2025年08月11日

【薙刀式】そもそもqwertyは普及してない

新配列をめぐる偏見に、こういうのがある。
Twitterから。
> 身の回りだとパソコンのQWERTY配列キーボードなんてのもありますね。過去に何度も何度も「あれは非合理だ」とされて新配列が提案されて何一つ定着していません。

そもそもさ、qwertyが普及して、定着してるといえる?
ブラインドタッチできる人が30%だぞ?

別に普及してるわけでも定着してるわけでもなく、
「JIS規格で決まってるから」、
そのキーボードしかないだけだぞ?


なんでJIS規格が今のものに決まったのか?
歴史をきちんと調べたいところだけど、
「とても合理的で最適だから」
決まったわけではないことだけは確かだ。

批判の多いqwerty英語を、
英語と日本語の音韻構造が全然違うというのに、
「外人も使ってるから標準」と、
何も考えずにローマ字にしたものと、
電報のためにNTT(当時電電公社)の、
訓練された専門オペレータが使ってたカナ配列を、
qwertyキーボードに合わせるために改悪したものの、
ふたつをただ乗っけてるだけだぞ?


自然言語では、
書き方は最適化に近くなる。
書くのがめんどくさくなるなら、
勝手にショートカットが生まれる。
続け字、略語などはその典型だ。

「あたらしい」だって、昔は「あらたしい」だったのに、
言いやすいように最適化されたのだ。
「新」の読みは、「新(あたら)しい」と「新(あら)たに」
の混在になってるわけ。


キーボード入力は、その自然最適化、淘汰の歴史を経ていない。

いくつかの提案があった。
富士通の親指シフト、NECのM式などだ。
実際親指シフトは一時期No.1シェアを取った。

それを破壊したのはNECだ。
日本最大の普及機、NEC PC-9801は、
qwertyとJISカナしか使えなかった。
ライバル会社富士通のシステムを導入するわけには行かなかっただろう。

そして98は、日本語入力が優れているから普及したわけではない。
別の理由、ビジネスに使うソフトがあったからだ。
日本語入力は98では二の次で、
実際、日本語文書用にワープロ(主に親指シフト)を、
置くオフィスもあったらしい。


これが絶滅したのは1995年、
黒船外来のWindowsが上陸したからである。
これは今に至るまで、qwertyとJISカナしか使えない。

富士通ほかのメーカーがなぜ親指シフトなどを、
Windowsで使えるようにしなかったのか、
僕は知らない。
だけど一つだけ肌感で知ってることは、
2000年くらいまで、
みんな手書きで書いてたことだね。

つまりWindows普及の理由は、
「日本語が快適に書けた」からでも、
「日本語が快適に書けないことがブレーキになった」
わけでもないのだ。


2011年の震災で、電話が寸断されて、
ネットが生きてたから、
ネットが急速に発展した。
それまではケータイメールも1500字くらいがマックスで、
ガラケー式で打ってたよ。
そんなもので打つより、
手書きで手紙書いてファックスしてた時代よ。

震災の頃からようやく、
みんな文字を打つように変わっていったんだ。

スマホとLINEとフリックの登場が、
手書きの駆逐をしたのではないだろうか。
みんなネットに繋がってるという意識の完成は、
Twitterが流行った頃じゃない?



いまだかつて、
qwertyが「普及」したことなどない。
定着したこともない。
誰も疑問を持たず、「それがそこにあるから」
使っているに過ぎない。

スマホでは圧倒的にフリックが使いやすいと僕は思うのだが、
なんと過半数割れらしい。
それほど人は、「前のを変える」ことを嫌がるのだ。

なのに、qwertyのブラインドタッチ率は30%。
まともに使いこなしてる人は少数派。
それ以外は、怠惰を貪っているだけだ。


便利だぞ、最適だぞと勧めて、
そうかこれはよい、という積極的普及ではない。

一旦決めてしまったので、
もう1ミリも変更できない、
消極的負の遺産継承が、
qwertyの100年の歴史だ。

英語圏において、DvorakやColemakなどの配列が提案されてるのに、
全然みんな変えない。

理由はわからない。
実は僕は「知らないから」じゃないかと考えている。

「知っている」とはつまり、
ただ名前や配列を知ってるだけではなくて、
どこが合理的なのかとか、
練習にどれくらいかかるかとか、
qwertyと並行して使えるのかとか、
そうしたすべてを指す。


もう一つ考えられる理由は、
qwertyはサイトメソッドで使うための配列であり、
ブラインドタッチにした瞬間糞配列になる配列、
かもしれないということ。

目で見てるqwertyを、
合理的だからという理由で新配列にする人は、
ほとんどいないということだね。



ブラインドタッチで3割しかまともに使えないqwertyが、
普及してるとはいえないと思う。

ただ、それ以外の選択肢(alternative)を知らないから、
それを使うしかないだけだ。


僕はこの、「しらしめる」をまずやっている。
知らないと変われないからね。

でも、知ったとしても変わらない例もある。
ダイエットとか健康法とか、投票とかね。
人はめんどうなことはやらない生き物だから。

つまり、大きく言うと、
新配列が普及しないのは、
人が怠惰だからだ。

だから、全員に普及するのは、
僕の目的ではない。
やる気がある人が、
間違ってqwertyの悪の道にハマらないように、
知識を授けることだと思っている。


先日、昔の知り合いが、
手根幹症候群の手術を受けたのをTwitterで見た。
キーボード以外でありえないと思う。
防げる事故を防げないことに、
僕は心を痛めている。



怠惰な70%はどうでもいい。
やる気のある人に、
これは合理的最適化ではないと伝えたい。

そうでない答えはたくさんある。
どれか一つを選べというならば、
作者として薙刀式をあげる。

文章の才能とは異なるところで、
手を壊すことの不合理に、
僕は腹が立ってしょうがない。

qwertyなんて普及も定着もしてない。
ただの老害だ。
早く殺せ。

qwerty愛好家のために根絶やしにはしないよ。
ただ、標準配列から引きずり降ろせ。
標準配列はやめて、
たとえば複数の配列20から選べるようにするべきだ。
薙刀式はその一つになる資格があると思う。
posted by おおおかとしひこ at 14:13| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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