本日も大西配列入門者が現れ、
同じ目に遭っている。
ツイートを見てみよう。
> 日曜日は大西配列で生きる
> 30分でチートシート見なくてもタイピングできるようになったけど仕事で使うにはまだ支障があるレベル
> emacsのキーバインドが使えなくなるのは結構痛いところだな
> 寿司打の簡単コースでもクリアできん
30分か数時間で大体フルコース体験できたようで何よりだ。
こうしたことは、
体験してみてはじめてわかる。
体験する前に予測することは大変難しいと思う。
だから体験することはとても大事だ。
「30分で覚えた」というのは、
勘違いだったとわかる。
これは頭の中に丸暗記で入れることで、
宣言的知識と脳科学では呼ぶ。
これで「配列を覚えた」というのは間違い。
自転車にたとえれば、
ここがハンドル、これがブレーキ、これがペダル、
と名称を覚えたに過ぎない。
実際、寿司打で散々になっていて、
まだ「使える」ものにはなっていない。
「配列を使える」ようになるには、
無意識に指が動くまで訓練する必要がある。
自転車にたとえれば、
どれくらいのスピードの時、
どれくらいハンドルを曲げればどれくらい曲がるのかとか、
体重をどれだけ傾けるべきかとか、
ここは曲がりきれないからブレーキをこれだけかけた方がいいとか、
「動かしてみて体得すること」
をマスターしないと、
「自転車に乗れる」とはいえない。
自転車なら、
「各部を覚えただけで乗れるわけねえだろ」
と思えるんだけど、
こと配列に関しては、
なぜか丸暗記しただけで「覚えた」という人がいる。
配列図が悪いんだろうな。
これ暗記したら覚えたことになるって思っちゃうもんね。
実際、使えるようになるものは、
脳ではなく神経で覚える。
正確には海馬か。これを手続き的知識とよぶ。
ハンドルやブレーキの名前を覚えなくても自転車に乗れるように、
宣言的知識なしで、
手続き的知識だけで体は動くことができる。
配列によせれば、
配列図の暗記なしでも配列はマスターできるよ。
実際僕は薙刀式の配列図を暗記していない。
指を動かしてここにはこのカナだなーと書き下すのみだ。
そう、この人の30分は、まるで無駄な時間だったのだ。
まあそれをやって安心できて、
「配列図を覚えてない不安」を解消できるなら、
それもいいだろう。
だけどスポーツをやるのに、
各道具の名前から暗記する人はスポーツ向いてないよね。
まず走ったり飛んだりして、
そのスポーツの本質を理解するだろう。
名前はあとで覚えりゃいいくらいさ。
なので、動かしてナンボにまずなることさ。
スポーツでもいきなり全ルールでやらずに、
段階的に簡単な練習をするだろう。
野球の試合にいきなり出るのではなく、
キャッチボールやトスバッティングをするだろう。
そうした段階的練習法が、
大西配列公式サイトに用意されてるのでやるべきだ。
この人はジャブも打てないのに、
空手の大会に出ているようなものさ。
しかも技を暗記しただけで。
ボコボコ以外ないだろう。
そしてもうひとつ、
配列を変えるにあたってチェックポイントがある。
ショートカットはqwertyの指配置を前提としていることだ。
配列を変えた瞬間、これは崩壊する。
回避法はいくつかあって、
この人はemacsバインドなので、
ctrlキーを押してる間だけqwertyに戻るように組むと良い。
エンジニアらしいのでつくれるでしょ。
言葉を打つべきキーボードに、
ショートカットをぶち込んだやつがもともと悪い。
両者は文字と操作系として、
分離されるべきだったのだが、
qwertyで混在されてしまった歴史を、
引き剥がすのは大変困難だ。
僕は、
日本語はカナ配列薙刀式、
英語とショートカットはqwerty、
ctrlを押してる間はqwerty、
とすることで、
色々回避している。
ctrlを伴わないアルファベット直接入力バインド
(adobe、Vimなど)は、
英語モード(IMEオフ)で使う前提だ。
まあ、こうしたフルコースを体験しないと、
何が問題かを炙り出すことすらできない。
いい洗礼を浴びましたね、
と紳士の微笑みで見守るとしよう。
こうした「配列図をまず丸暗記する愚」を、
なるべく止めたいんだけど(遠回りで無駄なので)、
どうしたら周知できるんだろうね。
なんか諺みたいなのにまとめたいな。
2025年06月01日
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