2025年06月28日

なんでこんなに金がかけられるんだ……(「翔んで埼玉」評)

資料がてら見る必要があったので見てみた。
面白いと噂は聞いてたので、
そのうち見ようかリストには入ってたし。

笑ったけど何も残らない系の映画でした。
ただ金の掛け方がすごい。


キャスティングが的確で、
よくこんなに集められたなー、という点。
美術、CG、埼玉千葉決戦からの都庁前のエキストラ。
もちろん衣装もか。

とにかく金がかかっている。
日本映画でこれだけ予算をかけられる監督が何人いるんか、
という感じ。
もっとも武内監督はのだめ→テルマエ・ロマエ→このあとはたらく細胞と、
順当に大作をものにしてるから、
ふむ、という感じ。

で、なるほどフジテレビ制作なのねー。


これくらいお金をかけて、
これくらい一般的にわかる話にして、
これくらい稼ぐ、
というビジネスモデルがあり、
それに乗っかったライン、
という「枠」が見えた感がある。

で、フジテレビ系ならではの、
見てる時はおもしろいんだけど、
見終わったら何も残らない系にしあがっている。

果たしてそれが映画だろうか。
テレビである、ならわかるけど。


コメディとはいえ、
何もあとに残らないのは映画といえるのかな。
僕はコメディとはいえ、映画の範疇である、
などと考えてるがゆえに、
金のかかったジャンクフードを食った感じがした。

笑いのキレはよい。
脚本の段取りもスムーズ。
ただ、都知事を倒したあとの、
ラストに何をするべきかが落ちてはない。
全国埼玉化計画で終わっとけば、
埼玉宗教映画としてまとまりがよかったのでは。

主人公がGACKTなのか二階堂ふみなのか、
ハッキリしてないのもストーリー的な敗因か。
少女漫画でいえば二階堂ふみになるはずなのだが、
宿命を背負ってるのはGACKTだしなー。
変化をしたのは二階堂ふみだが、
そこに映画的なテーマやストーリーがあったわけでもなし。


ということで、典型的なポップコーンムービーかー。

県民ショーやお国自慢は、
日本人昔から好きだからね。

で、
ストーリーは全然記憶に残らず、
キャラや場面だけが記憶に残る、
という典型例を体験することができるね。

埼玉千葉を解放する話だっけ?
通行手形をまともにビジュアル化してないし、
関所を潰す絵がないから、
関所解放話になってないね。
後半は群馬と金塊なので、
関所に戻すべきだったね。


まあ、ジャンクフードとしてはこれでよしか。
posted by おおおかとしひこ at 13:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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