2025年07月06日

予算なき故に存在しないカットが、わかりにくくさせている(「惑星ソラリス」評3)

1971年ソ連なので、
ミニチュアや光学合成を駆使してつくるべき、
いくつかのカットが、
予算の関係か、削られている。

だから分かりにくいだけなのでは。


たとえば。

・惑星ソラリスの全景。
・地球から主人公が発射される。
・メインの舞台となる宇宙ステーションの全景。
・宇宙ステーションがソラリス軌道上にあること。
・宇宙ステーションに到着する絵。
・地球からソラリスまでどれくらいかかるのかの絵。
 (たとえば10年帰れないとか?)

・ソラリスに大陸がなく、海一面であることを示す絵。
・ソラリスに放射線を当てる絵。
 (宇宙ステーションから発射?)

これらが入ってるだけで、
どういう進行になっているか、
位置関係などがわかるはず。

しかし作画カロリーが高いからか、
まるっとオミットされてるのが、
わかりにくい原因だ。


・眠っている間の人間の思念をソラリスが読み取る絵
・その何かを具現化する絵

はなくてもいいと思う。
どうやらそうらしい、と推理するところがキモなので、
ネタバラシにならない方がいいだろう。


でね。
これらはなくてもギリギリわかるけど、
分かりにくいなら分かりやすくしよう、
というのがハリウッドのやってきたことだと思う。

これをやって嫌う人は、
「分かりやすくすることで、
分かりにくさ(=芸術っぽさ)というアイデンティティが、
消えてしまう」と思ってる人だ。

それって作品を良くすることに寄与してないよね?
もっとストーリーを面白くする努力をするべきでは?
posted by おおおかとしひこ at 16:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック