2025年06月19日

【薙刀式】いい文章が書ける配列

いい文章とはなんだろう。

分かりやすい文章。
的確な言葉が使われている文章。
オチが切れのある文章。
視点が独特でおもしろい文章。
体に入りやすい文章。
リズムがあり、簡潔な文章。
熱を帯びた文章。

色々あると思う。
薙刀式は、それを書きやすいのだ、
という観点から見てみよう。


なぜか。

日本語を書くのを邪魔しないからだ。
思考からスムーズに指の流れになるからだ。

そこにピアニスト的な、タイパー的な、
特別な訓練を必要とせず、
日常の指のレベルでいいからだ。


薙刀式が唯一無二の、一番の、
とまでは言わない。
だが少なくともqwertyローマ字では、
いい文章を書くことに、
多大なエネルギーを要して、
不自然な努力が必要になる。

すなわち、
qwertyローマ字は、
日本語を書くのに無理なことをするので、
文章がよれやすい。
まともな文章にならないので、
まっすぐ走らせるのが難しい車みたいなものだ。

左小指を一番使う。
人差し指は遠いところに出張し通し。
自然な日本語のパーツを書くのに、
指が散らかり、手間がかかる。
逆に、日本語で加速する必要のないところで、
指的に加速できたりする。

qwertyローマ字の達人の打鍵動画を見ればわかる。
果たしてこれが、
「日本語を自然に書いているリズム」だろうか?
https://m.youtube.com/watch?v=2pQEVBd_9hw

一方薙刀式は、
とても自然に指が動き、
書いているリズムが言葉のリズムにかなり一致している。
https://youtu.be/PpcL9fqZ5eg


究極までいけば、
同じリズムに収束する可能性はなくもない。
qwertyローマ字は10年単位、
薙刀式は7年ほどの練度だ。
僕は、習得して自由に書けるようになる1〜2ヶ月後から、
すでに運指が「日本語に合ってる」であるべきだと思う。


指のリズムが日本語のリズムであれば、
思考もそのリズムになる。
そうすればいい文章は書ける。

もちろん、
いい文章の書ける人が前提だ。
いい文章の書けない人が薙刀式を使えばいい文章が書ける、
という嘘をついているのではない。
ただ、
qwertyローマ字を使う限り、
本来いい文章の書ける人も悪文になるし、
悪文しか書けない人は、いい文章を書く機会を奪われたままだろう。

いい楽器に似てる。
所詮配列は道具だ。
いい道具かどうかという話で、
いい筆記具とは、
疲れず、滑らかに、日本語のリズムで書ける道具、
ということだ。


日本語のリズムで書けることへの、
薙刀式のアプローチは、
繋ぎの語をスムーズに打てることだ。

日本語を、話題の語と繋ぎの語にわける。
話題の語は、名詞や形容詞語幹、動詞語幹。
繋ぎの語は、助詞や助動詞や活用語尾や代名詞。

日本語は格構造をもたずに、
ずるずると繋げていく膠着語の構造だ。
話題の語をA、繋ぎの語をBとすると、
大体ABABAB…のような構造をしている。
話題の語は話題や文意によって様々に変わりうるが、
繋ぎの語は一定だ。
なので、Bをスムーズに速く書ければ、
するすると日本語が書ける、
と考えるわけ。

もちろん別のアプローチもあろう。

統計的に出現する2連接が打ちやすい2連接であれば、
長い文章も平均的に速く楽に打てる(新下駄)、
連続シフトアルペジオで指を繋ぎ、
語尾を倍速で打てるような配置にする(飛鳥)、
1モーラ文字を1アクションで打つ(新下駄、下駄、薙刀式)、
頻出2連接を左右に振ることで、安定して左右交互打鍵にする
(新JIS、月配列)、
漢字変換が悪い、漢字直接だ(漢直)、
などの工夫があると思う。


どれが良いかは分かっていない。
使い手がたくさん増えて実験が行われないと、
何がどれくらい効果的なのか検証できないからだ。

しかし少なくとも、
qwertyローマ字は、
日本語文章と指のリズム、思考のリズムについて、
「なにも考えてませんでした」な道具であることは、
間違いない。

多くの物書きが、
それを知らずにqwertyローマ字を使い、
悪文を量産しているか、
いい文章を書くのに無理をして指を壊している。

知らなければ何もわからないだろう。


僕はそれを避けたい。
そして、良い文章があふれる、
日本語文化を大事にしたい。
それに対して、qwertyローマ字は、
使いにくい、悪文量産機だと思う。

僕はそれを啓蒙したいわけだ。
posted by おおおかとしひこ at 13:43| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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