できてる人にとっては「そらそうやろ」としか思えないのだが、
できない人には「そんなの無理」としか思えないと思う。
配列を覚えることは、
ブラインドタッチで覚えることだ。
印字シールを使ったり、
配列図を見ながらいきなり文章を打とうと思うのは間違いだ。
それは目に頼ることになる。
そうではなくて、「目を経由しない感覚」
を身につけることがブラインドタッチである。
ブラインドを僕が強調するのはそういうこと。
じゃあどういう感覚なのか、
というと、
「基準位置とその上下」という感覚かな。
まず基準位置をしっかりさせる。
電気を消しても打てるのは、
この基準位置に手があるからだ。
手が基準位置になかったら、
ブラインドタッチはできない。
手を置く前に電気を消したらできないのだ。
あるいは、途中で手の基準位置がわからなくなったら、
ブラインドタッチはできない。
だからマウスに一旦手を伸ばすのをみんな嫌って、
自作キーボードではトラックボールを、
手を動かさずに転がせるようになっている。
この基準位置を、
ホームポジションという。
qwertyでいうとASDF JKL;だ。
まず手の位置とホームポジションを合わせて、
電気を消しても、
それ基準でブラインドタッチをするのだ。
もし我々の言語が8文字しか使わないなら、
ホームポジションから何もしないままブラインドタッチできただろう。
ただ我々の言語はたくさんの文字を使う。
なのでホームポジションを三段重ねして、
上下にもキーがある。
つまりブラインドタッチとは、
指の基準位置にどの文字があるか、
その指の上にどの文字があるか、
下にどの文字があるか、
を、「感覚として身につける」ことをいう。
これは暗記では身につかない。
「感覚として身につける」ことだ。
おそらく暗記の仕方としては、
左から順番に暗記してしまう。
一次元にしてしまうんだね。
ブラインドタッチとは、
指の8本に分かれた感覚と、
各指の上下にさらに分かれる感覚のことだ。
これは「文字暗記」や「写真記憶」にはない感覚だ。
どちらかというと地図覚えに近いかな。
あそこを曲がったら何がある、みたいな体感覚だ。
さらにいうと、文字はつながってはじめて言葉になる。
地図を感覚としてもっている郵便配達が、
次々に家々に郵便を配るみたいな感覚かな。
あやとりに近いのかもしれない。
最初は地図と郵便だけど、
実用レベルのブラインドタッチは、
秒3打とか5打とかいく。
その状態で1分2分10分30分、
あやとりをし続ける必要がある。
もはや条件反射として、言葉が自動あやとりになってないと、
ブラインドタッチは実用化できない。
僕は、ブラインドタッチは、
格子配列で身につけたほうが早いと思う。
だって幾何学的じゃん。
京都みたいにわかりやすいじゃん。
なんで上は左に1/4ズレて、
下は右に1/2ズレるんだよ。
意味わからん。
いや、知ってるよ。
タイプライターのアームの干渉を避けるための、
便宜上の横ずらしよ。
それがない電子キーボードに、
横ずらしを採用する意味がわからんのよ。
ブラインドタッチの邪魔じゃん。
指がねじれて手首がねじれる前に、
格子配列キーボードを使いましょう。
基準位置、上下の感覚に慣れてから、
不合理な左ロウスタッガードを応用として学べば良い。
ここまでで、わざと人差し指伸ばし位置のことは言及してこなかった。
人差し指だけ例外的に、
「お前器用だから上下だけじゃなく、
内、内上、内下も担当な」がある。
これは応用としてマスターすれば良い。
さて。
ここまで来れば、なぜqwertyローマ字がクソか、
よくわかるというものだ。
さきほど基準位置のqwerty表記をあげたが、
ASDF JKL;だぞ?
FJL;の半数使わねえじゃん。基準になるかよ。
ここに一番使うのを入れるのがふつうだろ。
(なお、qwertyの歴史を辿ると、
中段ではなく上段がホームポジションだったくさい。
上段に母音と句読点、中下段に子音、
という構造だった推定が、安岡さんによってなされている)
構造上一番弱い指に、
基準位置とはいえ一番使うA置くなよ。
(なお英語ではAは三番目頻度の母音なので、
実はマイナー扱い。日本語でもっとも使うだけだ。
つまりqwertyローマ字が悪い)
先ほど人差し指だけノルマが多いといった。
そのうちもっとも打ちにくいのが、
伸ばし上段だ。
そこによく使うTYが入ってるのがクソ。
あと人差し指伸ばし下段によく使うNが入ってるので、
右人差し指は上行ったり下行ったり、
大きく行き来させられるのがクソ。
また、「、。」が下段なので、
UIO終わりの音からの句読点は必ず上下動がはげしくなる。
だからクソ。
つまり、qwertyローマ字は、
明らかにブラインドタッチを想定して作られていない。
「ブラインドタッチをマスターしたいんだけど、
なかなかできなくて…」という人は、
qwertyローマ字をやろうとしてるからだ。
基準位置はめちゃくちゃだし、
上下になってないキーボードだし。
三輪車しか乗れない幼児に、
F1乗せるようなものだよ。Gで体がバラバラだ。
格子配列×新配列は、
三輪車から自転車くらいの感覚なんだよね。
僕がオシャレで格子配列使ってると思ってる?
