あらゆる本は出会うべき時を待っているという。
偶然どこかで見かけて、気になるので買って、
ぶあついのを読了した。
僕の脚本のバイブルは2冊あって、
「シナリオ入門:映像ドラマを言葉で表現するためのレッスン 別冊宝島144」シド・フィールド、宝島社1999
「save the catの法則」ブレイク・スナイダー、フィルムアート社2010
なのだが、それに加わる3冊目となったようだ。
ハリウッドの脚本理論の礎は、シドフィールドがつくったらしい。
三幕構成理論がその根本だ。
(正確には三幕構成理論は欧米の文学や演劇など、
ギリシャの昔からあったものだ)
そのワークショップ版の翻訳が最初のもの、
その後の書籍版のより詳しい版が、
「映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールドの脚本術」シド・フィールド、フィルムアート社2009
だ。
どちらも同じ内容なので、どっちを読んでもよい。
ただ宝島社版のほうが、
短い分削ぎ落されててわかりやすいんだよね。
で、ロバートマッキーだ。
シドフィールドが形式で来ているところを、
この本は内容で攻めてきているという感じ。
形式はどうでもいいから、これを書いてるのか?
と問われる内容であった。
めちゃくちゃ濃い内容なので、
全部を読み切るにはかなりかかる。
だけど、一読をお勧めする次第。
「自分に足りないところはこのへん」が分かってくるのではないか。
いますぐ解決できる課題ではないが、
一生かけてやる価値があるものを教えてもらった感じだ。
僕が興味深く感じたところは、
悪に関する部分だな。
コンフリクトを長らく考えている国ならではの、
悪の考え方はとても参考になった。
日本でこんなに悪をきちんと考えている人は、
あまりいないだろう。
悪に染まってしまって、その対極であるプロタゴニストを、
つくれないだろうなあと感じた。
そういう意味で、
つねにハリウッドはパワフルだ。
2025年05月22日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック