2025年09月24日

一人増やすと進行しやすいよ

2人だけのシーンをあまり書くべきではない、
とはよく言われるコツである。
ABの会話シーン、CDの会話シーン、FEの会話シーン、
などなどをつなげていくと、映画は動的魅力を失い、
どんどんつまらなくなっていく。
なんでかは置いといて、
こういう時に「一人増やす」と進行しやすくなるよ、
というコツ。


2人のみのシーンは、
「互いに分っていることは省略する」というルールがある。

二人が大阪人である場合、
阪神が最高で巨人はうんこであることは暗黙の了解であるわけ。

家庭の事情や仕事の何かなど、
互いがすでに知っていることはあえて話さないものだ。
だから説明台詞を差し込みにくいという欠点がある。

「君は大阪人だから、阪神ファンだね」なんてことを、
2人の会話でいちいち確認しないよね。

こういうときに3人目をその場にいることにすると、
その「互いの事情を知らない人」を現場に置くことができる。
「君は知らないかもしれないが、
我々は大阪人でね。ということは自動的に猛虎というわけだ」
などのように説明が可能になるわけだ。

お互いが離婚した前提で話している場面でも、
第三者がいることで、「最近離婚したんだけど」
なんてことを挟めるわけ。

こうした、説明のために第三者をその場に居合わせるようにすると、
分かりやすくつくることができる。

また、第三者を入れることの利点は、
二人の間だけになっている綱引きを、違う方向に引っ張れることだね。
AB間だけの綱引きだと、結論はAかBか、
その間のどこかでしかないんだけど、
Cがいることで、
結論はCよりのAとか、CよりのABの中間とか、
関係性が三角になって、
結論が別のところに行かせることができるわけ。

だから、ストーリーが転がしやすくなるわけだ。

ABが会って話をする以上、
どちらかにしかならない。
もちろんそうしたいときはそうするべきだけど、
そこに変化がほしいときは、
三人目、四人目を同席させるとよい。

わざわざ呼んだていでもいいし、
偶然居合わせたていでもよい。
好きなように、リアリティがあるレベルでそこにいればよいだけだ。

2人のシーンを連発すると、
要するに二者の綱引きばかりを見させられることになる。
見ている方としては退屈なわけ。
どっちかが勝つことばかり見させられることになるわけで。

ストーリーがどこへ転がるか分からないから、
ストーリーは面白いのだ。
もちろん、AかBか、という大一番のときは、
ABの一騎打ちがいいと思う。
(そればかりやってたら、シーンで2人しか出ていないなら、
ここは大一番だなと構えられてしまうから、
それも変形するべきだろう)

3人目がいたとしても、
ほとんどしゃべらず、
シーンの決定には影響を及ぼさない場合もある。
それはそれで「社会」で言ったよ、
つまり2人の密室で決めたことではないよ、
として進行することが可能だろう。


2人シーンしか書けない人は、
個人と秘密と社会が、ごっちゃになっている人だろう。
3人目をそこに置くことで、
社会を描く練習をすることだ。
それをデフォルトにしたときに、
初めて2人のシーンが輝くと思うよ。
たとえばベッドシーンや喧嘩のシーンだ。
posted by おおおかとしひこ at 07:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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