2025年05月01日

オーディションに受かる方法

noteでフラフラしてたら、
映画監督が俳優向けにオーディションのコツを書いてて、
書類審査までは無料なのに、
実際の演技のところで1980円取ってて、
高杉なので僕の例を無料でさらす。

参考にされたい。


僕が見るのは3つ。

1. 写真
2. 年齢と身長と体重、特技
3. 芝居


1. 写真

役を求めてるので、役に合ってるかどうかを見る。
あと大事なのは、
「作り込んだらその役になれそう」も見る。
メガネをかけたらどうか、外したらどうか、
髪型を変えたらどうか、髪色を変えたらどうか、など。

メイクもプロがやるので、
この素体にプロが絵を描いたらいけるか、いけないか、
を見ている。

つまり写真は凝ったやつじゃなくて、
素体として提出してる方が良い。
すっぴんに近いナチュラルな感じの方が、
こちらが想像して書き込みやすいよ。

キメ顔一つの写真でもいいけど、
複数の表情の構成だとさらに線でつなげやすいな。

もちろん男子なので可愛い子の写真は残すけど、
結局芝居で落とすのであまり意味はない。
可愛い子ちゃんが書類を通ったら、
監督の好みの確率が10%くらいあるのはたしか。
女監督だとイケメン通り率結構高いよね。


2. 年齢と身長と体重、特技

これは、役に合わないのを弾くためにチェックする程度。
デブを探してるのに50kgは取らない。
ヒロインが背が高ければ身長を見る。
相手役との身長差も見る。
おじさんを探してるときに30才が来たら迷う。
そんな感じ。
年齢はプラマイ10くらいは幅を見る。
60以上はプラマイ20しても関係ないこともあるね。

あと特技は、それありきで探すこともあるので、
あるに越したことはない。
ダンス、歌、格闘技や武術経験、馬術、運転免許、
水泳、料理、楽器、スポーツ、
あたりは役によって必要なことがある。
それができないから落とすことはないけど、
あったら書類を通りやすいね。
料理人の役なのに調理経験がないのは、
通すかどうか悩むよね。

たとえば僕は絵描きだから、
筆の使い方は気になっちゃう。
絵を描いてるところまでは芝居だからいいけど、
筆を洗うときとか、穂先の整え方とか、
道具の何気ない掴み方とかで、
この人普段からやってんな、みたいなのが出ちゃうからね。
たとえば浪人生の役なら、
ペン回しを無意識にやれるだろうとかだ。

泳ぐ場面、踊る場面などがあるときには、
出来なかったら事故が起こるので、
そういうところは要チェック。

本番まで時間があれば、
芝居がどうしても良いのでスクールに通ってもらう、
なんてこともやったりするので、
今できないです、はマイナスにはならないけど。

オーディションなんて大概急で、
「明日行ける?」みたいな感じで、
内容すら事前に見てないものが多かったりするので、
特技はまあたまたまあればラッキーくらいに思うけど、
それも役への要求次第よね。



3. 芝居

ここから先は無料です。笑


僕が見るのは、セリフを覚えてるとかじゃない。

「ヨーイスタートからカットまで、
その役として生きてるか」だな。

「なぜこの役はこの場面でこのセリフを言いたくなるのか」
「なぜその言葉を選び、別の言葉を選ばないのか」
には、脚本家が死ぬほど考えて決めた理由がある。

その理由を理解しているかを見る。

自然にそれが出てくるには、
それまでの文脈を生きていることが大事で、
それを事前に考えられるかに尽きるかな。

もちろん、考えずにスッと出せるタイプもいるので、
各自得意なやり方でやってもらって構わない。

「ああ、○○がその文脈でそこにいるわ」
となったら合格。

僕は主に目と声を見る。
芝居を理解してるかが一番出やすいので。


あと、実は自己紹介タイムを僕はちゃんと見てて、
自己紹介と芝居の差を見ている。
芝居になると人が変わるようになるのか、
自分のキャラでそのままやってるのかを見る。
どっちがいいとかではなくて、
その人の方法論を見ている。

前者の人には、自分に近くやってみてとか、
後者の人には、○○っぽくやってみてとか、
わざと違うことをやらせて、
得意不得意を見ている。
それは、未来に仕事をする上で、
自分が把握しておきたいからだ。
得意なことをやらせたいし、
もしやらせたいことが苦手なら、
腰を据えてやらんとなあ、と覚悟するためだ。

出来たから合格とか、出来なかったから不合格とかではない。
昔、男女ペアで見てて、
男があまりに下手で女の方が可哀想になったのだが、
男は諦めて女の方メインで色々やらせて、
良かったので採用させてもらったことがある。
本番の現場では「絶対落ちたと思ってた」と笑ってた。


