知り合いが関わってると知って見てみた。
詰まらなかった。
それだけじゃなんなので、反省会をしてみたい。
なぜ詰まらないのか?
「セリフが文字通りの意味しかないから」
なんじゃないか?
以下ネタバレ。
寂れたスナックをマーケティングの理論だけ学んだ、
頭でっかちの女子大生が立て直していく、
という大枠はわかるのだが、
いかんせん脚本が詰まらない。
個々の事例が、
どこかで見たようなものばかりで、
新鮮味がない。
こういうのは、
「そんな斬新なやり方が?!
最新理論スゲー!」ってならないと面白くないのだが、
ロイヤルカスタマー、
新規顧客開拓、
業界盛り上げのためのハシゴクーポン、対決と、
どこででも聞いたことのあるマーケティング手法で、
マーケティングが全然すごく見えない。
ペプシの手法なんて何年前よ。
せめて炎上マーケティングとか、ナウなやつにしろよ。
SWOTは聞いたことなかったが、
それで自己分析してみせたものが、
就職活動でよくあるやつすぎて、
全然すごい理論に見えない。
あれ?マーケティング、役に立たなくね?
って、コンサルのインチキさに気づいてしまうまである。
これならよほど「魔改造の夜」のほうが、
おもしろいことをやっている。
理論が実戦に使えんのか?は、
ドキュメンタリだからだ。
フィクションなんだから、
そりゃ成功するだろ、くらいにしか思ってないので、
もっと意外な成功を見たいわけさ。
「ペンキ塗りが実は空手の技の鍛錬になってた」(ベストキッド)
みたいな意外なやつをだ。
で。
それだからか、そうでないからかは置いといて、
セリフがいつも「一つの意味」しか伝えてなくて、
そこが一番詰まらない最前線だった。
「私はあなたが好きです」というセリフで、
文字通りの意味しか表現してない感じ。
「私はあなたが好きです」で、
たとえば「出ていってくれ」を意味するのが、
大人の見る娯楽である。
そのために文脈をつくるのだ。
毎度毎度2つ以上の意味をこめることもないが、
所々そういうものがあって、
初めてドラマだろうに。
まるで小学校の演劇だよ。
セリフがセリフの意味しかないのがね。
つまり、焦点がひとつしかない。
メインプロットだけだ。
ああこまった、こうしましょう、
なるほど解決できました、
をやってるだけ。
なんら個人の人生が関係ないものになってしまっている。
普通は、
スナックの客を取り戻すこと=メインプロットA、
主人公雪菜の人生の目的=サブプロットBとあり、
Aを叶えることがBを叶えることにもなる、
となるものだ。
その、Bがないまま、
ただただスナック盛り上げ作戦だけをやってるから、
お子様演劇にしかなっていなかった。
一応用意はされている。
頭でっかちで、マーケティング理論は落第しそうなこと、
死んだ母親がスナックをやってて、
それが嫌いだったこと。
でもそれがメインプロットに近すぎるでしょ。
振られた男を見返すためにオンボロスナックを立て直すとか、
全然関係ないAとBがあるから、
話って面白くなるんじゃないの?
雪菜の人生とスナックが交錯しないのが、
全く面白くなかった。
ふつうは、AとBの2つの話を楽しむのに、
Aしかないのが詰まらなかったわけ。
だって半分しか内容量がないのだから。
店ものなんだから、個性的なお客さんの人生譚もあるでしょ。
それをCとした場合、
ABCが期待されるのに1/3しかなかったわけさ。
退屈して当然だよな。
Cの例で言うと、
旭川のスナックで60ぐらいのおばちゃんが話してた、
「最近セックスがやっと気持ちよくなってきた」
の方がおもしろいわ。しかも相手は旦那じゃないらしい。
大枠は悪くない。
実際のマーケティング理論が詰まらない。
人生としてのストーリーがなくて詰まらない。
ん?
これ、企画書の1P目しか面白くない、
企画倒れのコンサル会社みたいなやつ?
自ら、マーケティングなんて役立たずっていう自虐ですか?
生きた人間が1人もいない感じがした。
みんな記号のマネキンみたい。
加藤小夏はせっかくかわいいんだから、
こんなしょうもないドラマに出てる場合じゃないよ。
大塚寧々も酒井若菜も年取って、
芝居のテンポが落ちててきつかった。
で、スナックの何がいいんだっけ?
これ、酒が好きな人がつくってないんじゃないか。
人生いろいろあるから、
せめてスナックでは楽しくやろうぜ、
だとしたら、その辛い人生をこそ描くべきだ。
その二重奏もない、
ただのおばさんカラオケ屋じゃあ、
何も面白くないよな。
この2コマに面白さが負けてんじゃん。
旭川のスナック話に負けてんじゃん。
30分4話もかけといてそれはねえわ。
まじで時間と金を返してほしい。
金はやるから、俺の人生をつまらなくした責任を取って、
裸踊りでもしてほしい。
2025年06月09日
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