2026年02月15日

【薙刀式】物理キーボードの現在の結論

キースイッチの押下圧から入り、
キーキャッププロファイル、親指キー、
格子配列、コラムスタッガード、
その他左右分離配列、一体型のハの字、
テント、チルト、逆チルト、
いくつかの3Dプロファイル……
などの、
様々な変数を経てきた結果。

たぶん、とてもシンプルなものに収束していると思う。




あらゆるエルゴノミクスは、
「機械が人間の形にあわせること」
で定義されると思う。

でも僕はこれに否定的だ。
なぜなら、
人は固定していないからだ。

複雑な筋肉や神経を毎回同じように使わずに、
疲労や姿勢を変え続けて、
毎時、毎分バランスが変わっているからだ。

椅子に同じ姿勢でずっと座る人はいるまい。
足を組んだり、浅く座ったり深く座ったり、
座り直したり、重心を変えたり、
同じ姿勢は15分もないと思う。
常に人は動いているとすらいえる。

だから、
道具の理想の形は、
「我々が異なる姿勢や重心であっても、
どんな状態であっても、
こちらが合わせやすいもの」
だと考えている。

だから格子配列一択。

指の長さや丸まり方、根元の位置や指先の位置は異なるが、
幾何学形状なら、「こちらが合わせやすい」と考える。

一見複雑で人間の形状に合っている形のエルゴノミクスは、
「その姿勢での使用」しか使えない。
異なる姿勢で、合わせに行きにくい。

だからテント、チルトなしの水平置きが、
幾何学的で合わせやすいと考える。

また、左右分割は必須だ。
適宜動かせるからだ。
我々の「自然な肩幅に腕を開く」は、
コンディションによって、
その日の疲労によって変わってくる。

ある一つの体勢に矯正するのではなく、
こちらの変化に応じて変化させられる、
極論15分に1回角度や場所を変えられる、
左右分割がベストだ。

パームレストはいらない。
変数が増える。
こちらの肉体が変数なのだから、
低めで取れる水平左右分割格子という、
幾何学が合わせやすい。

オールコンベックスキーキャップは、
とても低い。
手持ちのDSAより低い。
それは、山の頂点を打つよりも、
5合目あたりを打つ事が多いから。
だからMXだけど、パームレストはいらない。

もっと低いロープロだったらどうなるかは知りたいが、
ある高さより低ければそんなに変わらないかもしれない。


キーキャップは、水平面に揃ってるのがよい。
これも、幾何学形状だとこちらが合わせやすい、
ということだ。
(ドーム型でも合わせられるかもしれない。
ドームキーキャップだとトルクがかかったけど、
eswaiさんの球型ならスイッチに対して押し込みが垂直になるので、
これが正解かもしれない)

キーキャップの表面は凹型ではなく、
凸型であるべきだ。
表面を指の腹で撫で打ちできること、
360度どの方向から来ても、
次の撫で角度へ対応できること、
必ずしも真ん中の頂点に触れる必要はなく、
3〜7合目のエリアに触れることで、
狭ピッチになること、
などがあげられる。

これによって、点の打鍵ではなく、
線の打鍵が可能になる。

もちろん、線の打鍵を要求する、
薙刀式と不可分かもしれない。


そして、
この撫で打ちを可能にするために、
キースイッチは軽い方が良い。
30gバネくらいが今のところ良い。

とても滑るHPE素材のTecsee製が良い。
そして、案外ステムは直進性が低くて、
多少ぐらつくぐらいがよい。
なぜなら、撫で打ちは鉛直方向よりも、
平面方向の力が大きくかかるからだ。
滑りのいいスイッチが必須なのもそういうことだ。
POMクリーミー系、ルブ系の、
「バターナイフで切ったような」感覚は、
摩擦が大きすぎる。

よく使う親指は、12gぐらいが今のところ調子がいい。


親指は、斜めに押せるキーがよい。
4指とは違う角度に付いているからだ。

3Dで面ごと傾いていたいが、
PCBに縛られるなら、
斜めに押せるキーキャップがよい。
今のところ、ティアドロップ型を撫で打ちするのが、
僕は最強だと思っている。

これはいろんな角度から親指を滑らせることができる。
上から下、手前から奥、球面に沿った撫でなど。
親指の当たり方は運指によって変わる。
だから適宜対応できるキーキャップがよい。


すべては、
「幾何学的な形状ならば、
僕らの不定形の体が、
適宜調整しながら撫で打ちできる」
ことを前提としている。

2000円のメンブレンキーボード、
4000円のパンタグラフキーボードから始まった、
僕のキーボードへの不満は、
ようやく10年かけて、
ひと段落ついたといえる。


ちまたのエルゴノミクスは全部嘘だ。
全部試した。
コラムスタッガード、凹んだプロファイルのキーキャップ、
ハの字の一体型、テント、順逆チルト、鬼テント。
膝上。おわん型。サドルプロファイル。

これらはすべて「一つの形」に我々を押し込める。
1つだけ足りないものは、
「我々は常に変化していて、
その体勢その体勢で合わせに行っている」
という観察だ。

まったく同じ姿勢で何分持つかチャレンジをすればわかる。
15分くらいでしょ。
体幹が強い人はもう少し持つかもしれないけど、
身体に悪いでしょ。
そもそも人間は座る身体に最適化されてないので、
同じ姿勢であることがおかしい。


キーボードはどのような形であるべきか?

HHKBがいいよとネットで見て、
買ったはいいがずっと「?」だった10年であった。
たくさんのキーボードを触った。
たくさんの試行をした。
どんな複雑な形にも答えはなかった。

「このエルゴノミクスはあなたの手に合わせていないからだ」
は屁理屈だ。
俺の手は、測定状態よりも千変万化して、
ものを触っているからだ。
仮に俺の手に合わせたものをつくっても、
15分後に合わなくなるだろう。

靴が合わせられるのは、
足は手程複雑に動かないからだと思う。


もしピアノが、
指の形に合わせてグロテスクになってたら、
ちゃんと弾けるかな?
あれは等間隔で並んでる事に価値があるんじゃないの?

ギターは残念ながら高音になるにつれて、
指の感覚が狭くなっていく。
だから万人には難しいだろう。
ギタリストは才能だ。

キーボードは楽器よりはるかに簡単になるべきだ。

俺が合わせられる程度の、
幾何学的な形ならば、
どんな体勢からでも合わせられる。


俺は自由に発想したい。
まったく同じ姿勢から、自由な発想が生まれるとは思えない。
それは姿勢の牢獄、拘束着であり、
思考の牢獄になってしまう。


また考え方は変わるかもしれないが、
今のところのベストはこれだ。

次のキーボードイベントまでに、
また別のギアになるかもしれないが、
その時は別の不満を抱えた時だろう。
posted by おおおかとしひこ at 18:31| Comment(0) | TrackBack(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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