キースイッチの押下圧から入り、
キーキャッププロファイル、親指キー、
格子配列、コラムスタッガード、
その他左右分離配列、一体型のハの字、
テント、チルト、逆チルト、
いくつかの3Dプロファイル……
などの、
様々な変数を経てきた結果。
たぶん、とてもシンプルなものに収束していると思う。
あらゆるエルゴノミクスは、
「機械が人間の形にあわせること」
で定義されると思う。
でも僕はこれに否定的だ。
なぜなら、
人は固定していないからだ。
複雑な筋肉や神経を毎回同じように使わずに、
疲労や姿勢を変え続けて、
毎時、毎分バランスが変わっているからだ。
椅子に同じ姿勢でずっと座る人はいるまい。
足を組んだり、浅く座ったり深く座ったり、
座り直したり、重心を変えたり、
同じ姿勢は15分もないと思う。
常に人は動いているとすらいえる。
だから、
道具の理想の形は、
「我々が異なる姿勢や重心であっても、
どんな状態であっても、
こちらが合わせやすいもの」
だと考えている。
だから格子配列一択。
指の長さや丸まり方、根元の位置や指先の位置は異なるが、
幾何学形状なら、「こちらが合わせやすい」と考える。
一見複雑で人間の形状に合っている形のエルゴノミクスは、
「その姿勢での使用」しか使えない。
異なる姿勢で、合わせに行きにくい。
だからテント、チルトなしの水平置きが、
幾何学的で合わせやすいと考える。
また、左右分割は必須だ。
適宜動かせるからだ。
我々の「自然な肩幅に腕を開く」は、
コンディションによって、
その日の疲労によって変わってくる。
ある一つの体勢に矯正するのではなく、
こちらの変化に応じて変化させられる、
極論15分に1回角度や場所を変えられる、
左右分割がベストだ。
パームレストはいらない。
変数が増える。
こちらの肉体が変数なのだから、
低めで取れる水平左右分割格子という、
幾何学が合わせやすい。
オールコンベックスキーキャップは、
とても低い。
手持ちのDSAより低い。
それは、山の頂点を打つよりも、
5合目あたりを打つ事が多いから。
だからMXだけど、パームレストはいらない。
もっと低いロープロだったらどうなるかは知りたいが、
ある高さより低ければそんなに変わらないかもしれない。
キーキャップは、水平面に揃ってるのがよい。
これも、幾何学形状だとこちらが合わせやすい、
ということだ。
(ドーム型でも合わせられるかもしれない。
ドームキーキャップだとトルクがかかったけど、
eswaiさんの球型ならスイッチに対して押し込みが垂直になるので、
これが正解かもしれない)
キーキャップの表面は凹型ではなく、
凸型であるべきだ。
表面を指の腹で撫で打ちできること、
360度どの方向から来ても、
次の撫で角度へ対応できること、
必ずしも真ん中の頂点に触れる必要はなく、
3〜7合目のエリアに触れることで、
狭ピッチになること、
などがあげられる。
これによって、点の打鍵ではなく、
線の打鍵が可能になる。
もちろん、線の打鍵を要求する、
薙刀式と不可分かもしれない。
そして、
この撫で打ちを可能にするために、
キースイッチは軽い方が良い。
30gバネくらいが今のところ良い。
とても滑るHPE素材のTecsee製が良い。
そして、案外ステムは直進性が低くて、
多少ぐらつくぐらいがよい。
なぜなら、撫で打ちは鉛直方向よりも、
平面方向の力が大きくかかるからだ。
滑りのいいスイッチが必須なのもそういうことだ。
POMクリーミー系、ルブ系の、
「バターナイフで切ったような」感覚は、
摩擦が大きすぎる。
よく使う親指は、12gぐらいが今のところ調子がいい。
親指は、斜めに押せるキーがよい。
4指とは違う角度に付いているからだ。
3Dで面ごと傾いていたいが、
PCBに縛られるなら、
斜めに押せるキーキャップがよい。
今のところ、ティアドロップ型を撫で打ちするのが、
僕は最強だと思っている。
これはいろんな角度から親指を滑らせることができる。
上から下、手前から奥、球面に沿った撫でなど。
親指の当たり方は運指によって変わる。
だから適宜対応できるキーキャップがよい。
すべては、
「幾何学的な形状ならば、
僕らの不定形の体が、
適宜調整しながら撫で打ちできる」
ことを前提としている。
2000円のメンブレンキーボード、
4000円のパンタグラフキーボードから始まった、
僕のキーボードへの不満は、
ようやく10年かけて、
ひと段落ついたといえる。
ちまたのエルゴノミクスは全部嘘だ。
全部試した。
コラムスタッガード、凹んだプロファイルのキーキャップ、
ハの字の一体型、テント、順逆チルト、鬼テント。
膝上。おわん型。サドルプロファイル。
これらはすべて「一つの形」に我々を押し込める。
1つだけ足りないものは、
「我々は常に変化していて、
その体勢その体勢で合わせに行っている」
という観察だ。
まったく同じ姿勢で何分持つかチャレンジをすればわかる。
15分くらいでしょ。
体幹が強い人はもう少し持つかもしれないけど、
身体に悪いでしょ。
そもそも人間は座る身体に最適化されてないので、
同じ姿勢であることがおかしい。
キーボードはどのような形であるべきか?
HHKBがいいよとネットで見て、
買ったはいいがずっと「?」だった10年であった。
たくさんのキーボードを触った。
たくさんの試行をした。
どんな複雑な形にも答えはなかった。
「このエルゴノミクスはあなたの手に合わせていないからだ」
は屁理屈だ。
俺の手は、測定状態よりも千変万化して、
ものを触っているからだ。
仮に俺の手に合わせたものをつくっても、
15分後に合わなくなるだろう。
靴が合わせられるのは、
足は手程複雑に動かないからだと思う。
もしピアノが、
指の形に合わせてグロテスクになってたら、
ちゃんと弾けるかな?
あれは等間隔で並んでる事に価値があるんじゃないの?
ギターは残念ながら高音になるにつれて、
指の感覚が狭くなっていく。
だから万人には難しいだろう。
ギタリストは才能だ。
キーボードは楽器よりはるかに簡単になるべきだ。
俺が合わせられる程度の、
幾何学的な形ならば、
どんな体勢からでも合わせられる。
俺は自由に発想したい。
まったく同じ姿勢から、自由な発想が生まれるとは思えない。
それは姿勢の牢獄、拘束着であり、
思考の牢獄になってしまう。
また考え方は変わるかもしれないが、
今のところのベストはこれだ。
次のキーボードイベントまでに、
また別のギアになるかもしれないが、
その時は別の不満を抱えた時だろう。
2026年02月15日
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