カフェで横の高校生二人が勉強してて、
ひさしぶりに真主語ってきいたわ。
「もし明日雨なら、俺は部屋にいるわ」
の場合、主語は条件節のit(天気)ではなく、
真の主語は主節のIである、
という話。
うわーなつかしい。
実は英語のような格文法言語は、
「主語は一つでなければならない」
というルールが隠れてて、
複数の主語で一文をつくってはいけないのだ、
と高校生に教えてやりたいが黙っている。
一方日本語は膠着語なので、
主語がないものもあるし、
複数がダラダラと繋がる言語でもあるのよね。
この、主語は一つ、という明確さと、
主語はヌルヌル、という不明瞭さが、
英語と日本語の極めて違うところなのだ。
で、
何が言いたいかと言うと、
そんな異なる言語を、
単純なキーボードで扱うのに問題があるのでは、
といういつものことです。
薙刀式のいいところは、
このヌルヌルの接着剤が打ちやすいこと
(アルペジオ、または中央指に集合)なので、
日本語の文章に特化した配列なのですよ。
もしこの考え方を英語配列にも応用するならば、
, whichとか、, thatとか、ofとかmyとか、(e)sとかnotとか、
構造を支配する単語を打ちやすく設計するだろうな。
英語の活用はしれてるが、
日本語は接着剤自体がヌルヌルアメーバのように変化して、
また別のにくっついていく。
まあ粘着質な言語なわけですよ。
「象は鼻が長い」の主語は、まだ象か鼻か確定してないらしい。
Elephant has long nose.ならElephantだし、
Elephant's nose is long.ならnoseなんだが、
日本語はどっちやねんと言う感じだよね。
僕は英語の主格にあたるものが、
日本語の主格とは厳密に重なり合わない、
と考えてるので、主語という用語を変えた方がいいんじゃね?派。
そもそも京都の、
「ええ時計してはりますなあ」は、
「時計を見せろ、時間は何時だ、長くいすぎだ、帰れ」の意味だ。
こんな風に主語のない言葉で、
「私はあなたに早く帰って欲しいと思う」
なんて婉曲表現をやってる言語なんだぞ。
つまり、
「ええ時計してはりますなあ」の真主語は「わたし」だよな。
時計してるのはあんたやけど。
こんなに機能が豊富な言語はそうそうないんじゃないか。
我々は誇って良い。
より単純な言語は、単純なキーボードでよい。
英語は構造が単純なだけに、
物言いがストレートで時々笑っちゃうよね。
以前あげたけど、
「AIが考えたぶぶづけ」の丼に「go home」って書いてて、
そんなストレートな、と笑った記憶がある。
というわけで、薙刀式は、
粘着質な日本語を、中央指とアルペジオで描くのだ。
2025年04月24日
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