2025年06月22日

これは、なんの話なのか(「メガロポリス」評2)

マジでわからん。
予告を見た段階では、
「メトロポリス」「未来世紀ブラジル」
「マトリックス」のような、
未来都市を舞台にしたSFかと思っていた。

でもそうじゃないみたいだ。
天才都市設計家と、市長と、銀行の、
跡目争い?の話?

以下ネタバレ。


「ゴッドファーザー」を、
未来世界でやろうとした、のかねえ。
ファミリー同士の確執?
結婚式の祝祭で何かが起こる、
というのもゴッドファーザーっぽい。

だけど意味がわからんすぎるよな。

死んだ妻はなんだったん?
あの謎物質はなに?
撃たれたあと半骸骨になってたのはなに?
なんで回復したの?

「時」って何がしたかったん?

赤い封筒どうなったんだっけ?
なんで父親と和解したんだっけ?

移民はどうなったんだっけ?
なんであれがラストシーンといえるんだっけ?

全部が中途半端。


できてないシナリオである、
と断ずるのは簡単だ。

こんな訳のわからないものに、
プロデューサーがOKするはずがないから、
コッポラが私財を189億投入した、
というのはわからなくもない。
だけど、
なんのために?なんよ。

何をしたくてその金をかけたんだっけ?

都市を描いたわけでもない。
上級国民の抗争劇にもなってない。
トラウマの克服話でもない。

1000年先にはローマのようになっている、
というのはいいとして、
それで何がしたかったんだっけ?

カエサルやキケロなどの、
ローマの話がわかればわかるのかな?
ちょいちょい出てきた石板はなに?
あれが何かわかる教養があれば、
あれは○○を引用しながら、
現代を批判しているのだ、
のようにわかるのかしら?


未来世紀ブラジルも、
訳のわからない話であったが、
苦労して作ったSF描写が美しかったので、
記憶に残る作品になった。

だけど今は21世紀だ。
いまやなんでもできるSFX/CG/AIでは、
何も新しさがない。
「それがなんなのか」のほうが重要だ。

新しい絵はどこにもなく、
マトリックスよりも嘘くさい世界で、
何にもなってない。



予告編は、
新しげな絵ばかり集めて、
訳のわからない話を、
誤魔化そうとしていたことがよくわかる。

「これ、どうプレゼンする?」って、
諦めてた感が強い。

コッポラよ、老人よ、
何がしたかったのか、
老いぼれなりに説明してくれ。
晩節を汚すとはこのことだ。
189億、誰かに上げた方がよかったね。
posted by おおおかとしひこ at 21:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック