2025年06月20日

【薙刀式】新配列をやると、速くなるか

Twitterより。
> Dvorak配列とか大西配列とか気になってはいるけど、8歳9歳くらいからずっと触ってきたqwerty配列より本当に速くなるのか…?

総合動線が短くなるため、
原理的に速くなります。

ただし、たくさんの人の平均を取った場合で、
あなた個人に当てはまるとは限りません。


こういう人は、
統計と個人の関係をごっちゃにしている。

科学的真実は、
サイコロを100回振れば平均は3.5なんだけど、
100回連続1出す人も世の中にはいるわけ。

あなたがそれに当てはまる天才かも知れないし、
あなたが平均的平凡かは、
僕にはわからないので、
「一般的には速くなる人が多い」と、
慎重にいうしかない。

まあそれを縮めた、
「速くなるよ」を求めているんだろう。


理屈で考えれば、
打鍵は指の運動だから、
速さ=距離/時間だ。
運指の時間はキーボードが同じなら同じだから、
指の動く距離が短いほど速くなる。
これらを総和すれば、
各配列の速度は近似的に求められるだろう。

大西配列はqwertyの動線の80%程度だ。
ただしこの計算法にも問題があって、
ホームキーを押すのを距離0と考えてるんよね。
3D的に計測すればいいのだが、
結構難しいだろう。


また、運指距離といっても、
各指に対して相対的に同じではない。
小指は1U動かすのも大変で、
人差し指は器用だから2列動かすのも苦ではない。
だから、単純に何メートル、と足すことは出来なさそう。

その辺を加味した相対的運指距離を計算したいが、
バランスが人によって異なることは明白だ。
たとえば僕は左薬指をなるべく動かしたくないので、
そこがめちゃくちゃでかい距離に感じる。

ちなみに30キー×30キーの900パターンの運指時間を、
以前に僕は測定したが、
二度とやりたくないくらいには大変だった。
これによって個人の打鍵プロファイルをつくることは、
全然可能ではある。測定すればね。
(このデータを使用した岡さんの計算によれば、
薙刀式はqwertyに比べて、
かなり速いことは分かっている)



というわけで、
各自で試すしかない。


幼少期からqwertyを使っているなら、
それを使うように脳が発達した可能性が高い。
なので、いまさら別の配列を入れても、
脳にはよくないかもしれない。
所詮第二外国語みたいになるかもしれない。

あるいは適応できるかもしれない。外国に永住する人はいるし。

幼少期からDvorakや大西配列を使っている人はいまい。
なので公平な実験ができないのが実情だ。

どなたか協力してくれるなら、
幼少期から薙刀式を使う100人と、
幼少期からqwertyローマ字を使う100人の、
人生を比較してみたいものだ。

それで速さも思考の質も変わらないかもしれない。
僕は、変わるという仮説で薙刀式をつくっているが、
検証も反証も難しい。
だけど、使ってる人の感想でいうと、
なんとなく合ってそう。



つまり、
新配列は速くなるよ、は科学的ではない。
たくさんの状況証拠があるだけだ。

反証はあまりない。
つまり、Dvorakや大西配列を真剣にマスターしたが、
ついに自分のqwertyを超えなかった、
という例はほとんど聞かない。

たしかに速くなるのだが、
他のマシンも触る必要がありやめる、
などの例は聞いたことがある。

速くもならないし楽にもならないのでやめる、
というのはほとんど見ない。
もっとも、そう思う人は何も書き込まずに、
そっと消えるだけだから観測できないのかもしれない。

こうしたマイナス面が検証されてないのは、
ネットでやる限界かもしれないね。



というわけで、
「大体速くなるよ」が、
精一杯誠実な勧め方だろうか。
posted by おおおかとしひこ at 13:55| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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