2025年04月29日

【薙刀式】ノンストップライティング

人の思考はいかに適当で散漫であっちこっちに行くか、
を、ノンストップライティングをすると理解できる。

新下駄使用者によるその記録が興味深い。
https://note.com/kazupi656/n/n9ee7e8279e2f


文章修行としてのノンストップライティング
(マラソンライティングも同義です)は、
「書くことを躊躇う気持ちを消す」修行だ。

こんなこと書いたら笑われるんじゃないか、
間違ってるんじゃないか、
幼稚だといわれそう、
などの「恥」の概念が人にはある。
このブレーキが、
創作の羽ばたきを止めてしまうことがよくある。
なので、
このブレーキを壊す練習が、
ノンストップライティング。

可視化してみればわかるけど、
脳内の思考というのはこの程度なんだよね。
これをまとまりのある、力のある文章に、
成形し直すことがリライトという作業だ。

つまり発散と収束。
ブレーキをはずして、行けるところまで行って発想して、
それを使える形に収束しなおす、
という二つの動作が必要だ。


他人の文章を見て、
すごいこれは真似できないと思ったとしても、
「ブレーキを壊してれば、
たまにこんな発想はできる」までは行けると思う。
そこから、いらないところを捨てて、
本質だけにまとめる力は、
また別の修行が必要。

これを繰り返すと、まとめる方は技術や語彙といった、
「鍛えればなんとかなる力」だとわかってくる。
鍛えないとそもそもまとめられないし、
美文にもならないだろう。

しかし発想は鍛えられない。
思いつきの到達距離や方向はコントロールできない。
だから、
少なくともそれにブレーキをかけない方法を、
身につけておくとよい。

容易に考えられるように、
他人には見せたくない思考、
なんなら下ネタや危険思想や抱える秘密すら、
スラスラと書いてしまう。
自白剤はそうしたブレーキを化学的に壊すものだからね。

なので、公開はとても危険なので、
勇気を持って公開してくれたことはありがたい。

全裸晒すよりも怖いことよね。
まあ、気持ちとしては誰もいない山の中で全裸になったような感覚で、
書いてるのだろうけど。


で、
ノンストップライティングのもう一つの目的があって、
「書くことがないことに慣れる」というのがある。
人は「書くことがある」から書くのだ、
というアプリオリな考えがあるが、
それは間違いだということ。
もちろん書くことがあると書けるけど、
そのスタック量って、たぶん一万字もない、
と知ることは大事だ。

つまり、書くことによってすぐ貯蓄は消えると、
学ぶことが大事。
じゃあどうすれば書き続けられるのか、というと、
「書きながら次を考える」のである。

今これを書きつつ、その次どうしよう、
オチどうやって終わろう、なんてことを、
書きながら想像するのである。
僕がqwertyローマ字を批判するのは、
手の制御で手いっぱいで、
こうした「想像」をしてる余裕がない点にある。

手書きが最もこの想像を楽にできる。
アドリブで喋ることもまあ不可能ではない。
舞台に立たせられて「ハイ今から面白いことを一時間喋って」は、
かなりキツイけど、
書くことならなんとかなる気はしている。

その、やりながらやる、
なんなら、オチがまとまりやすいように、
今書くべきことをコントロールする(伏線を張る)
ことすらできるようになってゆく。

これは、数をこなせば身につくことでもあるが、
どうせならリアルタイムでできた方が強くなるのが速いわけ。


そのリアムタイム思考に、
qwertyローマ字も、JISカナも、
邪魔をしてくるくらいクソ配列なのだ。
これを設計した人は、
こうした経験と技能のない人だと思われる。

少なくとも薙刀式では可能だ。
新下駄やいろは坂でも、
こうして事例がたまってゆく。

僕が配列動画公開しろや(10分以上創作文でな)、
と煽るのも、
そもそもその人の文章力を計りたいからでもある。
そらそんな駄文しか書けないなら、
qwertyで十分でしょ、と煽りたいわけだ。笑
そして、
きちんとした文章力がある人ならば、
それをどのように実現してるかに興味があるわけだね。


ちなみにここまでノンストップライティングで書きました。
これくらいのことまではアドリブで、
貯めて書くことができる。
もちろん複雑な内容なので、1500字(変換後)/10分のペースよりは遅い。
1000下回ってるだろうな。

ということで、
ノンストップライティングで、
ノンストップライティングのことを書いてみた。

文章とは油絵のように、
何度も上書きして書き直していくもの、
だと僕は考えている。
なのでノンストップは、
油絵に対してクロッキー、って感じかな。
線をササっと引く練習をして、
線をすぐに書けるようにしておく、
みたいなことか。

慣れてれば速度も上がっていくと思う。
posted by おおおかとしひこ at 13:56| Comment(4) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
本人です。
ご紹介いただきありがとうございます。

>他人には見せたくない思考、
>なんなら下ネタや危険思想や抱える秘密すら、
>スラスラと書いてしまう。
これはそのとおりでした。実際、思いついても公開できないと判断した内容は記述せずに投稿しています。
ただ、そのような内容も含めて全部書ききってからが本番(書くことがない状態に持って行くため)だと気付いたので、
記事公開のためにセーフゾーンを探りながら思考を書き起こすのは、修行としては微妙だったかなとも思います。


>そのリアムタイム思考に、
>qwertyローマ字も、JISカナも、
>邪魔をしてくるくらいクソ配列なのだ。
私はqwertyと新下駄しか経験がありませんが、少なくとも新下駄は思考の邪魔をしませんでした。
1モーラ1打鍵というのが優位に働いているのでしょう。
qwertyローマ字のように1モーラ2打鍵になると、どうしても指を意識してしまいます。
そうなると、文章を考えるというよりは、脳内で完成済の文章を書き起こすという感覚になります。
ローマ字の新配列を触ればまた違う感想になるのかもしれませんが、
かな入力の快適さを知った今、あえてローマ字入力を試してみようとは思えません…
Posted by かずぴ at 2025年04月29日 17:40
>かずぴさん

新下駄の貴重な感想をありがとうございます。
新下駄は僕には難しかったので、
1モーラ1アクションの簡単な配列として薙刀式をつくったのでした。

ローマ字系の新配列、使い続けてる人の声が全然見えないので、
実際どんな感じなのかはわからんのですよねー。
カタナ式のときは打鍵数が若干邪魔だったよなー。
Posted by おおおかとしひこ at 2025年04月29日 18:02
ローマ字配列である以上、新配列による運指の改善があっても打鍵数の壁は超えられないんだろうなーと個人的には思います。
Posted by かずぴ at 2025年04月29日 23:31
>かずぴさん

結局運指改善って、
長く書く時にしか効果がない気がしてきました。
沢山長く書かないなら、
qwertyでもええんちゃう、と戻ってしまった人もいるのでは、
などと想像してます。
Posted by おおおかとしひこ at 2025年04月30日 04:46
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