一幕だけ考えて走り始める例は、
連載漫画に典型的なパターンだと思う。
いまだに、
「電車に飛び込んだ男がいるが、
死体が見つからない」事件の時に、
「GANTZかよ」ってツッコミがよくある。
GANTZは、
「電車に飛び込んだら、
死んだのかどうかわからないまま、
謎の黒い球体の部屋に転送されて、
意味不明のバトルをやらされる」
という設定部が大変面白い。
すなわち一幕である。
「一体これは何のための戦いなのか」
「俺たちはすでに死んだのか」
「100点取ったら元に戻れるのか」
などをヒキにしながら、
激しいバトルに巻き込まれて行く二幕は、
実のところバトル要素がほとんどで、
ストーリーそのものは進展していない。
(スプレッド)
つまりは、
一幕の強烈な印象に対して、
二幕が負けているということだ。
対比的に、
「進撃の巨人」では、
壁の世界と巨人たちと超大型巨人という、
一幕のぼんやりした設定に対して、
エレンの巨人化や、
壁に埋まった巨人の謎など、
次々に二幕に展開がある。
すなわち、一幕の設定がどんどん更新されて行く。
だから、「壁と巨人」だけが進撃ではない、
みたいになると思う。
一方GANTZはどこまで行っても「死んだと思ったら黒い球」
と第一印象だけが語られる羽目になる。
どっちがいいかは分からない。
いまだにGANTZと言われるということは、
それだけ強烈であったわけで、
新規顧客の流入を考えると、
イメージはひとつに集約していた方がいいかもしれない。
ただ満足度はどちらが上回るか、
まだ進撃の後半を読んでないため断ずることはできないが。
GANTZは案の定風呂敷をたためずに終わってしまった残念作品であるが、
進撃はどこまでやってくれるかだな。
100ワニみたいになったりしてね。
さらに第一印象だけの漫画に、
「千年女王」がある。
松本零士が毎日1ページ漫画を新聞に連載するという、
変わった仕掛けで始まった漫画だ。
いまだに強烈に覚えてるのだが、
主人公が自宅かどこかに帰ってきたら、
家が爆発する、
というオープニングだった。
強烈なヒキではある。
しかしその後納得いく説明があり、
満足した展開になった記憶がない。
つまり、二幕が一幕の強烈な印象を覆せなかった例だ。
ここまで極端でなくとも、
「描きながら考えてるだろ」
と思われる、
設定→展開は連載漫画によく見られる。
「あの伏線なかったことにしたな」とかも良くある。
連載はそのライブを楽しむことであるが、
シナリオはそれとは異なる。
完成したひとつの話であることが求められるわけだ。
僕がちょくちょく、風魔を完結させたいとこぼしているのも、
中途半端に終わった原作の二幕を、
きちんと機能する二幕にリライトしたいからだ。
(できるとは言ってないが、挑戦したい)
一幕のスパークは、
それだけで強烈なヒキになり得る。
しかし、
それ以上の二幕がない限り、
絵に描いた餅にすぎない。
2021年04月14日
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