2025年10月12日

ゴミみたいな物語と、名作は何が違うのか

自分の書いてるのは、
ゴミか、名作か、その間か。

ゴミなら捨てるべきだし、
名作というならあなたの目が99%狂ってる。
ほとんどの作品は、その間のどこかだ。

それでも名作を目指して、
よりよい脚本にしたい。

ではゴミと名作は、何が違うのだろう?


ゴミはまず、
「できていない」ことが多い。

つまり、事件が解決してないとか、
中途半端なところで終わってるとか、
破綻したり矛盾したりしている。

仮に、できていたとしよう。
つまり、
事件が起こり、なんらかの解消があり、
めでたしなのかバッドエンドかで、
「終わった」とする。

だけどそれではまだ不十分だろう。
「おもしろい」がなければならない。


1秒だけおもしろいシーンがあれば合格?
5分?30分?
たぶん数値じゃない。
見た人が「おもしろかったよ。
金払って良かった」と思えれば、
それはヨシだ。

じゃあ個別の客の、好みを満足させればいいか?
それはありえない。
客は好みがバラバラで、
指向性が全然違う。
じゃあ一定の客層だけを集めればいいか?
そういうマーケティングもある。
特定のクラスタ用のストーリーだ。

でもそれは大きなパイを取れない。

どんな人でも、感情移入させられるのであった。
これはつまり、
「どんな客でも見れる」ものを作ろうということだ。

つまり、
感情移入が次の最低条件だ。

この人は私ではないが、
この人と同じ立場になったら、
私もそう思い、そうするだろう、
を作ればよいのである。

そしてその人の悲しみや喜びや怒りを追体験して、
まるで自分のことのように思えばよい。

その人の生まれ変わりを見て、
自分も生まれ変わったかのように思えれば、
理想である。(カタルシス)

それで名作になるか?
まだ足りないと思う。


凡百にある物語群は、
このあたりで戦っているような気がする。

この先に何がいるだろう?

僕は、強い感情がいくつか、だと思う。
一つじゃ足りなくて、複数あると良い。
爆笑、感動、ざまあ、驚き、怒り、
悲しみ、絶望、歓喜、恐怖、スリル。

なんでもいい。
沢山の強い感情があれば、
名作に近づく。

それだけ?
まだ足りないよね。


構成のうまさ。テーマの現代性。
人間観察の深さ。キャラの魅力。
人間関係の良さ、対立の深さ。
人間の業の深さ。
そしてオリジナリティ。

たくさんのたくさんの要素がいると思う。



とある、ゴミよりはましな脚本があるとする。
それをリライトすればもっと良くなるのでは、
と考えることはよくあることだ。

何が足りないのだろう?
構成?キャラクター?強い感情?テーマ性?
一部かもしれないし、
全部かもしれない。

僕は、
「名作を見終えた時の満足感」が、
あるかどうかで決まると思っている。

「まあまあの映画を見終えた時のまあまあの満足感」
「そこそこの映画を見終えた時の、
部分的に良かったところを抽出しようとする感じ」
「ふつうの映画を見た時の、まあふつうの感じ」
「不味い映画を見た時の、後悔する感じ」

の、どれに近いだろう?
それを、
名作を見終えた時の、
「全部が綺麗に収まって、
全てが上手に畳まれた感じ」
になるように、
リライトしていこう。


具体的にどうするべきかは、
全然わからない。
わからないから、脚本っておもしろい。

だけど一つだけあることは、
名作を見た時の感じに届いてないなら、
その脚本は名作ではないということだ。

それには、
ほんとうの名作をたくさん見てることが必要だ。
うんこ映画しか見たことがないなら、
うんこよりちょっとマシになるだけで、
名作って勘違いするものね。

僕は「2001年宇宙の旅」のシナリオは佳作だと思うけど、
「惑星ソラリス」のシナリオはうんこレベルだと思う。
前者は表現技術によって名作レベルに、
後者はカルトレベルになった。
差を分けたのはシナリオと、表現技術だな。


あなたは、
どんな映画を名作と思うのか?
50年100年残る映画、
大ヒットする映画、
人生を変える映画は、
どんな要素が必要か?
そしてあなたは、それを提供してるのか?

それは○○だ、と分かっているわけではない。
それを埋めようとすることこそ、
シナリオについて考えることだと思う。

僕は、深い感動だと思う。
じゃあ深い感動には何が必要なんだろう?
「人はこういうものだ」「人生とはこういうものだ」
という観察だろうか?
こうやって要素分解していくのだ。
posted by おおおかとしひこ at 11:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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