2016年01月10日

お話を最後まで書く方法2

目的と結末を決める。
真ん中のプロセスを書く。
一段階で結末にたどり着かないなら、
ブロックわけする。
そうすると1ブロックがまた、目的と結末を持つ構造に。
こうやって、自分の書ける大きさまで分割していくとよい。

さて、中間部のプロセスや、
その分割について詳しく述べてみよう。


たとえば、「世界征服」という無茶な目的を考えよう。
この目的を果たすには何ステップのプロセスを描くのがいいだろう?

よくわからないがアットランダムに考えるなら、
武力の充実、石油ルートの確保、金の確保、
既にある強力な連合との付き合い、
アメリカとの付き合い、
組織の拡充、金融との付き合い、
マスメディア統制、インフラを押さえる、
などがいるのかなあ。

仮に1000ステップ必要だとしよう。
具体的な順番も分からないけど。

あなたは1000ステップを描く実力はないだろう。

ところが、999ステップ目をスタート地点にして、
あと一歩で世界征服が完成というところからはじめて、
1ステップで目標達成、
というストーリーなら書けるかも知れないよ?

「閣下。あとこの判子をつけば、世界征服の完成でございます」
というところから始めれば、
その判子をジャッキー・チェン映画のようにカンフーで奪い合う、
というストーリーすら書くことが出来るぜ?
何せ「判子をつく」という1ステップを面白おかしく書けばいいんだから。


ステップを増やせば増やすほど、
挫折率は高くなるものである。
何故なら複雑になるからだ。

目的と結末を作ったとしても、
初期状態を変えることで、
ステップ数を変えることが可能なのだ。

東大首席卒とダメニートでは、
世界征服へのステップ数がだいぶ違う、みたいなことでもいい。


物語の原則は、主人公はあなたではないこと。
だから、初期状態を勝手につくっていいのである。
目的と結末を決めたら、
ステップ数の調整のために、
初期状態をつくって構わないのだ。

本来の意味での設定とは、こういうことなのだ。

設定厨は良く覚えておくことだ。
設定とは、好きな世界を作ってニヤニヤするための箱庭療法ではなく、
中間部のコントロールをするための、
序盤の道具なのである。

設定によって、ステップ数をコントロールしたり、
あるいは舞台設定や人物設定によって、
プロセスを省略したりするために、
設定はある。

誤解を恐れず言えば、設定は伏線なり。
それが使われることで、話を完結させるのだ。

お話における設定は、
オープンワールドを作って放置するRPGとは違う。
設定厨はオープンワールドみたいな箱庭を作っているだけで、
1000のプロセスを999から始められるような、
うまい設定なんて何も考えていない。


さて、人物に関する設定も実は同じだ。
ステップ数を省略するために設定したり、
逆にステップを増やす為に設定したりする。

前記事の電車に間に合うかどうかという小さな話なら、
空を飛べる設定にしてしまえば、一発で3ステップを飛ばせるし、
運動神経が悪い設定ならば、踏切に引っ掛かって転び、
ステップ数が増えていくだろう。

キャラ設定は、ニヤニヤして妄想を膨らませる為にあるのではない。
ステップをコントロールするためにあるのだ。


合目的で設定して、
魅力ある人物や世界が作れるのか?
目的に合うような、かつ、魅力ある人物や世界を作ることが、
あなたのやるべきことなのである。

たとえばドラマ風魔では、小次郎は、
ただのお調子者バカではなく、賢い面も持っている。
これは、話を進めるのにステップを減らせることと、
単なるバカじゃない人間的魅力であることを両立した、
極めて優秀な設定なのである。
(ここに気づけるのは、余程の経験者だろうね)


目的と結末を決めたら、
間は好きなようにやっていい。
ブロックを分けて、一発書き出来る小ブロックにしよう。
その結末さえ決めておけば、
あとは面白おかしく書くだけだ。
面白おかしく書くのは才能だから、
好きなようにすればいい。

うまくいかないときは、
全体のステップ数を減らせるように、
設定しなおしてリセットするのもいいよ。

つまり、うまい人とは、大変なステップを書く人じゃなくて、
自分に合わせたステップになるように、設定出来る人のことなのだ。


どうやれば最後まで書けるのか?

出発点と終着点が見えていて、
経路も全部見えていること。
その経路は設定でいかようにもなること。
逆に、書けるような経路になるように、
設定と出発点で調整すること。

地図(プロット)も書かずに書き始める?
それは愚の骨頂。
地図は、最後まで書けるか見積もる為につくる。
それが難しそうなら地図ごと変形する能力が、
実は、あなたの最後まで書く能力なのである。

初心者は最後まで書いた経験が、圧倒的に不足している。
だから、これなら出来る(少なくとも、一日で書ける)
という短いステップの経験を積むこと。
そうすれば、出来る範囲を見積り、
地図をやりやすく変えてしまうことが出来るだろう。

(もちろんのことだが、出来る範囲を増やしていかないと、
同じことやってるぜとなめられるけどな)
posted by おおおかとしひこ at 01:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック