2023年01月07日

順番に書く必要はない2

まずはプロットを書き出してみて、
これをレポートするジャーナリストの気分になってみよう。


プロット自体が、
「起こった出来事の時系列リスト」だとする。

それを順番に提示されるだけで面白いのが理想だ。

だけど大して面白くないパートもあるかも知れない。

そこを省略できないか?と考えたり、
そこに別の何かを投入することで、
面白く見せることは可能か?
などと考える。

「恋人がデートを重ねて、ついに結婚する」
なんて部分は、よく素敵な音楽に乗せて一気に見せることもある。
そのように省略技法を使う手もある。

オープニングで、回想的な経緯を挟んでいくやり方などもあるよね。


一旦、時系列をバラしてみよう。


あなたがこの事件を長いルポタージュとして書くとして、
まず見出しをどうするだろう?

事件の本質的な何かを抽出するに違いない。
そこから導入は、事件の始まりだろうか?
別にラストシーンから始めてもいいんだぜ。
見出しの結論が分かりやすく、
この事件を紐解いて理解するに適切ならば、
そういう手もある。

真ん中あたりの、
この事件の決定的なシーンから始めてもいいのだ。

見出しとファーストシーンは、
つまり誘引と誘導である。

誘引は、
なぜあなたはこの事件をレポートしようと思ったのか?
が含まれるわけだ。

こんな面白い事件が起きたんだよ、
こんな興味深いことが起こっているんだよ、
聞いて聞いて、これは為になるぞ、これはすごいぞ、
などのような気持ちが、
誘引にはある。

あなたがドヤ顔で発表したいあなたのこととは関係がない。

あくまであなたはジャーナリストだ。
他人の解決した事件がある。
その事件の一部始終を伝えたい人だと思って、
「こんな奇妙な話があるんですよ!」
という立場で考えるのだ。

仮にロシアのウクライナ侵攻をレポートするとして、
誘引はどうする?
「『軍事演習』がなぜ戦争になったか」
でもいいと思うし、
「プーチン狂う」
でもいいと思う。
「狂ったリーダーvs戦場に残ったリーダー」
でもいいかも知れない。
「電車で分かれた軍人と恋人」
から始めたっていいのだ。

歴史的事実、時系列はひとつであるが、
レポートはどの切り口から入ってもいいのだよ。

どのようにしたら誘引できるか?
この事件を人々に伝えるには、
どのようにして本質を圧縮して、
面白い角度から切り取ってみせるか?
ということを考えるのだ。

それがタイトルである。

そしてファーストシーンは、
そのタイトルから、
本編への橋渡しの役割を果たすわけ。
その歴史的事実を語るのに、
ここから始めると分かりやすいぞと。

導入とはそういうことだ。

じゃああとは語り順になるわけだ。

何も時系列順でなくともよい。
このような順で語ると、
その時系列が、そのレポートの切り口の角度で理解できる、
という風になる順がよい。

セカンドシーンはファーストシーンの直後でもいいし、
だいぶあとでもいいし、だいぶ前でもいいし、
一方他の場所では、でもいいのだ。

そしてサードシーンは、以下同じ。
混乱せずに、歴史的事実をうまく解説できればよいのだ。


ルポタージュと歴史的事実の関係は、
調理法と食材の関係だと思えば良い。
刺身でもいいし、カレーにしても良いのである。
ご飯で食べても良いし、ナンにしても良いのである。

あなたの作った「歴史的事実」を、
どのように「レポート」するべきか?

どこから語ると誘引できて導入しやすいか?

そしてそれらを、
時系列通りに語る必要はなく、
事件の全貌が理解できるように語れば良い。


ためしに、
以下のパターンを試しなさい。

1. ラストシーンからはじめて、
 全てを回想形式にして、ラストシーンで終える

2. ものすごいシーンからはじめて、
 その○日前、みたいにしてはじめてそのシーンへ至り、
 そこからは順番に展開

3. 交わる二つのラインを、交互に描く

4. ラストシーン、その前、その前…とやって、
 ファーストシーンで終わる

5. 最低三回、先に結果を見せてから、
 時系列を遡るまたは事後解説してみる


もし他のパターンを思いつけば、
それもやってみても良い。

そのことによってどのような効果が得られるか、
それだとダメな理由はなにかを、
自分の言葉にしてみることだ。

逆に、そのような構成に適した話はどういうパターンだろう?
などと考えるのも良いだろう。


ひとつ留意するべき点がある。
時間順に語らないと、
ひとつだけ減じるものがある。

「主人公と共に、この事態を解決しようとしている感覚」だ。

今これを減らしてでも順を変えるか、
主人公との強い結びつきが大事かを、
選択できるという訳だ。
posted by おおおかとしひこ at 01:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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