2021年08月14日

あなたの人生の切り開き方と主人公は違う

作者と主人公を同一視せず、切り離すべきだ。
しかしつい「自分の人生の生き方」と、
混同させてしまう。


人との距離の取り方。
人に頼むとき。
親との付き合い方。
恋人の作り方。
仕事の仕方。
生活リズム。
習慣。
過去から来る判断。
色んなものが違う。
自分とひとつも同じにしないことだ。
「こういうことなのだから、こうする」がまったく違うようにしよう。

自分と違う生き物であるにも関わらず、
「人生の切り開き方」が自分と同じになってはいけない。
面接の受け方とかも違う。
志望動機も違う。
面接を受けないというやり方もある。
協力してくれる人の探し方も違う。
とりあえずやってみるやり方もあるし、
慎重に検討するやり方もある。
誰かに相談するやり方もあれば、
一人で研究するやり方もある。

作者自身の人生を切り開く方法とは、
違うやり方でやってみると、
行動力に違いが出るだろう。
目的や動機が同じでも、
人によって行動の種類が違う。
それを研究するとよい。

「あなたはこういう状況です、
こういうことをしたいです。どうしますか?」
という問いだ。

答えは人によって違う。
あなたがやるようなやり方で、
その主人公(や登場人物)がやるとは限らないし、
違う方法でやることを描くべきだ。
それが疑似体験の面白さというものだろう。

「自分にできない、〇〇をやるとしたら?」を想像し、
その顛末を描くのだ。

「自分ならつい〇〇を選択して、そんなに成功できないだろうが、
△△を選択して成功するような人を描きたい」
という欲望を持とう。

そうすれば、
△△を選択した場合について、
調べたり、シミュレーションしたり、
△△を選択しそうな友達や知り合いに尋ねることが出来るからだ。

「自分にはできないことを、代わりに叶えてくれる主人公」は、
あなたにとっても魅力的だし、
他人にとっても魅力的だということさ。

あなたがよくやるやり方をもって、
「どうだ俺のやり方がほんとうは正しいのだ、
すごいだろう、正しいと驚け、尊敬しろ」
というのはそんなによくない。
説得力がないからだ。
第一それであなたは成功していないのだろう?
頭の中でシミュレーションするという点では、
客観性がない分机上の空論になりがちだ。
(だからありもしないラッキーで勝利する、
御都合主義しか書けないのである)


「熊の倒し方」のイラストで、
「まずダッキングして熊のフックを躱して、
背後に回りバックチョーク」なんてものを見るが、
実際の熊の一撃を躱すことはそうとう難しいことを知ることだ。
犬の突撃すら躱すことは難しいことは、
犬を飼ったことのある人なら知ってることだろう。

自分の妄想なら客観性がないが、
自分と違う他人なら、客観性ができる。
「それは無理だ」と思えるし、
「いや、躱すとしたらどれくらいのスピードとタイミングが必要か?」を、
調べ始めることすら可能だ。

たとえば亀田がやっていた、
突き出す竹刀をローリングで躱すような動きだったらできるとか、
実際の踏み込み距離はボクシングより長いから、
熊の腕のリーチを調べて、
亀田より〇倍速ければできるとか、
実際に計算してみればいいことだ。

それほど客観性があれば、
「この時ならできる」と条件を絞ることが出来るだろう。
その条件をご都合ではなく整えてやれば、
物語の中では実現可能なわけである。
まあこれは極端な例だけど。


「自分にはできないが、
この人にはできるやり方がある」
ということにしていくと、
どんどん自分とは違うやり方で、
人生を切り開いていくだろう。

それには、色んな人の性格を知るとよい。

一人でやっていくタイプもあれば、
他人に頼るタイプの人もいる。
まず行動してみるタイプもあれば、
慎重なタイプの人もいる。
他人に感謝するタイプもいれば、
他人をつぶすタイプの人もいる。

「もし自分だったらこうする」をやめて、
「このキャラだったらこうする」を、
創作していこう。

そうすると、作者と主人公は分離していく。


あなたを主人公に投影してはいけない。
主人公は他人であり、
あなたと違う性格で行動力だ。

あなたが出演したいなら、
あなたはキャストになりなさい。
こんなものを読んでないで、
発声練習したり、台本を読んだり、
オーディションを受けたり、事務所にはいりなさい。

あなたはキャストたちを動かす指揮者である。
指揮者と同じ人格は登場人物にいない。
あなたは全部他人のオーケストラを、
楽団としてまとめあげる人格である。
posted by おおおかとしひこ at 02:32| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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