ATCはあくまでもゲームだ。
一定のルールを定めるからみんなで競えるわけで、
ルールである以上攻略が存在する。
僕がタイピングゲームを普段やらないのは、
その攻略された姿が、
現実とかけ離れすぎているからだ。
ATC 195を出せた僕の打鍵を見てみよう。
やたら長くひらがなを打って、
一括変換している。
https://youtu.be/QQsc-VnfeHY
これはゲーム上の攻略だ。
IMEが誤変換しないだろうと踏んで、
できるだけ長く打ってしまう戦法だ。
実際、変換結果は見ていない。
ノールックで次を打っている。
その、判断を挟まない分タイムは速くなる。
もし誤変換してたらESCすればいい。
なんなら、
そのプレイは諦めて、
正しい変換をしなおして、
IMEを調教することもやっている。
視線の移動がない方が速い。
変換結果の確認がない方が速い。
だからそういう攻略になるわけ。
これは創作文ではなくコピー文である。
しかもルールのあるゲームだ。
だからルール上反則でなければ何をやっても良い。
たとえ、本来の目的から外れてもだ。
タイピングの本来の目的、
自分の思うことを書くという創作文においては、
こんなに一括変換することはない。
文節、単語単位で変換をかけて確定していく。
(確定はエンターではなく、
次の文字を打てば自動確定の方式を僕は使っている)
こんなに長いことひらがなのみの部分を放置しない。
なぜなら、文章を書くとは、
出来上がった文同士の関係も考えるからだ。
あることAを書きっぱなしでは終わらない。
Aの中のXYZを検討して、それが正しく表現されてるかを考える。
そのためには、XYZは漢字変換されている必要がある。
X変換、Y変換、Z変換という段取りを組むだろう。
Aだけでなく、次のBもCもある。
Bの中のXYZ、Cの中のXYZもある。
それらをすべてひらがなで放置したまま、
一気に変換をかけるやつはいない。
そんなの、考えてないことと同じだ。
暗闇に大声を張り上げて終わりが、書くことではない。
その声が反射してきて、
それを聞いて、はじめて自分の言ったことが妥当かどうかを確認するのが、
書くということだ。
優れた書き手は、自分の文章を初めての観客のように読む。
それで初めての観客のようにリアクションする。
書くとは、そのリアクションに対してリアクションしていくことだ。
その単位は、あんなに長い一括変換ではない。
まあ、今回のルールが、
一括変換有利なルールになるとは、
事前に予測することは困難であった。
テストプレイでは、
なんだかんだ変換したり直したりして、
コツコツとコピーしてたからね。
でもそのうち、
「意味を理解しなくてもよくて、
IMEが正しく変換する範囲をできるだけ広く見積もって、
いいところまで打ってしまう」
方が速いと、始まってから気づいてしまった。
もっと前に気づけてれば。
我々はコピー打鍵タイピング大会には素人すぎた。
おそらく、もっと乖離は進むと思う。
できるだけ長く変換しないでひらがなを打つ方が、
有利になるゲームになる。
それは、書いた言葉を一つ一つ確認して、
それらの関係性を深く考えるという、
書く行為とは、どんどん遠ざかるだろう。
まあ今回はこういうルールだ。
有利な戦い方をするしかないな。
ふつうは、
「ちゅうどうてきなたちばのひとがへっていくげんしょうのことです」
を一気に打たないよ。
「ちゅうどうてきなたちばの」「ひとがへっていく」「げんしょうのことです」
くらいでしょ、変換単位は。
もっと細かくやる人もいるでしょ。
でもゲーム的には一括変換ノールックが戦略なんだ。
なんなら「。」を超えて次の文まで打って二文三文で変換かけてもいいんだぜ。
薙刀式は「、確定」「。確定」を使ってるから、
この攻略的には不利なのよね。
いや、ふつう人は句読点の前で変換かけるでしょ。
だから句読点確定が現実では一手省略できて便利なのだ。
そう、だから、
タイピングゲームはリアルじゃない。
ゲームだ。
だからリアルを離れて攻略する。
格闘ゲームが現実の殴り合いを離れて、
ガードさせて+2有利とか玉無敵とか言ってる感じに近いね。
とはいえ、
ルールの中で全力を尽くすのが紳士であろう。
配列の有利不利を語りたいのに、
一括変換の有利不利の話にしてはならない。
なのでこの攻略を公開した。
参考にされたい。
(追記)
あった、毎パソ十段の動画。
https://m.youtube.com/watch?v=CHFPkWY-ZdI
僕はこれをタイピングの事を考えるかなり初期に見たのだが、
「自分で考えた文を打つやり方ではない」
「自分が目指す究極の姿ではない」と、
強く思ったことを覚えている。
結局これがコピーでは強いんでしょ?
2025年10月05日
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