2025年07月05日

エヴァの元ネタがちらほら(「惑星ソラリス」評)

なんだもっと早く見とけばよかった。
どこが傑作やねん。
思わせぶりな演出ばかりで大したことないやんけ。

配信にないのでずっと探してたのだが、
早稲田松竹のカルトSF特集で見れたので。

以下ネタバレ。
要はエヴァの元ネタなのね。


知性を持つ海、惑星ソラリス。
これが完全に、人類補完計画のなった、
ひとつの人類スープだね。

ある日登場人物の脳をソラリスが読み取り、
物質化をはじめるようになる。

主人公がソラリス観察宇宙ステーションにたどり着いたときに、
現れたのは死んだはずの妻。

おそろしくなって彼は彼女をロケットに乗せて射出してしまう。
しかし次の日、死んだ妻2号があらわれる。

完全に綾波レイじゃないですか。
クローンn号で、前の記憶はない。
何体でも現れる感じ、
そして絶世の美女で従順で。

ちょっと幽霊めいてるのも、綾波に近しい。


そうか、エヴァはソラリスを下敷きにして、
ガンダム的なロボットもの、
怪獣退治のウルトラマン、
あとトラウマとか親関係の話をぶちこみ、
性癖とキリスト教でコーティングしたものであったのか。

いろいろな系譜が、
1本につながった。



ソラリスの映画自体はすごく退屈。
第1部のソラリスに旅立つまでの地球パートは、
やたら退屈。
まあSFセットに金をかけれないから、
地上でなんかやんなきゃという事情もわかる。
死んだはずの妻が物質化して、
その妻を殺してしまうところがピークかなー。

全体的にものすごく間がたるい。
タルコフスキーはタルイコフスキーだ。

いつか「ノスタルジア」を寝ないで見る日がくるのだろうか?


あと、ラストのループ落ち、
落ちのための落ちって感じだね。
「どうすりゃいいのよ」って困って、
貼り付けただけのオチだねえ。

「水は生命の象徴であり、
必ず水が出てくるのだ……」なんて評を見たことがあるけど、
ラストの家の水ダダ漏れシーンなんて、
異物を作っといての回収にすぎないじゃん。
そんな小難しい批評いらんわ。


ああ、やっとミッシングリンクが埋まってすっきり。


未見の方は1回は見といた方がいいけど、
まあ2回見ることはない。
死んだ妻の女優がめっちゃ好み以外は、
ほんとにどうでもいいわ。

東京の首都高をSF都市として使ったって聞いてたけど、
たたの首都高バトルみたいな(しかもやたら長い)カットでした。
ロシア人さー、寒いからテンポ遅いんじゃね?
戦艦ポチョムキンを見た時も思ったなー。


この海や渦巻きのディテールが、
ウルトラマンの渦巻きバック、
果ては車田バックにまで系譜があることがわかった。
なるほどねー。
posted by おおおかとしひこ at 16:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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