「新配列で速くなる!」
というのはとても原始的な考えで、
その奥にある深さのことを知らない、
いわば軽率な発言だ。
それでも新配列は、高速域直前までは行く。
つまり速くなると言っていいと思っている。
「速さ」を、
低速域、中速域、高速域、超高速域の、
4つくらいに分けて考えよう。
【低速域】〜秒3カナ
ローマ字で秒5打、カナで秒3打程度。
実用入力の平均って大体この辺でしょ。
(先日も平均秒1カナなんて話もあったくらい)
これを超えて、
「もう少し速くなりたいなー」
と思うのが「速い」の希望だと僕は考える。
【中速域】〜秒5カナ
ローマ字で秒8.5打、カナで秒5打程度。
実用入力でこの速度で書くことはないが、
タイピングゲームで「まあ速い」と言われる速さ。
これぐらいあれば、
実用入力で困ることはまずなくて、
新配列での達成目標はここらあたり、
だと僕は考えている。
親指シフトがかつて最速と言われた理由は、
qwertyよりもJISカナよりも、
いち早くこの領域のタイピストを量産できるから、
だと考えられる。
逆に、これを越えた速度は現実的ではないと僕は思う。
【高速域】〜秒10カナ
ローマ字で秒17打、カナで秒10打程度。
競技タイピングで戦っている領域。
普通の人にはまず無理で、
全国に1万人いないレベル。
実用入力では使わない速度だ。
なぜなら、
この速度帯の人でも、中速域の僕の方が実用が速いことがあるから。
指速度だけが実用で問題になるわけではなく、
思考速度や編集速度などの総合勝負になるから。
実用=「思ったことを自由に書く」とすると、
実際2000字(変換後)/10分で書かれた動画は現存しない。
1500は薙刀式、1700弱がqwerty競技者のもの。
1500で実測したけれど、
平均秒3打(カナ)であった。
つまり高速域とは、
「流れてくるランダムな言葉や文を、
脳死で写す」のみに役に立つ能力だと考えられる。
これが生きるのは、清書業務だけだろうか。
もともとタイピングコンテストは、
手書きをタイプする秘書の技能コンテストであった。
それがタイピングの原型といえばそうだけど、
今それを「実用」とするのは、
秘書検定取るか、字幕仕事や裁判速記の人など、
かなり限定された話だと思う。
全人口の何%かは分からないけど、10%くらいと見積もるか。
競技タイピングに目的を問うてはいけないけどね。
陸上競技者に車に乗ればという程度には意味がない。
この速度域で活躍した新配列は今のところない。
競技タイピングはqwerty優勢、
JISカナの一部の人が記録で上回る、
みたいな感じだね。
同時打鍵系は秒8〜10打あたりで限界が来て、
順次打鍵系に追い越されるとされる。
だがそれを超える程速い人が実験していないので、
予想に過ぎない。
【超高速域】秒15カナ〜
トップタイパーの領域。
誰もここの理論を構築してないので語るべきことがないw
「速くなりたいから、
合理的な動線の新配列に変える」のは、
とてもいいことだ。
ただし、実用の範囲、中速域までに限ると思う。
それ以上出す意味は、あなたが競技者でない限り意味がないと思う。
もし高速域以上を出したいのならば、
実績のある新配列は3つ。
月配列かいろは坂か新下駄だ。
公道で快適に走るまでしか、
新配列は保証しない。
その倍以上のサーキットは知らん、
というのが正直なところ。
なぜなら、
脳死でコピーしない、実用をする90%の人のためにつくられたからだ。
速くなりたい人が、
もともと低速域ならば、新配列は中速域まで連れてってくれる。
もともと中速域でも、かなり楽な中速域になるだろう。
もともと中速域の人が高速域になることは、
ほとんどないと思ったほうが良い。
競技領域、つまり高速域、超高速域で戦える新配列は、
まだ誰も作っていない。
ローマ字配列で左右混合、母音は左右均等程度、
アルペジオ中心、と予測されてはいる。
暇な人がつくればいいと思ってるが、
競技レベルの人がやらないとPDCAサイクルが回せないので、
誰もそんな暇じゃないのだろう。
仮にそれが存在したとしても、
指能力が高い人しか使えないピーキーな設計であることは予想できて、
中速域以下で役に立つ配列ではない可能性が高い。
「新配列で速くなる!」
という言葉の裏には、
これくらいの問題がうごめいているので、
簡単には「速くなるよ!」とは言いにくいよね。
でもあえてバカのふりをして、
「新配列は速くなるよ!」
と言うのも戦略よね。
人口が増えないと、「動線の整理はいいことだ」
という良さは広まらないからね。
2025年12月15日
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