2025年05月18日

デジタルは人を幸せにしない: インフラを支えられない

インターネット黎明期、
アナログにあったインフラはデジタルにもありますよ、
と無料サービス化して、
アナログが壊滅したら、
広告を入れ始めたりサービス終了させたりして、
インフラが結果的に全壊滅することがある。

goo辞書、お前もか。


国語辞書、英語辞書、天気予報、株価、乗り換え案内、
干支やカレンダーなどは、
インターネット以前と以後で様相が異なると思う。

それぞれ必需品として、
いくらかのお金を払い、
各家庭にあるもので、
アナログ物体として存在していた。

それらがデジタルになり、
ネット内にタダであるから買わなくなり、
アナログ提供社が壊滅して、
物体がなくなった。

昔の会社には、広辞苑やカレンダーは常に置いてあり、
乗り換え案内の地図も貼ってあり、
時刻表の本もあったし、
都内の地図もあった。
それは全社にひとつではなくて、
各島に一つずつくらいの感覚だった。

これらを、デジタルの無料化が壊滅させた。

今度そのデジタルが、
収益化できなくなると、
切り捨ててサ終になる。

あれ?もうアナログのそれらが復活しないんじゃね?


辞書はかろうじてまだ生き残ってる。
天気予報は気象庁が税金で支えられている。
株価は日経がある。
乗り換え案内、やばいんじゃね。
カレンダーはまだ印刷会社が地元の会社の広告を入れたりして、
生き残ってるかもしれない。

Amazonが発達して地元の本屋がつぶれた。
ネトフリや配信が発達してTSUTAYAがつぶれた。
Amazonや配信がつぶれたら、
二度と復活しないのでは。

あまり考えたくないが、
電子本がつぶれたら、物理本が復活しなくなる未来もありえる。

naverまとめ、各種まとめサイトが、
雑誌を壊滅させた。
naverはサ終、各種まとめサイトは、
糞AI記事に侵食されてめちゃくちゃ。
ローコストのAI記事でハルシネーションだらけで、
ファクトチェックなんて何もしてない糞だらけ。

あれ?雑誌って二度と復活しない?



ロストテクノロジーが、
こうやって生まれているというのを、
我々は30年単位で目撃しつつある。

goo辞書にどこの辞書会社がデータを提供していたかはわからない。
その辞書会社は、NTTから契約を切られて、
30年失われたアナログの辞書を復活させる体力があるか?
内容は維持できても、
印刷や販路や広告はどうだろう?
30年前より本屋も減ったし、買う人たちも減ったぞ。
そのまま畳むのではないか。


水や電気だけがインフラではない。
人類のつくってきた知恵や知識こそ、
人類のDNAである。
そのインフラの伝承が、
アナログ→デジタル→サ終で、
途切れようとしている。


デジタルって人を幸せにしたんだっけ?
posted by おおおかとしひこ at 08:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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