2025年05月07日

【薙刀式】そもそもブラインドタッチをどう学ぶか

ブラインドタッチの技能自体は、
自転車や逆上がりや、ボールのドリブルのような技能だ。
ホームポジションの位置に毎回構えて、
指を思うところへ動かして、元に戻すだけだ。
(慣れてくると戻さずに次へ行き、
最終的にホームポジションに戻ればよし)

これと、qwertyローマ字、JISカナが、
致命的に相性が悪いだけなのだ。


ブラインドタッチ技能のみを考える。

特に訓練されていないふつうの人だと、
一番よく動かせるのは人差し指だ。
ついで中指。
薬指と小指は人によって異なる。
また、右手と左手の器用度も異なる。

(訓練されたピアニストは全てを同じように器用に、
耐久性も同じくするだろう)

ということは、
ブラインドタッチに向く配列とは、
右人差し指を一番使い、
左人差し指を次に使い、
右中指を次に使い…
…最後に一番苦手な指(左小指あたり)を使う、
使用度に傾斜のついた配列である。


ところが、
qwerty英語はブラインドタッチを前提としてつくられた配列ではない。
目で見て探しやすいようになっている配列だ。

左端にAがあり、多少崩れているが、
概ね左からアルファベット順に並んで、
下段で右から左に折り返している。
これをブラインドタッチで取るのは、
あとで生まれた技法だ。

アルファベット順は頻度順ではない。
アルファベットの起源はギリシャ文字だが、
その順の理屈は伝わってないし、
少なくとも現状の頻度順はバラバラだ。
(ETAONI…など調査によって前後する)

この、
左から読む順番、
右手人差し指が一番器用、
使う頻度はバラバラ、
という「三つの整理が矛盾していること」が、
qwertyのブラインドタッチが打ちにくい原因だ。

さらにqwertyローマ字は、
まったく異なる日本語に適用したものだ。
バラバラなものが偶然きれいに揃うわけもなく、
カオスはさらにカオスとなっている。

だから原理的に、
qwertyローマ字はブラインドタッチに向いていない。

(同様にJISカナもブラインドタッチに向いていない。
設計時点から見ながら打つことしか想定されていない)


ここ20年くらいで競技タイパーによって発見された、
ブラインドタッチ技法、
アルペジオ打鍵(片手の異なる指で、JIのようにタランと打てる組み合わせ)
を活用したほうが良くなるのだが、
それはqwerty英語にも、qwertyローマ字にも、
狙った設計として組み込まれていない。


ブラインドタッチを学んでいない人は、
qwertyローマ字を学んではいけない。
指の原則(標準運指)が、
配列に通用しないのだ。

だから上級者は指の配置を崩して打鍵する。
上級者の運指表がまとまってるので見てみよう。
https://uaaaaaaaa.com/typing/fingerchart
qwertyとは、
上級者によって工夫のしがいがある配列ではあるが、
初心者が標準的方法で学べる配列ではない、
ということがよくわかる。

初心者が食える飯ではない、上級者が自分なりのアレンジをして、
ようやく食える飯みたいなものだ。


この不合理をやめよう、
ブラインドタッチで、標準運指でふつうに使える配列をつくろう、
とするのが新配列運動だ。

新配列は、だからむしろ初心者のための配列だ。
ブラインドタッチを学ぶのに最適なのだ。

ブラインドタッチ用に設計されてないもので、
無理やりブラインドタッチを歪んだままマスターする
(例: ローマ字で一番使うAを左小指で打ち続ける)
よりも、
ブラインドタッチ用に設計された、
標準運指で使いやすい新配列を使う方が、
よほどブラインドタッチは簡単にマスターできる。

とても当たり前のことを議論している。



競技者以上に速くなりたくて新配列を学ぶことに、
あまり意味はない。
今のあなたの不合理を取り除き、
合理的な新配列を学ぶことで、
結果的に不合理時代より速くなるのは、
保証する。

競技者は秒間20打鍵。
普通の人が打てるのは秒間7〜8が限界だろう。
その速度域で、
一日打っても疲れないような、
合理的な新配列を使いたまえ。

あなたが鍛えたピアニストならばこの限りではない。
上級者の真似をすればよい。



つまり人は、
ブラインドタッチを学ばないなら、
標準的なqwertyローマ字を使ってれば良い。

ブラインドタッチを学ぶなら、
新配列をやるのが良い。
秒間5〜8打くらいになるだろう。

ピアニストなど指の上級者なら、
上のような独自アレンジ運指を練り上げて、
秒間20打でqwertyローマ字をやればよい。
(今の所秒間20打用に設計された新配列はない)

これが合理的な判断というものだ。
posted by おおおかとしひこ at 13:18| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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