分で決着がつくからだ。
その範囲までは、
打ちにくさは足を引っ張る要素としては小さいのだ。
(競技者とは、
訓練して、打ちにくさを悪くないまで変えた人だ)

あるいは、同じ配列で戦うから、
同じ打ちにくさで勝負してるだけ、
という見方もできる。

配列が自由化されたら、
競技シーンがどうなるか誰もわからない。
(今の所新配列勢は、競技勢の1/3の速度でうろうろしているが、
競技の才能がないだけかもしれない。
現役競技勢が新配列を本気でやったらどうなるかは、
わからない。
せいぜいtomoemonさんの実験がある程度だ。
彼も現役競技者ではもうないだろう)

ただ、
打ちやすいから速いかはなんともいえない。
人の速さと、システムの速さは一致しないかもしれない。
その人が速いだけで、システムの速さを凌駕してるのが、
現状の競技だからね。

打ちやすければ速いだろう、
と考えるのが新配列だけど、
競技レベルでは打ちやすさはむしろ足枷かもしれない。
打ちやすさの前提が器用度/不器用度であり、
競技とはその差を埋める訓練だからだ。

つまり、競技シーンでは、
新配列は、
いらないと思ったキーを活用できないハンデがある。
たとえば小指や左薬指を活用できないから、
遅い可能性がある、
と僕は考えている。

たとえば中段を例に取ると、
新配列では5段階評価で、
11232/45531
なんて打ちやすさを決定して、
これに文字を割り振っていく。
だけど競技者だと、
54555/55554
くらいになってる可能性があるわけさ。

設計の前提が変わってくると思う。



というわけで、
打ちやすい/打ちにくいというのは、
生まれたてのレベルなのか、
鍛えまくった後のレベルなのかで、
ずいぶんと評価が変わると思う。

僕はqwertyローマ字は打ちにくい配列だと思うが、
競技者にとっては打ちやすくてこの上ない配列かもしれない。

なので、
僕は競技者が自分の指を評価して、
それに基づいた新配列をつくると、
記録が出るのではないかと予想している。

もしRTCのルールが改正されて、
配列を自由に変えて良い、
ただしリアルフォースのキーマップ内で、
に仮に変わったとしよう。

そしたら、競技用の配列がつくられるのではないか。
彼らにとって打ちやすいけど、
僕ら一般人には打ちにくい配列が。


僕はカメラに関してはセミプロで、
プロ用カメラは使えるけれど、
多くの素人には使いにくい道具だと思う。
そんな感じの、
プロ競技配列があってもいいと思っている。


つまり、
万人にとっての打ちやすさ/打ちにくさがある、
わけではない。
訓練してない人の、
打ちやすさ/打ちにくさは、
共通点がだいぶありそう。
訓練した人のものはまた別だろう。

そして、
訓練してない人にとって、
qwertyローマ字は糞みたいに打ちづらい。

「黙って訓練しろや、俺はやった」と、
訓練した人はいうが、それはお門違いだ。
訓練してない人に打ちやすい配列が、
初心者向けのキーボード配列だ。

薙刀式、新JIS、月配列、大西配列あたりは、
そうした人を対象にしていると思う。


というわけで、
僕は何度でもqwertyローマ字は打ちにくいというし、
そのための訓練を積むつもりはない。
もっと素で打ちやすい配列を使うべきだと思う。

僕はキーボードで止まってるべき人間じゃない。
そしてほとんどの人もそうだ。
キーボード入力なんて、秒で通過するべきだ。

使いにくい包丁使って指切ってる場合じゃない。
posted by おおおかとしひこ at 13:06| Comment(2) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>指番号で言うと、
>78493012の順。
個人差が多そうなのでいろんなの人の意見が聞いてみたいですね
私は83927401でしょうか
Posted by あす at 2025年04月22日 23:11
>あすさん

え、74がそこ???
しかも左右均等になってる。
だいぶ鍛えた手なんですかね。

この手だとS押すのは苦じゃないだろうな。
僕はCtrl+Sすら辛くて編集モードでRに動かしたというのに…
Posted by おおおかとしひこ at 2025年04月23日 07:58
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック