いくつかのパターンがある。
1. 行動の結果、局面が変わる
2. 何かが起こって、局面が変わる
3. 何かを知って、局面が変わる
大きくはこの三つではないかと考える。
ストーリーとは、
メインの事件の解決をする過程であり、
それを解決すれば話はおしまいだ。
だが一つを追いかけるわけではなく、
付随した別の問題も出てきて、
それらに関わり合いながら、
メインを解決しようとする過程だといえる。
ものごとは一筋縄ではいかないし、
たとえば金で買えば解決できるような、
簡単な問題はストーリーの題材にならない。
そもそも、「どうやって解決するんだ?」
と興味をそそられる問題こそが、
ストーリーの題材である。
それは、いくつかの部分問題に分けられたり、
別の問題解決によって解決へ進展したりするものだ。
こうした、
解決への進展は、いくつかの段階的進展であり、
その進展は三つのパターンにわけられる、
という話である。
1. 行動の結果、局面が変わる
主人公は、常に解決したい動機を持って行動する。
主人公のモチベーションが消えたり、
観客が主人公のモチベーションへの感情移入に飽きてしまうと、
ストーリーは面白くなくなる。
主人公への興味が持続している間に、
主人公の行動で局面が変わると、
ストーリーの進展に興味を持続させやすい。
(ずっと主人公が何もしないのは、
つまらないのだ。
必ずしも積極的である必要はないが、
主人公は解決を「せまられている」はずだ)
行動すれば、相手に影響を与え、
相手の感情や行動を引き起こせる。
そのリレーによって、
局面がどんどん変わっていくのが、
ストーリーの進行である。
行動は、殴るとかチェイスとかの派手なものから、
会話する、ほのめかす、見る、
などの小さなものまである。
相手を否定、拒否する行動から、
相手を肯定、味方にする行動まである。
それは絵的に派手な、動的なものから、
絵的に静的な、緊張を伴うものまである。
あらゆる動詞が候補になる。
あなたの知っている動詞はいくつある?
100?500?1000?もっと?
その結果、何が起こるだろう?
どう局面が変わり、
相手はどう思い、どうするだろう?
それが進展だ。
もちろん、
解決へ前進するだけでなく、
後退してしまうこともある。
それも進展である。
その失敗や後退を利用して、次の進展へ結びつければ、
それは必要な後退であるわけだ。
頭をぶつけて下がってみれば、横に入り口が見つかることもあるからね。
主人公の、目的を持った行動の結果、
次に進展するわけである。
また、主人公でなく、
他のキャラクターの行動によっても、
ストーリーが進展する。
それは、主人公の目的を助けてくれるアシストの場合もあれば、
妨害する敵の場合もあるだろう。
2. 何かが起こって、局面が変わる
雨が降った結果試合が中止になる、
など、キャラクターの行動とは因果関係のない、
何かが起こることもある。
戦争が起こる、マスコミがかけつける、
など、人間の行為ではあるが、
主人公たちと関係ないところの人の行動による場合もある。
人間の意思と関係ない何かだって、
何者かの意思である、
と解釈するのが、神という擬人化かもね。
だから、都合のいい時に都合のいいことが起こるのは、
神という作者の擬人化を感じるので、
よろしくないわけだ。
あくまでも意外なこと、
起こりそうなことが起こるとよい。
「俺たちに明日はない」では、
車に乗って銀行強盗をしようとしたが、
「駐車スペースが空いていない」というアクシデントが起こる。
これは都会ではよくある「何かが起こる」であり、
それがゆえに計画の変更を余儀なくされ、
ストーリーは次の局面へ行く。
3. 何かを知って、局面が変わる
ストーリーとは、
ある世界の構造を仮定して、
それに行動という操作を加えて、
徐々に世界を変形していく行為である。
それが現実世界であれば現実であり、
架空世界であれば物語というだけのことだ。
で、その世界の仮定が、
新しくもたらされた情報によって変更されれば、
世界の局面はかわる。
曲がり角の向こうに待ち伏せがいると知れば、
ルートを変更したり先制攻撃に局面が変わる。
男だと思ってた親友が実は女だったと知れば、
こちらの対応は変わるだろう。
いい人だったと思ってたのに殺人犯だったとなれば、
付き合いを考えざるを得ない。
とくに、ずっとAだと思っていたのに、
ガラリと違うBだったのだ、
となるものをどんでん返しといい、
人気のパターンである。
ストーリーそのものが裏返る瞬間は、
いつ見ても楽しいものだ。
(出来がいいやつに限るけど)
最初に提示する世界の仮定Aをミスリードという。
Aに注目させておき、少しずつ違和感を振り撒き、
実はBでしたと意識の外からどんでん返して、
なるほど、たしかにBだとすれば辻褄が合う、
という、驚きと納得が、
どんでん返しの二大ファクターであろうか。
「知る瞬間」はなんだろうか?
柱の影から覗いてしまう古典的なものから、
何かの証拠を見てしまう、
ニュースで知る、
誰かに面と向かって告白される、
それまで隠されていたものが劇的に姿を表す、
などなど、
色々なやり方があるだろう。
アクシデントと組み合わせて知ることもある。
雨が降って部長のヅラがバレてしまうとかね。
いずれにせよ、
知った後では、知る前とは判断や行動を変えざるを得なくなり、
それが進展になりえるわけだ。
さて、
脚本論に詳しい人は、
この三点とも、ターニングポイントになることに気づかれたであろう。
ストーリーの進展とは、
ターニングポイントに他ならない。
問題解決のメインプロットや、
途中のサブプロットを追い求めているさなかで、
局面が変わる瞬間がターニングポイントであり、
焦点が次のものへ移行するわけだ。
それが、「解決に近づいている」という感覚になれば進展で、
「解決から遠ざかった」になれば後退だ。
(もちろん後退には、更なる進展の期待がある。
更なる進展という期待に応えられなかった場合、
作者は観客の信頼を失う)
問題の発生から解決に至る、
進展のマイルストーンを何個置こう?
大きな進展は大きなターニングポイント、
小さな進展は小さなターニングポイントだろう。
そのターニングポイントが、
「ストーリーが進んでいる」という感覚をつくり、
観客の興味をひき続けるのだ。
ターニングポイントがなかなか来ないのは、
だらだらしているストーリーであり、
進展がない退屈である。
ターニングポイントに到達して、進展させよ。
行動の結果か、
何かが起こるのか、
何かを知るのか。
行動しにくいなら、目的や動機が足りない。
何かが起きないなら、雨でも降らせたり、日曜にしてみろ。
柱の影から覗けば、何を知るだろう。
ストーリーは常に進展し、
進展する方向へ局面が変わらなければならない。
5分に一回?
それはストーリーによる。
15分に一回ではたるいだろうね。
(大進展なら面白いかもだ。
定量的な基準はない)
進展のない空白のエリアに、
脚本家は苦しむことになる。
これら三つのポイントを整理してみると、
突破口が生まれるかもしれない。
「主人公が行動する」以外にもストーリーの進展はあるし、
主人公が行動しないのは、進展のハンドルを握ってなくて詰まらないぞ。
2022年01月14日
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