で、これは「○○に相応しい人」を求めてる時の方法論。

逆に、「この役にこの人を当てるの?」
という当て方もある。
この人がやる○○役を見てみたい、という期待だね。

風魔でいえば、壬生役の藤田は、
藤田が面白かったので採用した。
原作、アニメと異なった、実写なりの壬生は、
藤田だからできたと思う。
跳ね返りの役になるから、制御が難しいけど、
予測のできないボールの跳ね方は、
作品に良い緊張感をもたらすので。

それらのバランスは作品によって異なる。
ぴったりだ、という人が多い時は安牌で、
どうなるかわからん、という時は攻めだね。
作品の方向性で変わるだろう。


役に対する解釈違いもある。
あまりにも違う場合は、異なる解釈を与えて、
どの程度幅があるのかを見ることもある。
合ってれば良いというものでもないのは、
上と同じ。
合ってないけどこの解釈はありだな、
という採用の仕方もあるので、
自分なりの解釈がある場合は、
是非見せてほしい。


あと興行上の理由もあるよな。
イケメンや可愛い子のほうが客を呼ぶ。
個性的な人の方が僕は好きだけど、
万人受けする美人はやっぱり受ける。
このバランスを取る必要があるので、
芝居100%で決まるわけではないのが、
映像の哀しみよね。

ただ、完璧美人でなくても、
プロのヘアメイクと衣装がいるので、
馬子にも衣装状態はある程度つくれます。

あとはネコ系入れたらイヌ系入れるとか、
そういうバランスで、不採用になる人もいる。


オーディションは、
落ちたのが悔しかったら、
是非出来上がったものを見てほしい。
その役を演じた俳優と、何が違うのかを、
自分の言葉で理解してみてほしい。
時間があれば僕は答えるよ。最近オーディションしてないけど。

たぶん、あなたにできなかったことができてたから、
その人はその役になったんだと思う。


経験がないから合格しない、ということはない。
これも跳ね返りと同じで、
ケアをたくさんすれば行けそう、
と監督が思えるかどうかだ。
つまり、「俺がこいつを引き受けるよ」ってなったら、
経験がなくても次に進めるよ。

プロデューサーは、
経験があって実績があって、
知名度があって美形を選びたがる。
それは出目が読めるからだね。
僕は読めない方を好む。
なので協議の結果、最終まで残った人が落ちることもある。

逆に僕はこれまでの実績は見ない。
ヨーイスタートからカットまでしか見ないね。
まあその前後も見てるか。普段のキャラも見てる。

つまりプロデューサーは過去と現在を見てて、
僕は現在と未来を見ているといえる。


オーディションはつまり、
企業の面接と大体おなじだ。
見る人が、おまえとこれからやっていこう、
おまえに賭けるよ、というときに合格だ。

見る人はいろいろいる。
だから、そもそも合わない監督に合格させられても、
あなたは幸せでないだろう。
(事務所は仕事ゲットで喜ぶだろうが)
まあ、それも経験だ。
合わない部長の部署で、輝けないけど淡々とやる仕事もあるさ。

そこで腐らずにきちんとやってれば、
誰かがどこかで見てる。
露出度の高い仕事をしておくことは、
だから重要だね。
会社員は露出しないからつらいけどね。



あと、苦労は所作や顔に出る。
味がある芝居になるからいいけれど、
役者ならそれを出したり引っ込めたりできるようになってくれ。

「この人バイトしたことないのかな」
と心配になる芝居から、
「この人バイト慣れしてるなー」
としみじみしてしまう芝居まで、
コントロールしてくれ。

僕が普段のキャラを見るのは、
この出たり引っ込めたりを見るためでもある。
タバコスパスパ吸ってるヤリマンでも、
本番中だけ処女のアイドルになれればヨシだ。
処女であってもダルダルのはすっぱになれればヨシだ。
役になれればそれでよい。


あと、酒やタバコは皮膚に出るから、
ヘビーユーザーは見ればわかる。
それが役にあってれば選ぶし、
違う役で、メイクで隠せないなーと思ったら選ばない。
これも身長とかと同じ要素かな。

意外とゲイかどうかも僕はわかっちゃう方。
これも上に同じ。レズはわかったことない。



まず一番得意なやつを見せて。
必殺技から入ってくれ。
それからこっちの要求に対して、
色々変化してみてくれ。
僕だけでなく、相手役でも芝居は変わってくるからね。
そのプロレスを僕は観察していて、
未来のプロレスに賭けられると思った人を選ぶ。


僕は大体そんなところを見てるかな。
違う監督は、違うところを見ると思う。
(聞いた話では、頭の形を見るとか、
歩き方を見るとか、背筋を見るとか、
体のコントロールの細かさを見るとか、
リズム感を見るとか、人生を背負ってるかを見るとか、
何回も同じことができるかを見るとか。
全部僕の見ないところだ)


ではどこかで会ったら対戦よろしくお願いします。
posted by おおおかとしひこ at 15:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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