2019年04月07日

完璧な仕事ぶり(「ダンボ」評)

サーカス、フリークス、悪夢のドリームランド。
ティムバートンの為のティムバートン映画だった。

ディズニーから猟奇的とされクビにされたティムバートンが、
時を経て、ディズニーの夢と上手に作風を融合させる。
時を経た職人芸を見れてよかった。

ハッピーエンドはやっぱり気持ちいい。
以下ネタバレ。


クライマックス、鍵を家事の中に投げ入れる時、
不意に泣いてしまった。
ついでにラストのサーカスで、
娘の夢が叶うシーンがまさかの映画とは。
ここで号泣。
とてもうまい決着のつけ方だった。


プロデューサーや投資家が悪役になるあたり、
苦労したんだろうなあ。
その人生の積み重ねが、
上手にフィルターでこされて、
うまいこと戯画化することに成功している。

特筆すべきは天空の女王のエロさだ。
ラストのキスマークに至るまで、
一部の隙もない、
ドキドキするフランス娘が仕上がっていた。
子供の見るものかもしれないが、
こうした子供が見てもドキドキする、
大人のエロさは最高です。

ティムバートンが子供の見た頃にドキドキしたものが、
全部入りの映画だったように思う。
子供向けだからといって遠慮することはない。
全部入りを、次の世代に渡せば役割は果たす。

ビッグフィッシュが、
子供の夢想を大人にしてしまった映画だとすれば、
チャリチョコ以来は仕事としてやっていた映画、
そしてこのダンボは、
子供の夢想をちゃんと大人の技で描く、
というところに戻ってきたようだ。



脚本的に気になるところ。

なぜ2回目の本番が行われたのか?
クビにされたはずでは?

「ショーのクライマックスで、母親を助ける」
というクライマックスへの準備のピースがカットされてね?


俺たちはクビになったが、
最後のチャンスでもう一回本番をやらせてくれ、
今度こそ成功させてみせる、
ほらこの通り、なんなら俺の馬のショーも足すぞ、
なんて場面があったことが想像される。
あるいはマスコミを焚きつけて、
今度こそ成功させるキャンペーンを張ったとか。

投資家とプロデューサーがのうのうと客席で見てるのが、
ん?なんかカットされたな、
って感じになっていた。

そこが第二ターニングポイントになるはずなのに
(ボトムポイント、母親の処分決定とショーの失敗、
からのリバーサルが必要なはず)、
母親救出に焦点が当たったままで、
クビの一件が宙に浮いてしまっていた。


惜しい。
完全版を求む。
ラストの滝で飛ぶ、CGスタジオ用のシーンとかいらないから。
posted by おおおかとしひこ at 23:22| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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