僕が自転車までしか運転できないからだよ。
格子配列なら容易にブラインドタッチできるのさ。
8本に分かれた感覚、そこからさらに上下に分かれた感覚。
それだけで打てるからだ。
これだけ簡単だから、
電気消しても打てるのさ。
空間把握ができてるからだ。
ブラインドタッチができない人でも、
なんとなくその感覚は想像できたのではないだろうか。
そして、どうせなら、
闇市や旧市街みたいに道が入り組んだqwertyより、
京都みたいにすっきりした新配列を使うべきだ。
四条五条今出川丸太町は太いし、堀川烏丸河原町東大路は太い。
薙刀式や大西配列は、だからqwertyローマ字より、
ブラインドタッチのマスターが容易である。
電気を消したら薙刀式や大西配列のほうが、
qwertyより指が安定する。
実際、僕も大西さんも、
qwertyがブラインドタッチできないので有名だ。
明らかにqwertyのほうが難しいので、
ハードルを下げたわけ。
さて、
またもや間違った習得スタイルをTwitterから拾おう。
> 大西配列のキー位置は頭で覚えられてきてるけど体がなかなか覚えてくれない。経験が邪魔をして余計なキー押しちゃうw ただ指の移動距離は短くなって慣れたら良い感じになりそう♪
邪魔するその経験を上書きするには、
頭で覚えてもしょうがないよ。
体の反復だけが、フォームをつくるのだ。
もちろん最初は頭による理解だけど、
「頭で覚えてるはずなのに体がついてこない」なんて、
スポーツ音痴のたわごとよな。
体でまずやれ、でしかないよ。
それは、「体の感覚としてのブラインドタッチ」
だからなのだ。
カーブやシュートやフォークを投げられるようになる。
ワンツーからローのコンビネーション。
ドリブルしながらフェイントをかける。
そんなことをマスターする感覚。
頭はいらない。
体の感覚だけだ。
電気を消してもカーブやシュートは投げられるよ。
そういうことだ。
「ブラインドタッチはこういう感覚」
というのを上手に言語化してる例を、
僕はそれを始める前見たことがなかった。
練習法は書いてるが、
「自転車に乗れるとはどのような感覚か」
みたいな文章がないのが不安だった。
だから間違った練習もしたと思う。
みんな言語化が下手すぎる。
文章を書くためのブラインドタッチだろうに。
なので言語化してみた。
参考にされたい。
指を8本に割る。それと文字の感覚を連動させる。
基準位置に置く。(ホームポジション)
さらにその上下に各指を割り、
3つの文字を8指に割り当てる感覚。
(人差し指だけ倍ノルマ)
まず8本に割る感覚は、
中段の文字だけでつくる言葉をたくさんやることでマスターできる。
それを上下に割る感覚は、
中上段だけの文字でつくる言葉をたくさんやり、
さらに中上下段の言葉をつくる感覚をたくさんやる。
指の文字地図を作りながら、
それらであやとりをする感覚。
限定あやとりからはじめて、
全体に広げていく。
最初はヨチヨチでよい。
数秒に1カナとかでよい。
それが言葉をたくさん発しているうちに、
秒1カナに、2カナになる。
2ぐらい行けたら実戦投入。
あとは勝手に秒4〜5まで伸びる。
僕は逆上がりができなくて、
自力で「逆上がりができるとはどのような感覚か」
をマスターした経験がある。
なので逆上がりに関しては言語化できる。
僕はブラインドタッチができなかったので、
できるようになった今、言語化できる。
最初からできたやつの話は役に立たないと思う。
まず8に割る感覚なんて、
印字見たり丸暗記しても意味がないことがわかる。
自分の足の指を一本一本動かす感覚の方が近いぐらい。
丸暗記は「感覚」からは遠すぎる。
2025年04月26日
この記事へのトラックバック
カラム、せめてオーソのキーボードが安く売られていればなぁと思います。Elecomとか大量生産してくれ
薙刀式はロウスタッガードで元々開発したので、
「打てないことはない」レベルではあります。
慣れればいけます。
一日2000字までくらいなら、負荷もひどくないかな。
ただし格子配列のほうが楽で、手首や腕のひねりが解消されるので、
長い文章書くならオススメですけどね。
格子配列といっても、左右分割でないと厳しいです。
ハノ字にしないと手首をひねるので。
ElecomやBuffaloが参入しないのも、
左右分割のハードルの高さがあるからでは。
技術的には可能でも、「売れるのそれ?」には敏感ですからね。
サードパーティでは一番変なものをつくる、
Sanwaならあるいは…
「薙刀式を気持ちよく使いたいので、
左右分割格子配列キーボードつくって!」
とリクエストしたら「なにそれ?」って食いついてくるかも?