2025年07月04日

同格のor

って受験用語を突然思い出した。
orを「または」ではなく「すなわち」と訳した方がすっきりするやつ。
,orとカンマでひっぱると大体同格だけど、
そうじゃない場合もあるのだった。

具体例は以下にある。
https://blog.goo.ne.jp/advanenglish/e/a8f8cfb7aee850a93afb202ed257372b


「博士の異常な愛情」は、
邦題 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか
原題 Dr. Strangelove or: How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb
であるが、
この「または」が初めて見た高校生の時から、
ずっと気になってたのを思い出した。

これ同格のorやんけ。
「すなわち」で訳すべきったね。

博士の異常な愛情:私が学んだのは、心配をやめて水爆を愛すること

くらいで良いと思った。
さらに冒頭部をいじるなら、

愛が異常な博士:私が学んだのは、心配をやめて水爆を愛すること

くらいにすれば、
本編の皮肉まで到達するかな。
愛が水爆であると伝わりやすいだろう。


「博士の異常な愛情」は、
直訳しか許さんというキューブリックのわがままだけど、
異常愛博士では客を呼べないと思った配給は、
直訳のふりをしてこんなタイトルをひねり出したという。

その意味でも、僕の訳は悪くないのでは。



「または〜」に誤訳してる哲学の本とか、
いっぱいありそうなんよな。
ちゃんと使ってるのか?同格のorをよ。

引用した英語学習ページでは、
文脈を読解するしかない、
という結論である。
つまり「または〜」と訳すやつは、
読解力がないのだ。
そんなやつに翻訳やらせて大丈夫なのか?


そういえば、一応フィルムアート社に、
ロバートマッキー「ストーリー」の中の誤訳について
(過去記事でまとめた)意見メールを出したが、
1か月たっても無反応だ。
映画の逆引き索引についてもページ数つくっといたが、
翻訳の仕事ってぬるい、
と素人に舐められるぞ。


いまだに戸田奈津子が出張ってくるのは老害だけど、
それ以上にいい翻訳者を出してないのは、
どうかと思う。
文芸作なら、1本200万くらいあげていい仕事でしょ。
posted by おおおかとしひこ at 12:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック