2014年12月07日

桃太郎批評:三つの要素を検証してみる

ペプシ桃太郎は、ストーリーの振りをした、
ストーリーでないものだ。

それを、先の理論で検証してみよう。
バラバラに分解してみる。


Episode0

鬼が襲ってきた(焦点A)
→桃太郎は、鬼退治にでかけた(ターニングポイント)
→仲間を集める(焦点B)
→鬼ヶ島についた(ターニングポイント)
→?

焦点Cがない。本来ならクライマックスで、テーマを示す部分だ。
落ちである。
この話には落ちがない。

自分より強いやつを倒せ、とメッセージされるが、
自分より強いやつをレッツ倒そう、という話に全体的になっていないし、
(戦闘シーンがないからだと思う。強い弱いがポーズにすぎない)
せいぜい「敵を倒そう」なら分かるのだが。
あのコピーの唐突感、違和感を最初に見たときに必ず思った筈だ。
(もし思わないのだとしたら、あなたの感度は低すぎる)

「誰もが知っている話の前日譚」という意味での、
Episode0という企画性なら、ペプシ0に落ちている。

しかし、自分より強いやつを倒せとか、forever challengeとか、
余計なメッセージが張りつくことで、
「この話がここに存在する意味」
(それはCMである以上、我々がペプシ0を好んだり買う意味)
が分からなくなってしまっている。
商品に落ちてない点で、CMとしては出来が悪いし、
ストーリーとしては、二つしか要素がない、
素人の作った話だ。

正しいストーリー型CMは、ちゃんとストーリーになっていて、
そのテーマが商品のテーマと一致しているものだ。
(ストーリー型CMは、商品のテーマのストーリー方向へのブレイクダウンである。
一々こんなことを言わなければならないほど、
今ストーリーものの力が落ちている)


また、episode0というからには、
従来のストーリーに当たるものは、カロリーである、
という主張であると考えられる。
ここからは皆さんご存知でしょ、と、
ストーリーなんて余計なものですよ、
という旧来のストーリー否定、という、
新しいパターンに僕には見えた。

ペプシ0が新しいものだとしたら、そこしかないと思ったのだ。
だから、「誰もが知っている話の前日譚」のコンセプトのもと、
別の物語、例えば不思議の国のアリスの前日譚や、
或いは、敵方、例えば銭型側から見た前日譚(通例を覆せ)のような、
新しいパターンになることを期待した。

しかし以後に見られるように、そうではなかった。

フツーにストーリーを描き、しかも中途半端という、
とても残念なものしか作っていない。
彼らは大金をどぶに捨て続けている。

ストーリーというのは、このブログで書き続けているように、
そこまで難しくないものだ。
だって人の話は、簡単だからだ。
三つの要素だって、間のターニングポイントを含めても、
5行で書けるものにすぎない。
しかし、面白い話が難しいのである。
(そして、面白い話でも、同じく5行で書ける)


Episode1

桃太郎は武蔵に出会う。(焦点A)
→武蔵は剣を教えることに。(ターニングポイント)
→修行。(焦点B)
→修行終了。(ターニングポイント)
→武蔵は剣をあげた。(焦点C)

さて、これは一応三つの焦点を持った構造のようだ。
しかし、一直線すぎて、何も面白くない。
何故か。
さんはい。目的がないからやー!

武蔵は何故剣を教えるのか。
桃太郎は何故修行したいのか。(=鬼を倒したいのか)

目的のない物語は、物語ではない。出来事の記録にすぎない。

素人の書く話は、三つ目でガクンと詰まらなくなる、
という僕の予言をここで思い出す。
ただ三つを繋げても、面白いストーリーにはならない。


Episode2

犬は狼に育てられた(焦点A)
→鬼に全滅させられた(ターニングポイント)
→犬は復讐を誓った(焦点B)
→桃太郎に加わる(ターニングポイント)
→?

やはり二つの焦点を組み合わせただけで終わっている。
落ちがない。

エピソード0も2も、落ちがない。
落ちに当たるところに、メッセージが入っている。
何故か、という理由のないまま。
理由のないアジテーションは、共感を呼ばない。
感情移入がないからだ。

つまりペプシのアジテーションは、空回っている。



素人は二つまでしか繋げない。
三つを繋げても、三つ目からガクンと詰まらなくなる。
その原因は、目的がないからや。
更にいうと、その先の段階、感情移入がないから。
posted by おおおかとしひこ at 19:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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