2025年06月16日

【薙刀式】覚悟

Twitterから。
> PCの作業性を高めるには環境どうすればいいですか?と若いころに相談し、「キーボードは普通のQWERTYで全然いいけど、それなら『QWERTYでやっていく』という覚悟を持つことが大事です」と静かに言われ、わりと蒙を啓かれたのを思い出した。

なるほど。
何かを固定することは、それでいくと覚悟することでもある。


エディタを変える手もある。
emacsやVIMは操作バインドが独特だ。
最近のエディタには色々な工夫もある。
MarkDown記法を使う人もいるだろう。

キーボードを変える手もある。
よいキーボードは官能を高めて、
操作そのものを快感に変える。
手の負荷が減れば、長時間作業も楽だろう。

ディスプレイを変える手もある。
机や椅子を変える手もある。
長時間作業では物理的な影響を無視できない。

配列を変える手もある。
あることを書くのに、
より少ない手数、より少ない動線経路積分であれば、
作業を合理的にできる。


環境を良くするということは、
「常にそれであることに、覚悟する」
ということでもある。

良くない、我慢ならないと思ったら、
変えたり試行錯誤すればよい。
それが良いと思えば、それを固定する覚悟をする。


qwertyには、ふたつ利点がある。
ひとつは、ショートカットを使いまくるならば、
qwerty前提で組まれていることだ。
(ctrlを押してる間だけqwertyに戻る、
などで対処できるが、VIM式のアルファベット単打は対応できない)

ショートカットだけを集めたマクロパッドを作る手もある。
あるアプリで作業をするときだけqwertyに戻しても良い。

ふたつめは、どこででも使えることだ。
自分のテリトリーを移動しまくる人は、
すべてを自分環境に整えられないなら、
qwertyを使うしかない。
もちろん、家では自分環境、
外ではqwertyという二重生活は可能であることは知られている。
だけど、そうするにも覚悟がいる。

この利点を捨てられるなら、
qwertyを捨てられる。

捨てるのも覚悟がいる。
捨てられないなら、捨てないと覚悟をするしかない。
それは積極的選択でなければならない。
消極的選択なら、あの時ああすればよかったと思うことになる。


ということは、一度新配列を試せば良い。
試しもしないで覚悟も糞もないだろうに。


ちなみに僕の覚悟ではこうだ。

ショートカットは、ctrlを押してる間はqwertyに戻している。
英語配列はqwertyのままなので、IMEオフ時qwertyで、
単打系操作はカバーできている。
外でqwertyを使う時は、キレながら使う。
フリックの方が早いので、連絡関係はフリック。

その他はすべて薙刀式。
原稿、ブログ、その他メモ関係。


マイナスとプラスをこのように振り分けている。

もしqwertyという覚悟ならば、
ショートカットやどこででも困ることはない。
だが、
書くもの全て、効率が悪いだろう。



何かを取ることは、他の可能性を捨てることだ。

2つの選択肢をきちんと検討すれば、
それでやっていく覚悟はできる。

そのためには、新配列を触ってみると良い。
1〜2週間練習すれば、どんなもんか理解できる。
その練習は無駄にならない。
qwerty自体も速くなるクロストレーニング効果があるので。

私はqwertyと結婚するために、
いったん薙刀式を使います、でもよいのだ。
イケメン2人に囲まれて両方と付き合うヒロインみたいなことさ。
どっちかと結婚するから、両方を知るわけさ。


qwertyは、
日本語を本気で書くには全然足りない道具だ。
そのかわり汎用性があり、
英語でも操作系でも使える。

そういう付き合い方をすると、覚悟すればよい。

ホームFJは全然使わない、
左小指Aを酷使して、
右小指のエンターBSを酷使して、
打ちにくいTYNをなぜか多用して、
NかNNかNNNかを咄嗟に区別して、
促音のたびに子音二連打して指が詰まり、
同指連続のたびにイライラして、
あらゆる言葉で指が散らかる運指で、
あらゆる言葉の速度と指の速度が合わない、
ギッコンバッタンした速度で、
指の回転数のわりに文字が進まない、
母国語を著すのになにも最適化されてないやり方で、
日本語を書けばいいさ。


配列とは「指の動かし方のルール」だ。
普通人は最適化をする。
90度の道を曲がらずななめにショートカットする。
そういう獣道が勝手にできる。
だけど配列は獣道をつくれない。
動き方のルールを崩せないからだ。
せいぜい標準運指を崩す運指最適化くらいしか、
工夫の余地はなく、そしてそれはまあまあ難しい。

じゃあ、そのルールごと、
もっと効率の良いものにする、
という発想を試せば良いのだ。
posted by おおおかとしひこ at 12:21| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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