2025年07月04日

良いデザインはほめるに限る

日々ダメデザインをさらしているが、
たまにはいいデザインに出会うものだ。
https://x.com/8rIh_q2w/status/1940789201798418494
IMG_5933.jpeg



すぐれた、物語のポスターの条件。

・見る前に期待できる要素がある。
・見終えたあとに、イコンになる。

キャッチコピーと同じだと思う。


「蜘蛛の糸」というタイトルと、
一本の垂れた糸。
おそらくは蜘蛛の糸で苦しむ話だということがわかる。

それだけではまだ想像しきれない。
だけどなんだか地獄のような話だろうと、
想像力豊かになることはできる。

裏表紙の青い顔は、
仏っぽい。
色の対比から、
必死な何かvs落ち着いた何かが、
蜘蛛の糸の両端で対立する話だと期待できる。


見終えたあとは、
これが地獄のカンダタと、
天界の仏だとわかる。

人間の自分勝手な業と、仏の慈悲と冷たさが、
地獄と天国で対比されていると、
読み終えればその意味の象徴に気づく。

とてもすぐれたデザインだ。


「同じものが、ある意味を与えられると、
別物に見える」というのは、
モンタージュ効果というのであった。

このデザインは、
見る前→見たあとで意味が変わっている。
中身の意味による、モンタージュ効果だ。

そこまでわかった上での、
二重性がデザインに含まれている。

だからすぐれている。


もちろん、構図のセンス、色のセンスもよい。
地獄の赤と仏の冷静さの青を対比しているが、
ややオレンジに転ばせてシャレた色使いにしてるのもよい。
真ん中に糸、それを見てる目だけで表現してる構図も巧みだ。

古今東西、
これ以上の「蜘蛛の糸」の的確な表紙はあるまい。

それくらい完成度が高い。


ちょっと線が繊細なのが気になる。
もう少し粗削りの線でもよかったかもね。
まあそこは装丁で逃げられるかもだけど。


すべての物語の表紙は、
これくらい完成度が高くなるべき。

ブロッコリーデザイナーはIQ1の脳死だとよくわかる、
すばらしい仕事である。


結局デザインってIQが必要なんよな。
つまりブロッコリーやってるやつはバカなんだよ。
デザインにおいては、バカは死ぬべき。
posted by おおおかとしひこ at 21:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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