2025年10月10日

弱点を補いあう関係

ライバル同士でもよい。仲間同士でも恋人同士でもよい。
人がペアで物語中に存在するとき、
何かしら補完しあっていることがある。


長所がお互い対比的であることはよくある。
スピードタイプとパワータイプは、
スポーツものによくあるだろう。
大胆タイプと慎重タイプの対比もよくあるよね。
陰陽タイプのペアは、
カップルものによくあるパターンだ。

で、長所だけじゃなくて、
弱点も対比的にするパターンもあるよ、
ということだ。
そして、その弱点が補完的になっていると、
面白くなるかもしれない、という話をしている。

長所だけじゃなくて、
その裏の弱点が、裏の対比になっているということだ。

陰陽のパターンで分かりやすくやると、
陽の長所は明るくて人と交わるところだが、
弱点は孤独に弱く、コツコツと一人でやるのが苦手なことだろう。
逆に陰は、一人で孤独にいることが長所で、
人の沢山いるところや折衝が苦手だろう。
ということで、
一人で何もできない陽と、人込みに放り込まれた陰を、
対比させるといいわけだ。
「逆になればいいのに」と思えたらしめたもの。
それが逆の立場になったり、
性格が反転する瞬間を、
待ち望むようになるからね。

あるいは、その対比にテーマ性をこめることもできる。
コメディ的な対比の面白さ以上の、
テーマを語ることも可能になるわけだ。
軽いシチュエーションでやってもいいし、
誰か死んだとき、みたいな深刻な場面を伴ってもよい。

そうすることで、
感情移入のポイントが変わってきて、
どちらのキャラクターも感情移入しやすくなる、
みたいなことにもつながってくる。

二人で一人、二つで一つ、
というのはよくあるパターンだから、
見えやすい所だけを対比的にするのではなく、
見えにくい所も対比的になっていると、
ほんとうに片割れなのだなあ、
となることだろう。

一方の弱点を他方の長所でカバーしたりするのは、
よくある展開だし、
長所が生きるように外堀を埋めていくのもよくある。
逆に、弱点をどう避けるかを対比的にする展開だって、
考えられるわけだ。

弱点を補いあう関係にしておくと、
長所が対比的じゃないけど逃げるやり方が対比的になり、
そこから展開をつくることが可能になるかもしれない。

展開のヒント、
人間を描くチャンスのヒントにしてほしい。
posted by おおおかとしひこ at 08:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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