物語のメイン設定部は、
映画だと序盤の30分が勝負だ。
しかも30分まるまる設定をしている物語は、
とても退屈だから、
ほとんどはストーリーの導入を進めながら設定をすることになる。
ということは、そんなに多くの設定を、
物語中には盛り込めない、と、原理的に理解できる。
実際のところ、何分設定に費やし、
ストーリー部分が何分あればバランスがいいかは、
数字的には分かっていない。
極論すれば、30分設定しかせずに、
ひとつもストーリーが始まらないなら、
それは詰まらない話だということは分かるだろう、
という程度だ。
さらに極論すると、スターウォーズは、
冒頭に設定を羅列することで、
すぐに本編を始まらせる手法を取った。
わりと昔の映画にはこういうものがあった。
戦争ものの政治的背景など、
「一発で説明する絵を撮ることが困難なもの」
については、ナレーションやタイトルでごまかしたものだ。
当然のことながら、
これらの目的は、
「本編に集中させる」ためのものであることに注意されたい。
設定するために設定があるわけではなく、
本編を楽しむために設定はある。
本編で使わない設定など、設定としては二流だとすら僕は考えている。
(だから設定の山であるファイブスターストーリーは、
ストーリーとしては二流だ。
まあそもそもはエルガイムの裏設定集からスタートした出自があるのだが)
で、本題だが、
ということは、
物理的に、本編に持ち込める設定なんて、
ごくわずかだということだ。
具体的には、全部集めてせいぜい数分ぶん、
原稿用紙数枚分くらいしか、
設定をすることが出来ない、
と考えたほうがいいだろう。
もしあなたの考えた設定が膨大で、
それ自体が面白かったとしても、
それはあくまで背景に過ぎず、
本編を邪魔するだけの存在になってしまうことに注意されたい。
バックストーリーを凝りすぎて、
本編よりも魅力的になってしまうことは、
初心者にはよくあることだ。
(スターウォーズで言えば、
バックストーリーであるはずの、
ダースベイダー誕生だけで123を作ってしまったのだからね。
まあ123が面白くなかったので、
ストーリーテラーとしてのルーカスの実力は、
信用なくなったわけだ)
それは、設定が多すぎるからだ、
と自戒したほうがいい。
スターウォーズは設定集としては金を稼げるかもしれないが、
物語としては三流の出来だ。
(設定集だけで稼ぐ商売なら沢山ある。
宗教はその最古のひとつである)
商売としての設定集を作ることは止めないが、
それは物語そのものを面白くすることに、
何の貢献もしていないことは、
自覚しておいたほうがよい。
なんせ、
設定を持ち込めるのは、
原稿用紙数枚分なのだ。
ちなみに、長い小説ならば、
それらの分量が多くなるだろうか?
僕は違うと考えている。
映画の二時間の尺を、小説の尺に拡大した分の分量しか必要ではないと考えている。
枚数ではたしかに設定の量は増えるが、
それ以上に本編の量が増えていることに注意されたい。
つまり、僕の考えでは、
「あるストーリーを話すのに、
必要な設定の分量は、本編のパーセンテージで示される」
ということだ。
膨大な設定を出すこと自体、
ストーリーを書く気がないのだ、
とすら言えると思われる。
指輪物語はトールキンの学術レベルの設定で有名だが、
映画を見る限り、
そのストーリーにはたいした魅力がなかった。
何が面白くてこの物語を見ればよいのか、
まったくわからない。
主人公に魅力はないし、キャラ設定の出落ちばかりで、
特撮の出来を楽しむ動く看板に過ぎなかった。
(小説のストーリーがもしとても面白いのなら、
教えてください)
あなたのストーリーはどうか?
学術的に価値ある設定の披露の場であるならば、
面白いストーリーにはならないだろう。
なぜなら、
設定に尺ばかり取られて、
本編の分量が短いからだ。
(「we are little zombies」は、四人の設定だけで何分かかっていたというのだ。
そしてそのあとのストーリーは、面白かったか?
バンドデビュー→解散→ロードムービーの、
15分で終わる程度のストーリーしかなかったぞ)
本編がノー設定でいけるなら、
純度が100のストーリーが書けるかもしれない。
それくらい、設定なんて意味がない。
一々設定を語られるのは、
観客にとって苦痛だと、観客にもどって考えれば分かることだろう。
「あるお話を語るのに、
必要な設定の分量は決まっている。
それは全体の長さの10%だ」
と仮説の形として提出しておく。
つまり、あなたが妄想して作り上げた、
ほとんどの設定は、
本編に使われることなく、闇に葬られる。
やべえ、設定が足りない、
くらいがちょうどいい。
書き足していく程度のほうが、
ストーリーが走り出している。
(もちろんライブ感だけでやると、破綻や矛盾がすぐ起こる。
プロットを組み、リライトを何回もやることで、
それは防げるだろう)
多すぎる設定は物語を縛る。
炎上を避けるための詰まらない物語のように。
2019年07月07日
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