演技は仮面をかぶって違う自分を演じることである。
僕の経験上、
これは地方出身者のほうが上手な気がする。
言葉を矯正した経験が、生きている気がする。
他にも例えば転校経験者とかが、そうかもしれない。
強制的に「別の自分」を演じる必要のあった人が、
仮面をかぶるという演技の素養があるというのは、
まあよくわかる話だと思う。
まったく逆の話をする。
「本音っぽい演技をする」
「演技っぽく見えない、リアルっぽく見せる」演技に関しては、
僕は東京出身の人がうまいと思っている。
地方出身者は、
「仮面をかぶる」だけで精一杯になってしまい、
その先を努力しなくなるからかもしれない。
もちろん、突破した者は、
地方出身とか東京出身とか関係なくなる。
たくさんの役者を平均的にみると、
というぐらいの与太話だ。
とくに関西人は、サービス精神も旺盛だし、
ノリもよいので、
仮面を喜んでかぶる人が多い。
東京へ来て関西弁を矯正するのにも苦労が多かっただろうからね。
だから、「別の自分になる」に慣れていると思う。
でも、仮面をかぶらないと演技ができないので、
仮面なしの本音の告白みたいなのが、
弱いんじゃないかと思う。
できる/できない、というレベルではなくて、
「心に来る」というレベルに到達するか、
という話だ。
僕はよくオーディションで、
関西出身っぽいな、と思ったら、
即座に関西弁で質問したりする。
その人の本音を引き出すためだ。
その人の仮面を使えないようにするためだ。
演技テストの前にそれをやっておくと、
その人の本音と仮面の差が、よくわかるからね。
そして、その上で、
仮面を脱いだ芝居ができるかを、見ることがある。
これは僕が関西人だから関西人のことをよくわかっているだけで、
他の地方出身者、東北や中部や九州四国は、
あまりできない。
なので、少しだけ関西人は僕のオーディションでは有利だ。
(逆に厳しいから不利だともいえる。
こいつ嘘やん、ってすぐにばれるので)
逆に、東京出身者の人は、
仮面をかぶらないことがリアルな芝居、
などのように思っていることがあって、
思い切った役になることが困難なことがある。
オペラやアニメや宇宙人の役などは、
東京の人には難しい。
リアルに縛られている、とも言える。
人間は、公私の生活をしていくうえで、
仮面をかぶることもあるし、
本音をもらすこともある。
ひとつの性格で全方位と接するわけではない。
それが、上手な人もいるし、下手な人もいる。
そういう観察をしていきたいものだ。
僕は、演技は演技っぽくないのが好きだけど、
決めるときには決める、演技っぽいのも好きだ。
結局は台本だ。
何を狙っているか、だ。
2025年11月30日
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