2026年01月19日

【薙刀式】あー、カナを構造化して理解できないという問題か

ラクダエンさん:
> 一つトリックがあって、それは「タイピングを覚える前に学校でローマ字を習っている」ということなんだよね。だからかな入力の規則を覚えるのが大変に感じる

どういうことや、と考えると、
「ローマ字で子音×母音に分解することで、
カナを要素分解した気になってる」ってことだな?


カナは50個ある。
(正確には違うけど簡単のため50としよう)
このままだと整理できない。

いろは歌のような、
「全部のカナを1回ずつ使う歌」で整理する方法はあるが、
それは整理したのとはちょっと違う。
1次元に紐としてつなげて、こぼれないようにしただけだろう。

子音×母音でマトリクス化すると、
50が2次元に展開されて、
要素分解されたような気になる。
「私はカナを理解した」気になる。
一見ランダムなものに法則を見出すからだ。


qwertyローマ字は、
このドヤ感を生かす方式だ。
50を5×14のマトリックスに整理したぞ、
しかもこの子音×母音は英語とも共通点がある、
と勘違いするわけだ。

実際には、
英語の母音は20、子音は24あると言われる。(異論あり)
5×14=70、20×24=480の違いがある。
7倍の空間差がある。

たかが日本語の子音×母音で英語を理解するなんて、
ちゃんちゃらおかしいわけだ。

実際には英語は母音の後にも子音が来るので、
一音節は24×20×24=11520ありえる。
英語の音空間の70/11520=1/165しか、日本語は使っていない。

カナをローマ字で理解したとしても、
英語の発音はほとんど理解できない。
英語の発音をちゃんと考えた人ほど、
カタカナで英語の発音を書けるわけないじゃん、
って思うよ。
appleは決してアップルではない。
無理矢理書けばエアポーだけど、
5母音にない母音だし、14子音にないpl子音だ。


話を元に戻すと、
私たちはカナを子音母音に分解した時に、
「カナを把握した」って思いたいのだと思う。

それは「左に子音、右に母音を置いて、
左右分離するのが合理的だ」と説明したら、
無前提に「なるほど」って思ってしまう理由だと思う。

ほんとにそれは合理的な整理なのか?
って検証はできていない。
誰も「そうなの?」って反駁していない。
たしかにqwertyローマ字よりは、
左右母子分離型は楽になる。
だけど真の楽、真の速さかは、
まだわかっていない。

ローマ字を追求すればするほど、
左右非分離系を研究しなければ、
左右分離が良いという根拠はない、ある、
はいえない。

「ただ分かったように整理しただけ」が、
左右分離型だと僕は考えている。
(そして現在、とかげ配列、ククリ配列など、
少しずつ非分離型の研究が進み始めている)


これにくらべて、
カナ配列は、
メジャーカナグループとマイナーカナグループに分かれる、
って言われても、
普通の人は何がどっちに所属するのかわからないんだよね。

問題: 次のカナを、メジャーとマイナーに分けなさい

 あ い う え き つ ぬ よ わ ん

に答えられるのは設計者だけだろうね。

しかもカナ配列は、
2連接や3連接を重視する。
メジャーな2連接は何か、に答えられる普通の人はいないだろう。
答えられるのは、kouyさんの資料を、
穴があくまで見た人だけだ。


こうした理由から、
普通の人は、
カナを分類しようとするときに、
50音順や子音×母音で整理しようとするのではないか?

1gramや2gramや、濁音や拗音などで分類せずに。

そしてその「分かった感じ」を与えるのが、
ローマ字というシステムなんじゃないかな。


この理解は、
キーボード入力にどれだけ寄与してるかな?
実はほとんど寄与してない(左右分離に「なるほど」というだけ)
のではないか?


50音は多い。
だから構造化して理解したい。

1gram、2gramや清音濁音拗音での構造化はよくわからないので、
学校で習ったローマ字で理解する。
そしてそれはそもそも外国人との対話に用意されたものだ。
だからqwerty英語と繋がってる気がしている。
実際のところ、日本人の発音はほとんど外人に聞き取れてないのに。

……という状況をわからないかぎり、
qwertyは英語とローマ字を共通して打てると、
勘違いするんじゃないかな。
「俺はカナを子音と母音に分解できる事を知ってるぞ」
という「理解してるぞ感」がその正体だ。



ATC 2025の解説の時、
大西さんはローマ字配列は構造を読み解けるんだけど、
カナ配列がどういう構造をしてるのかは読み解けないんだよね。
まあ、だから僕が呼ばれてるんだけど、
配列図からカナ配列の構造を読み取るのは、
ローマ字のそれよりもかなり難しいと思う。

「ふむ、『い』『う』『ん』がここで、
『ょう』『てい』がここですね」
ってまず見ないものね。
(ちなみに「い」「う」「ん」が1gramのトップ3、
「ょう」「てい」が2gramのトップ2です)

「日本語は膠着語であり、
たとえば助詞がそのつなぎ役をするのだ」
までは知ってたとしても、
助詞がいくつあるか知ってる人は少ないだろう。
wikiによれば80だ。
ものの本によれば約500だってさ。
そんな構造を分かってる人は、
ほぼいないだろうね。

そうした「カナの構造」はむずかしすぎる。
だから、
子音と母音に分解して、
分かった気になるのが一番簡単なんだよな。


(僕はこの先の、漢字の構造を知りたいのだが、
いまいちよくわからん)



というわけで、
浅い理解で、
qwertyは一つの配列で日英共用できると、
勘違いされ続けているのではないか。

浅い理解で英語と日本語を書く人にはそれでもいい。
でもひとたび英語や日本語に本気で向き合おうと思ったら、
qwertyは邪魔ばかりしてくるのだ。

そしてその邪魔の原因は、
それを作った人と使ってる人の、
浅い理解なのだと知って、愕然とすることがよくある。
posted by おおおかとしひこ at 13:34| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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