早稲田松竹でフィルム上映だったので見てきた。
学生時代に見て、
全部忘れてたので初見みたいなもの。
いやーでたらめすぎる。
無謀パワーだらけの快作。
皇居への突入。
東急本店の店内や屋上や札束バラマキ。
原発への侵入。
国会議事堂への侵入。
皇居前のカーチェイス。
高速道路でルーフトップかは半身を出したチェイス。
全部無許可撮影だろ。
すげよこれ。
コンプライアンスなき時代の、
西部警察以前の、
めちゃくちゃ撮影集だといってもよい。
ハリウッド映画、
たとえばダーティーハリーを超えたくて作ったのだろう。
だけどあんなの日本じゃできないから、
全部無許可で出来る範囲でやった。
逮捕者は30人はいたという。
めちゃくちゃな撮影だ。
で、
菅原文太と沢田研二の執念のバトルは面白いんだけど、
アクションそのものはチープなんよね。
実際、ハリウッドに持ってったら、
なぜあんなC級アクションをクライマックスにしたんだ?
とアメリカ人から言われたらしいし。
僕が学生時代に似た感想を抱いたことを思い出した。
「ダーティーハリーとかよりアクションしょぼいので、
たいして面白くない」ってこと。
いや、プロになったからわかるんだけど、
あれを無許可でやるにはめちゃくちゃ大変だ。
それをやった勇気や心意気はわかる。
でも、所詮日本のショボさが限界としてわかってしまうという。
こんなに頑張ってるのに、こんなにショボいんだ、
ってわかってしまう。
だから日本はハリウッドに勝てない。
同じやり方では勝てないから、
別の道を選んだのだろう。
特に目的もないが、
原爆をつくって混乱に追い込んでやろう、
という沢田研二が、
若者の気分を代弁している。
なんも楽しいことがなくて、
イライラしてるだけの若者。
何がしたいのかはっきりせず、
ただエネルギーを持て余してる若者。
今の若者もこんなに鬱屈してるだろうか。
してて欲しいね。
あの原爆は、
若者の自己承認欲求の象徴だ。
だからラスト、
因果応報的に被爆して、爆発?する。
同時期、
アメリカン・ニューシネマがあった。
タクシードライバー、俺たちに明日はない、イージーライダー。
スターウォーズ1(ep4)もだ。
若者はどうしていいかわからず、
アイデンティティを決められずにいたから、
無謀なことをするのである。
しかし菅原文太の後半のゾンビぶりは笑ったなー。
ヘリから飛び降りたスタントマン、
約束と違う高さから飛ばされて骨折したらしい。
というかあれで骨折ですむのかよ。
マンガみたいなめちゃくちゃぶり、
理由なき反抗ぶり。
それをものすごく丁寧に書いている。
アーアアーの使い方や、
伏線の使い方がおもしろい。
しかしそれだけだったかな。
緻密で大胆な構成の、
アメリカン・ニューシネマで、
無許可撮影スタイル。
当時の鬱屈した若者たちが熱狂しただろう。
僕は「ハリウッドに足りない」と、
正直に思ってしまったので、
この狂騒には乗れないねえ。
こういう主人公は最後死ぬことになっている。
原爆ドカーンなんてギミックを使わずに、
放射能で無惨に死んでほしかったな。
「なお原爆の行方は不明」みたいにしてね。
人間はなんのために生きるのだろう?
人間の社会は間違っているのだろうか?
野球中継を延長させたことや、
5億円ばらまいたことや、
ローリングストーンズの日本公演を決めさせただけだったのか。
愉快犯にしては中途半端だったな。
ノートに色々書いてたんだから、
その10を実行したら死ぬ、
みたいにしとけばよかったのに。
その、日本社会の何かを抉れれば、
カルトからメジャーになれたと思うのに。
批判力がなかったのが、
脚本として致命的かな。
2025年07月19日
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