2025年10月10日

【薙刀式】書きものは綱渡りではない

毎日ATCチャレンジやってるので、
これまで避けてきたタイピングゲームの解像度が、
もりもり上がっている。

記録にチャレンジする時は、
ノーミスないし、数ミスでリカバリがうまくいった時だ。
つまりほとんど綱渡りをしているのに近い感覚。


落ちたら死ぬゲーム。
ミスしたらESCするゲーム。
落ちなかったときに成功のゲーム。
ミスしなかった時に成功のゲーム。

タイピングゲームの記録狙いは、
どうやったらミスしないか、
どうやったら落ち着いて慌てないかの、
メンタルを競うゲームでもある。

動揺したら負けだ。
ここで立て直せても、
次に打てるはずの連接をミスったりする。
人間の平衡感覚というのは、
一度崩れたら、バランスの立て直しの立て直しをしはじめたりして、
どんどん崩れていくね。
むしろ立ち止まった方がマシまであるかもね。


これは、普段書いてる文章とはまるで違う心理状態だ。
アナログの習字ならいざ知らず、
いくらでもBSできてカットペーストできるデジタルなんだぜ?
何回滑っても言い直しができる冗談と同じなんだぜ?
「よくなるまで何度でも書き直す」がデフォじゃんか。

あるところから進む場合、
たくさんの選択肢があり、
ここやろと思って書いていっても、
全然違うことはよくある。
じゃあ戻るか、をやればいいだけだ。

むしろ、間違いかもしれないが勢いよく進んでいった先に、
案外いい答えがあることがあり、
その時はナイストライと自分をほめることになる。

だから、書き慣れた人ほど、ガンガン突っ込むと思う。

普通の人なら躊躇するかもしれない、
完全には正解と思えないところでも、
フルスロットルで突っ込む。
そこで突破できたら面白くなることを知ってるからだ。
あー違ったなーとなったら、
笑ってBSするか、
カットして「また使うかも」のファイルにペーストするのみだ。


この書き方が僕のデフォルトである。
恐れなどどこにもない。
唯一の恐れは、つまらないことだけだ。
そしてビビって書いたものは100%つまらないので、
自信溢れてガンガン突っ込むことだけを考えるのだ。

そしたらタイプミスも変換ミスも、
言葉遣いのミスもするよ。
でもそこは大事じゃない。
今この場で面白いことだけが正義なのであり、
ミスはあとで直せばいいからだ。
ミスを直している最中に、
面白いことが逃げていくのだけが嫌なのだ。

なぜなら、アイデアはすぐに消えてしまうからだ。
このひらめきを文字化しておかないと、
永遠にそれは失われるからだ。

このフルスロットルと、
息を張り詰めて糸の上をノーミスで渡るのとは、
態度がまったく異なる。

精神状態が真逆と言える。


正確に歩こうとすればするほど、
歩くってどうやるんだっけ?ってなる。
歩きながら歩くことがわからなくなってくる。
そうしてミスはミスを呼び、綱から落ちて死んでしまう。

歩くってどうやるんだっけ?と疑問に思うのは、
死の前兆である。
だから、疑問に思ったらもうESCでいいくらいだ。


創作文を書いてる時は、
止まってはいけない。
つまらなくても回転し続けるのがコツである。
とりあえずなんか進めているうちに、
面白いオチを思いつき、
脱出口が見えたと思うと勝ちだ。
そしたら前半の泥沼をカットすればいいからね。

もし出口が見つからなかったら、
前に戻って別の回転をしてみればいいだけだ。

この、意識の差が違いすぎる。

出口を見つけるために泥沼で転げ回るのと、
ミスしてはいけなくて集中するのと。


指先の技術や意識配分などの、
形而下の話しかみんなしてなくね?

そもそもの、形而上の目的や意識が、
全然違うくね?



綱渡りの道具とは、
偏差があっても元に戻りやすい大きなヤジロベエであり、
綱の上の感触をとらえる足の裏であり、
汗で滑らないための滑り止めであろう。
そして、下を見ずにゴールを見る精神力だろうか。

それ、ひとつも書き物にいらないね。

タイピングゲームで記録に挑戦するために必要なものは、
全部書き物にいらないね。


新配列は、書き物のための道具である。
ヤジロベエも滑り止めも、新配列になくていいよな。

面白いものを書く時の道具が欲しいのであって、
ミスしない精神の時の道具は別にいらないし、
邪魔まである。



もちろん、この先のタイピングゲーム道を極めると、
別の景色が見えてくるかもしれないので、
タイパーの皆さんは、
自分の精神状態とか、自分にしか見えてない光景を、
言語化してください。

大谷翔平にしか見えてない世界っておもしろそうじゃん。
アスリートの見えてる世界を見せてよ。
その、字を書く道具でさ。
posted by おおおかとしひこ at 12:12| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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